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カー学4章第6話投稿。あと初稿

今話はなぜか過去一クラスで推敲がつらかった。理由は分からない。もう下記の没稿で妥協しようかと思った。でも、昨日の夕方から徹夜して書いて何とか完成した。これでいいか分からない。でも、やりきった。これが最終稿です。不安はあるけどこれでいく。


第6話 シャルナと明麗
https://kakuyomu.jp/works/16817330658739909192/episodes/16818093082555554601




で、これが初稿です。大分シンプル。タイトルも違う。より実態に沿ったタイトルに変えた。推敲したことで今後の展望がはっきり見えた。大分軌道修正は完了した気がする。これからは本来の構想で書けるかもしれない。しかし、まだ迷いはある。こっちでもよかったんじゃないか。推敲してくれる人がいればこういう時手間を相当省けるのだが……。



第6話 誰と組む?

「ええっ!? 天之くんは私と組んでくれないんですかっ!?」

「は、はい。すいません……」

 場所は変わって人気のない空き教室。あまりにも二人が目立つので移動したのだ。口に手を当てて大仰に驚く明麗に玄咲は申し訳なさで心臓の中を埋め尽くしながら平謝りする。

「その、気持ちはとても嬉しいです。本当に嬉しいです。死ぬほど嬉しいです。この世で一番の幸福の一つを受けたとさえ思っています。でも、先にルディラ先輩に先に声をかけられたんです。だからルディラ先輩と組むのが筋かなと思いまして……」

「むー、確かにそうですね。そう言われれば仕方ありません。引き下がりましょう」

 明麗は一度頷いて引き下がった。その動作に付随して白い髪が揺れて、その天使の羽のような軽やかさに玄咲は密かに見惚れた。明麗はおもむろにルディラの方を向き、

「しかし、ルディラちゃんが天之くんを。……ふーん、なるほど。そういう訳ですかー」

「……」

 ルディラを悪戯気な表情で見る明麗。ルディラは無表情ながらどこか気まずげな様子で目を逸らす。当たり前と言えば当たり前だが、2人は過去に何らかの関りがある様子だった。その理由を知っている玄咲は2人のやり取りをドキドキしながら見ていた。単にときめいているだけだ。

「事情は大体分かりました。まぁルディラちゃんには天之くんが最適かもしれませんね」

「え?」

「天之くん」

 明麗は玄咲の方を向く。

 そして、ニコリと笑った。

「ルディラちゃんを守ってあげてくださいね。私との約束ですよ」

「はい。必ず」

「うん。いい返事です。ふふ、そこで即答できるのはこの学園広しと言えど天之くんくらいかもしれませんね」

(……会長)

 気のせいかと思ったらそうではない。明麗は最初から玄咲にどこか好意的だった。きっと明麗が優しいからだろうと玄咲は自分に言い訳していたがそれだけではなさそうだ。そもそも明麗は優しいだけの人間ではない。理由は欠片も分からないが。

 明麗は玄咲を好意的に見てくれている。その好意の程がどれ程かは分からないが少なくとも好印象を抱いているのは間違いないだろう。

(う、嬉しい。会長。やっぱいつ見ても可愛いなぁ。天使だ……)

「……」

 明麗が唇に指を当てて悩む仕草をする。

「しかし、天之くんが駄目となると、どうしますかねぇ……まぁ、ここはやはり予定通り」

「その、会長」

「? なんですか。天之くん」

 図々しいと思いながらも玄咲は明麗に腰を曲げて頭を下げてお願いした。

「シャルナと組んでください。お願いします」

「――シャルナちゃんとですか」

「はい。シャルとです」

「やだ」

「え?」

「やだ。私、この、天使の人は、や」

 シャルナは頬を膨らませてそっぽを向き明麗と視線を合わせようともしない。天使。その言葉がキーワードだった。玄咲は悟る。

(――そうか。シャルは天使コンプレックスだったな。少し俺の思慮が浅かったか。でも、会長以上の人選何て絶対に存在しない。俺はシャルに絶対会長と組んで欲しい。最初からそのつもりだった。だからここは、俺が説得するしかない)

「シャル。俺は絶対シャルに会長と組んで欲しい。実力、性格、思想、その全てにおいて会長以上の人選なんて存在しない。シャルもさっき納得していただろう。アマルティアンというシャルの特殊な立場を考慮すれば猶更だ。絶対会長はそんなこと気にしない。だから絶対会長がいい」

「はい。気にしません。私はシャルナちゃんのことが大好きですから」

「う。そ、それは……」

 玄咲の絶対会長宣言。シャルナは90%説得される。あと一押し。玄咲はさらに畳みかけた。

「それに何より会長の戦闘スタイルとシャルの戦闘スタイルは似ている。会長と戦闘行動を共にする経験は必ずシャルの飛躍に繋がるだろう。だから――」

「分かった。組む」

 110%の追加上乗せ。200%説得されたシャルナが玄咲の台詞を遮りつつ即答で頷いた。玄咲の顔が明るぐ。

「! 本当か! シャル」

「うん。ごめん。エゴ、だったね。私は強くなるための、最短最適を、行きたい。だから、会長と組む。ううん。会長がいい」

「! シャルナちゃんっ!」

 抱きっ!

「むぐっ!? むー! むー!」

 明麗の胸の中でシャルナが溺れる。柔らかくて弾力に満ちた完璧なバランスの胸がもがくシャルナの動きに連動して縦横無尽に形を変える。玄咲がちょっとだけ羨ましいと思ったのは誰にも内緒だ。明麗が声を弾ませる。

「素晴らしい心がけですっ! 強くなる。その精神が強くなるためには一番大切なのですっ! ふふ。私が見込んだだけはありますね。実は私天之くんが既に決まっていたならシャルナちゃんと組もうと思っていたんですっ!」

「むー! むー!」 

「安心してくださいっ! 私が絶対シャルナちゃんを守ってあげますっ! そして強くしてあげますっ!」

「む、むぐぐ」

「そうと決まれば善は急げ。気が変わらないうちにパートナー申請を済ませてしまいましょうか。さ、行きましょうかシャルナちゃん!」

「い、行ってくる玄咲―!」

「あ、うん」

 明麗に連行されてシャルナは職員室に連れていかれた。早かった。

「……」

「私たちも行きましょうか」

「あ、はい」

 玄咲はルディラと空き教室を出る。ルディラは道中軽くため息をついて。

「焦る必要なんてないのに、全く、会長は慌ただしい人ですね……相変わらず」

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