これを書いてる時は今より1ヶ月ほど前なので、これが表に出る頃はぶり返して「いや! それでも俺は天才なんだ! そうでないと俺がこの世に生まれた意味が無いんだ!」って思ってるかもしれないけど、
少なくとも今年の8月下旬の頃は、ようやく「自分は天才でも何でもない普通の人なんだ」と納得できるようになりました。
(追記:今でも自分は天才ではない、と思っています。)
もうすぐ42歳が近づいてきているというのに、ようやく「長い長い」「30年以上続いたとてつもなく長い思春期」が終わりました。いやー本当に長かった。
30年以上の思春期って正直ゾッとしますね。いつまで学生のつもりなんだ、って奴ですよ。今年で42歳って言ったらアンタ、子供が高校受験を迎えてもちっともおかしくない年齢ですよ。
「恥を忍んで」とはまさにこの事なのでしょう。私は私の人生35年以上を「自分は天才だ」と勘違いし続けて生きていました。
いや「勘違い」って言うよりは「天才でなくてはいけない義務感」を背負いながら生きていた。と言い換えた方がより正確に言い当てているのかと思います。
幼いころからADHDとアスペルガー症候群という病を併発していて、それもあって「自分は普通の人間じゃない」と力強く思っていました。
で、それに学校のテストで高得点を取っていることと組み合わさって「あ、そうか。俺は天才だから普通じゃないんだ」って思うようになってしまいました。ここからが本当に「本当に」長かった。
一般的に学校で行われるテストはいわゆる「カラーテスト」って呼ばれる奴なんですが、普通にやれば90点や80点は取れるように出来ているそう。
でも当時の俺はそんなの知る事も出来ずにテストで高得点を取れるのを「俺は天才だから」と勘違いし続けて生きていました。
そこからが長かった。そんな「子供時代の万能感」は大抵の人間は学生時代で終わるはずなんですが、俺は長かった。
大学に進学しても就職しても「俺は凡人とは違う天才なんだ。そうでないとダメなんだ」って言う「義務感」は消える事はありませんでした。
大学では卒業に必要な必修科目を取り逃して危うく留年からの中退の危機になったり、会社に就職しても鳴かず飛ばずで出世しなかったんですが、
それでも自分は天才だ。凡人とは違うんだ。と思い続けていました。とにかく「凄い人」になりたかった「スペシャル」でいたかった。
それこそ今から10年以上も昔に「詐欺師に300万円だまし取られても」です。
「オレは天才のはずなのに何でこんなみっともない詐欺に引っ掛かったんだ!?」って自分で自分を責め続けて、メンタルをクラッシュしてもなお
「それでもオレは天才なんだ!! そうでないとダメなんだ!! そうでないとおかしいんだ!!」
って同時に思い続けていました。ここまで来ると「呪い」の一種なんですが「それでも」「それでも」自分は天才なんだ! そうでないとダメなんだ!
っていう思いは頑固にこびりついて、もはや制御不能でした。
なんというか「ゲームの選択肢で『自分は天才である』という選択肢以外出てこなくて、納得するしないに関わらずそれを選ばないとゲームが進まない」状態でした。
こうやってWEB小説家を名乗るのも当初は「自分が天才である」事を証明したかった、ただそれだけですし「何か1つは天才なはずだろ!?」っていう「何か」を探したかったんですよ。
そうやって「中二な」悩みで悩み続けていたある日ふと「天才は若い頃から天才であることを証明できるエピソードを持っている」事に気づいたんです。
本物の天才は最初から凄い。宮本茂氏はプロデューサーデビュー作で「ドンキーコング」を世に送り出し、横井軍平氏は「枯れた技術の水平思考」という後の任天堂の礎(いしづえ)を生み出し、岩田聡氏に至っては高校生の頃からプログラミングが出来る電卓でプログラムを独学で学び、電卓を開発した会社の日本代理店に岩田氏が試しに作ったゲームを送ったところ、
「とんでもない高校生が札幌にいるぞ!」とざわついたそうです。
で、お前はどうなんだ? って言うと……何もないんですよね。それこそ「テストで高得点を取った事」以外、ビックリするほど何もないんですよね。
学歴も東大、京大、MARCHでもない。仕事も年収300万以下。副業だなんだ言っても成功したためしがない。
40年以上生きていて存在する天才エピソードは「学校のテストの点数が良かっただけ」っていうのが、いかに滑稽すぎるものかを
「やっと」本当に40年以上生きていて「やっと」直視する事が出来たんですよ。
「三つ子の魂百まで」っていうのは「呪い」なんですよ。こうやって41歳になるまで人生が狂い続けたんですよ。
大して才能の無い凡人が「天才であることの義務感」に縛られ続けて生きてたんじゃおかしくなるのは当然の事かと。
個人的にはもう少し早く気づきたかったんだが、90にもなって「俺は天才のはずなのに……」って思いながら逝くよりはマシだろうなぁ。
90になってもなお「俺は天才なはずなのに」って思うのはどれだけ痛いことか。ボケてもなお「俺は天才でないとおかしいんだ」って冷静に考えると「うわぁ……」ってなるよな。
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