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3章あとがき

まずは3章を最後まで読んでくださりありがとうございます。やはり読まれるというのは問答無用で嬉しい。読者がいたからここまで書いてこれました。本当にありがとうございます。

3章はどうでしたでしょうか。1章、2章、3章と章が下るにつれてクオリティが下がっていくことに驚いたのではないでしょうか。特に3章は相当ヤバイです。妥協せずに本気で書いてあれでした。本当に僕は深刻なスランプに陥っていたのです。2章が納得のいく出来にならず、また構想が大幅に逸れてプロットも大幅に修正しなければならなかったのと、連載の疲労とストレスでメンタルがやられていたのと、更新ペースを保つために無理して話を書き過ぎてどんどん自分の書き方を見失っていったことと、2章が肥大化し過ぎて途中離脱者が増えどんどん星がつきずらくなっていったのと(ただ、長期連載は基本こうなる)、主人公とヒロインの関係が行きつくところまでいってしまいこれ以上語ることがあるのかと真剣に悩んだことと、何より懸けた思いと時間があまりにも膨大であり過ぎたため、失敗を受け入れられず、メンタルが壊れ、超深刻なスランプに陥っていました。本気で話も文章も書けはするが納得のいくものが書けなくなりました。

 3章の位置づけは2章と4章の繋ぎです。2章が当初の構想と大幅に逸れた展開になった結果、どうしても2章と当初の3章が繋がらなくなりました。だから、その間を繋ぐ話が必要になったのです。それが現3章です。そういう訳で最初の構想には欠片もなかった新3章学園迷宮ヴィズラビリンス編ができました。

 3章の目的は、崩壊したプロットの4章への橋渡し。ADの掘り下げ、明るく楽しい学園生活を書くというものでした。橋渡しは何とかなった。ADの掘り下げも十分やれた。2章でやりきれなかった明るく楽しい話も一応書けた。3章の目的は一応全て果たしてます。

 3章の執筆は困難を極めました。まず書き始めるのが一苦労だった。そして書き始めた後も、話を考えるのも展開を紡ぐのも苦痛に塗れながら質も量も全然伴わなかった。半年かけて1章、2章の3分の1くらいの量しか書けていないことからもどれくらい執筆が難航してたか分かると思います。1章と2章は半年で30万字くらい書いたが3章は10万字以下の文字数。とにかく、プロットが破綻し、予定していたエピソードがつかえなくなり(2章の天使という話が旧3章の第1話となる予定だった)、どうやって話を繋ぐか真剣に悩み、そして辛うじて捻り出したのがあの部活勧誘の1話と黒沢真央というキャラです。

 当初は真央は名前も決まってなかった。適当に透とか澪央とかつけてた。設定も何一つ固まってなかった。猫っぽいから真央となり猫人とか設定が生え、いつの間にか今のキャラになった。猫人らしい様は性格と勘以外何も見せれていない。

 そして、真央一人だと話を回すのが難しかったため灰丸心亜というキャラが付随して生まれました。ちなみにこの心亜というキャラは最初渡口詩織という名前の黒髪の眼鏡をかけたキャラで投稿してました。練りこみが浅すぎたため後で設定を変更した。ただ、名前は灰丸詩織の方がよかったのではと思うこともある。

 この2人は正直あまり優れた造詣のキャラではないです。ケビンの方がまだキャラ立ってる。でも、3章を書き出すきっかけとなったキャラです。ある意味カー学を救ってくれたキャラ。2人とも縁のある猫から名前を取っている。黒色の丸っこいクロマルと、灰色の丸々したマルという猫です。近況ノートにも上げましたがマルは死にました。その後に灰丸心亜というキャラに変更した訳ですが、そのタイミングはただの偶然。もともと真央を灰丸真央という名前で灰色の目隠しキャラにする予定もあったんですが(マルが脱走し二度と戻らないと思ったから作品に残そうと思った。1章のクロマルとクロスケも同じ理由で登場)、その構想を丸々心亜に引き継いだ形です。心亜も灰色の髪で予定していた時期もあり、とにかくこの2人は迷走しながら作ったキャラ。スランプってのはそういうものです。

 真央は当初もっと面倒くさくて険のあるキャラになる予定だった。澪という名前だった頃の没稿から抜粋すると、




「あそこの部長は安全思考で堅いからな。面倒くさい男だよ。ラグナロク学園はもっと自由であるべきなんだ! そうだろう!?」

「……」


→ 自由? あんたはわがままなだけだろ。めんどくせー女   好感度-100
→ マジその通りっすよ先輩~                好感度+1
→ 部長の考えも一理ある                  好感度+5


「部長の考えも一理ある」

 玄咲は正しい選択をした。澪の目が曇る。

「……」

「……まぁな。私にだって分かってるさ。それくらいのこと……」

「……」

 ゲーム通りの展開。玄咲は心の中でガッツポーズをした。

「ちっ。面倒くさい新入生だな。ダンジョンでも潜るか」

 そういうことになった。



 こんな感じのキャラだった。やや男勝りで嫌われがちな面倒くささを放っている。今の良くも悪くも無邪気で子供っぽいキャラとは口調からしてちょっと違う。このキャラは当初は悪童でもっと嫌われるキャラにする予定だった、実際書いたら普通に悪者で何でこいつに加担してんだとなったのでその構想は没になりました。そして真央のキャラが変わると共にダンジョン部と対立している理由も作者にも分からなくなったので最後までボカしていた。エピローグを投稿した日にようやく答えが見つかった。結局最初の構想を引きずった形に。もっと笑顔で悪事を語る案もあったのですが、余韻のあるエピローグにしたかったため今の形になりました。

 ちなみに2人のADは、

 真央のADは牙刃躁爪《タイラント・クロー》ルート・アルファ、
 心亜のADは標葉禍理《しばかり》レイアースです。

 しばかりれいあーすです

 真央のADは一応形になってますが心亜のADは本当仮名です。名前の由来は前半が遊戯王カードの隣の芝刈り。後半が魔法騎士レイアースのレイアースです。その時頭に過った言葉をそのまんま名前にしただけです。最悪です。とうとういい名前が思いつかなかったので真央のAD共々没に。灰嚢果心《ネドネリア》ウィック・ショットみたいな名前になるんじゃないでしょうか。次回登場までに練りこんで置こうかと思ったら次回登場するのが1年後とかそれくらいになりそうで戦慄してる。4章中盤と終盤に出てくる予定。コスモちゃんと試験ではタッグを組むよ。真央はクゥ。大分後のことになりそうなので少しだけネタ晴らし。世界情勢を考えたら最後まで書ける保証もありませんしね。

 ダンジョン部とダンジョン同好会の確執については、詳しく書くと真央がひたすらろくでなしになっていくのでカットした。


 ケビンは最初、真央に恋慕しているストーカー気質の男で、ダンジョンアタックの話を向こうから喧嘩腰で持ちかけてきて返り討ちにあう、と典型的なかませ犬みたいなキャラになる予定でした。ただ、ケビンが最初から妙なキャラ立ちをしていたのと、ケビンの格が下がると付随してそれに従うリュートとアカネ、ひいてはラグナロク学園の格まで下がるため、予定を変更して今のキャラと展開になりました。最初喧嘩口調だったのはその名残。結構上手く書けたと思っている。しかし、真央、心亜、ケビンは、凄く普通なネーミングセンスをしてます。それだけスランプだったのです。


 そして最後、新ヒロインのルディラ・メルキュール。このキャラはカー学を続けた動機の一つであり、1章執筆前から考えていたかなり気合を入れて構想していたキャラで、何とか登場させようと頑張ったのですが、いざ登場させると……筆力が足りず、当初の構想の半分も魅力を引き出せませんでした。このキャラは当初4章から登場するヒロインで、4章のメインヒロインになる予定のキャラで、エピソードも最初から最後までびっちり決めてあるので、4章で巻き返しを図りたい所。当初はクラス対抗ストラテジーウォーの活躍を見て玄咲君に目をつけるという展開でした。正直3章のルディラの登場してるシーンは全部当初の構想にまるでなかったシーン。なのでやや迷走してた。もっと魅力的に書きたい所です。当初はこのルディラというキャラと明麗とシャルナが同格のメインヒロインになる予定でした。その予定は1章で破棄しました。

 他にも、3章には封魔半蔵というダンジョン部の講師が登場してダンジョンアタックの説明と親交をする予定もあったが、ケビンのしっかり者のキャラを強めるためにケビンが解説することになりました。


 ちなみに3章で一番書いて筆が乗ったキャラは司。司君は僕の過去作の主人公の類型に属するので凄く書きやすかったです。暴力的で自分本位だけど一本筋が通った、そんなキャラが僕は好きです。玄咲くんは人受けするために相当練りこんだ亜種的なキャラです。シャルナちゃんは突然変異。この2人は自作の中でも相当変わったキャラとなります。それだけ本気で人に見せることを意識して書いた作品でした。カード学園サヴァイヴは。ラノベ公募に挫折した7年ぶりに小説活動としては本気で、人生全体で見れば15年ぶりに全人生を賭けた本気中の本気で書きました。それだけに失敗した痛みは凄まじかった。これだけのスランプに陥る程に。1章は絶対古今東西比類を見ない、そして万人に受けるはずの時代を問わず世界中で受けるはずの小説の古典になれるレベルの先進的な傑作のはずなのですが……。

 クゥとコスモも描きやすかった。造詣がしっかりしてるから動かしやすかった。特にクゥは凄くいい。言いたいときに言いたいことを言ってくれるキャラ。コスモは相変わらず技名からしてメタネタだらけ。

バーン・ナックル、パワー・ゲイザー、クラック・シュートは餓狼伝説のテリーボガードの必殺技。
スクラップフィストは遊戯王5Dsのスクラップウォリアーの必殺技。シンフォギアの響がモーションを流用しています。
ギャラクティカ・ファントムはKOFのラルフ・ジョーンズの必殺技。大元はリングにかけろ。
リペア・モードはシャドバ。ついでに言えばクレイ・ゴーレムは「ンゴ―」という叫び声も含めてサイゲのあれ。

と、相当入れてる。でも、マキナテック・インパクトというフュージョン・マジックはオリジナルネーミング。そんな斬新な名前じゃありませんが気に入ってます。ちなみにコスモの設定は90年代ごろよくあったラブな感じの謎パワーで稼働する系のロボットヒロインをなんとなく自分流に考えてみた感じです。ときめきエネルギーです。ちなみに名前や容姿はミストトレインガールズのロズウェルです。もはや隠す気もない。ぴきゅるぴ。マルチという名前案もあった。トゥハートです。この3人が3章では生き生きとしてました。

アルルちゃんはラップが思いつかないので未登場です。本当は私生活から韻を踏んで話すキャラだったのだが高難易度過ぎたので妥協した。実はクゥも詩的でポエミーな話し方をするキャラだったのだが詩を勉強する時間がなかったので妥協してる。あっちは今の方がいいと思う。


あと本当に最後の余談。明麗と凛子について。
凛子はビジネス語混じりの英語を会話に交えて話すというキャラなのですが、24話でキャラが崩れていたのはまず展開を書いてあとからネタを入れようと思ったらその時間がなかったからです。
あとはようやく登場させられた明麗のADについて。偽天照覧奉麗泰明剣《ぎてんしょうらんほうらいたいめいけん》禍津切之命《まがつぎりのみこと》。渾身の名前です。神社に所縁のある明麗らしい名前に出来たと思っています。実は投稿前日までは禍津切之命という名前だったのですが、投稿前に遂行しました。いい名前になったと思います。




あとがきはこれくらいでいいかな。語りたいことはまだあるけど、長くなってきたしそろそろ話を締めます。スランプ脱出のための未熟な原稿を最後まで読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうございました。完全に脱した訳では無いが、筆力は結構戻った。4章はいい話が書けた。5話は最初期から構想していた話をようやく書けた。ちょっと人間関係は変わったが、ようやく書けた。そして何より8話を是非読んで欲しい。カー学の、絶対ここまで書くと決めていた話。それか8話。もう、そこまでは書けているので必ず投稿します。8話だけでいい。絶対に読んでください。僕の本気で書いた、本気を出せた。

この話を読んでもらえばもう悔いはない。それだけの覚悟を込めて書いた。ようやく納得のいくいい話が書けました。

もうこれで悔いはない。



最後に少しだけ本音

2章の最終回さ、あれで本当は完結だったのかもね。無理に続けてたのかもしれない。だって、2人の物語はもう完結してるもの。幸せになってるもの。長い時をかけてたどり着くはずだった関係性にもうたどり着いてるもの。

最終話と?話でカー学は終わってたのかもしれない。認めたくなくてあがいてた。天之神社のところまで書きたくて。せめて8話まで書きたくて。

ボロボロになっても恥を掻いてもやってきた。カー学のためだった。俺はやったぞ。辿り着いたぞ。

天之神社まで。

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