彁はるこさんの「クエスチョンローズと憂鬱な薔薇喰」です。
ルイス・キャロルと宮沢賢治と、エドガー・アラン・ポオと寺山修司とかが混ざり合ったような世界観に、彁さんの個性が加味されていて、衣装や家具、調度品などについてのきめ細やかな描写、センスが素晴らしく、奇想天外な幻想小説でもあります。
レビューにもコメントさせていただいたのですが、国書刊行会の世界幻想文学大系の本を初めて読み始めた頃に感じたような、ある種の興奮状態に陥っています。
まだ序章、開幕部を読み終えただけなのですが、彁さんの小説、そして詩には、一種の中毒性があり、残酷描写もあるのですが、憧憬、懐かしさ、彩りや食に対する独特な趣向があり、とても読んでいて面白いです。
もっとたくさんの読者様にも、読んでいただけたらいいなぁと思う次第です。