来瀬震

来瀬震様
　はじめまして。美鶏あおです。先日は私の『わけありご飯～』への★評価、本当にありがとうございました。読む方が楽しくてほとんど書けていない私ですが、とても励みになります。
　そしてそして、これをきっかけに『アルテミスの刃』に出会えたことに感謝しています。
　ついさっき読み終わったばかりなのですが、本当に面白かったです。謎解きの楽しさもあり、加えて読み終わった時、ズシンとしたものが胸のなかに残りました。児童虐待の世界に様々な形で係わってしまった人間がいて、彼らの人生が次々と浮き彫りにされていくことで、現代社会の抱える問題を真っ直ぐに突き付けられた重みです。
　前半に徳島が鳥影を見るシーンがありますよね。とても印象的で、読んでいる間中、ずっと頭の片隅に在り続けました。この物語は、自身も虐待被害者であった彼が、事件を通し過去の傷ともう一度向き合い、真に解放されていく過程でもあったのだろうかと、感じました。
　彼の鳥はようやく目的地に──妻子といっしょに創る幸福の地にたどり着いたのだと思いたいです。
　素晴らしい作品をありがとうございました。新作を楽しみに、ご執筆、応援しております。（美鶏）
　

返信が遅れしまい申し訳ありません！
コメントありがとうございました。こちらこそ、拙作を読んでいただき、とても嬉しいです！

徳島が鳥の影を見る場面ですが、あそこは書き手としても特に気にいっているシーンです。彼の生い立ちや現在の状況、心理の行く先を、何か象徴的なもので表現することがとても大事だと感じたんですね。

お気づきだと思いますが、この作品の各所には「鳥」のイメージが暗示的に登場します。それが「希望」を示す明るい未来なのか、はたまた「呪縛」から生み出される悲惨な終焉なのか……願わくば、そこに興味をもって読んでもらえればいいなと思っていました。

児童虐待という哀しいテーマを追っていく作品だからこそ、あくまでも最後は登場人物達が明るい光に包まれて欲しい……こんな想いが強い作品でしたから、美鶏さんのお言葉はとても嬉しく、また励みになります。

こちらも、美鶏あおさんの素敵な作品を心待ちにしています。
今回はありがとうございました。