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第25話ルディラ少し推敲しました。PS 結局戻した

推敲したというか本当に初稿そのままに戻した。描写が少しくどくなり過ぎてた。本当は初稿が一番気に入っていたのだが、不安に駆られて色々無駄に盛り過ぎた。シンプルで描写が少ないからこそ役にミステリアスな感じが出ている。こっちの方が絶対いい。大きな流れの変化はありませんが、400文字まで文字数が減っている。以下の没稿と見比べたらどっちがいいか一目瞭然なはず。

PS 結局戻した。僕は投稿したばかりの話には批判的になりすぎる癖がある。



第25話 ルディラ
https://kakuyomu.jp/works/16817330658739909192/episodes/16818093078549197940





以下没稿。描写がくどい。そのせいで情緒が台無しになっている。

 ルディラ・メルキュールは空を見ていた。

 空には光がある。高く高く飛ぶ光。雲と同じ高さにある。しかしその存在感は別格。当然だ。光と同じ空にあるただ高空に浮かぶだけでどこにも辿り着かない浮雲の行方に思いを馳せながら、ルディラは空を眺め続ける。

「あの人は大変ですね。……私も来年は大変になるのでしょうか」

 天使のいない空にただただ雲が浮かんでいる。ルディラの美貌を彩る水銀色の髪が薄光を放ちながらふわりと浮かんだ。ルディラは己の感情が昂っていることに気づき、目を閉じ心を鎮めた。

 髪が垂直の角度を取り戻す。

「……全く、面倒くさいですね」

 ルディラは《《魔力》》が乱れたせいで目にかかった前髪を指で払った。ルディラは髪が長いのでよく目にかかる。鏡を見るとルディラは銀色の瞳にカーテンのようにかかる水銀色の長髪のせいで非常に陰気で不機嫌に見える。他人に威圧感も与える。にもかかわらず髪を切らないのは、まさに他人に威圧感を与えられるからというのと、もう一つ、その陰気で不機嫌なさまがルディラの内心にぴったり合っているからだった。

 ルディラはそういう人間だった。

「……眩しいですね。太陽は」

 だから、ルディラの視線を落とした。地上へと。

(あ……)

 そこには、ルディラが最近注目している男子生徒がいた。いつものように木陰の下のベンチに座って恋人とお弁当を食べている。ルディラは手すりに肘をつき頬杖をついて嘆息した。

「……また、彼女と一緒にいるのですか。いつも一緒にいますね。別に人の好みをとやかく言うつもりはありませんが……《《冴えませんね》》。あの子は。まぁ、容姿で人を判別しないという点は加点要素でしょうか。少なくとも、容姿で人を判別する下種よりは余程好感が持てます。……別に、このような容姿を望んだ訳ではないのですがね」

 ミス・ラグナロクに選ばれた程の絶世の美貌の持ち主のルディラは再度、人によっては鼻持ちならない傲慢とも取れる嘆息をした。それから、数秒思案した後。

「……戻りますかね。本校舎に。あんパンも食べ終わりましたし」

 ルディラの今日のお弁当はあんパン1個だ。小柄なので小食なのだ。人のいない場所を求めて屋上を訪れた。お弁当を食べるという目的は果たしたし、風を浴びつつラグナロク学園の小都市染みた景色を眺める気分転換にも飽きた。背を翻しかけて、最後にルディラはもう一度空を見る。もう天使はいない。あっという間にどこかに飛び立ってしまった。

 おそらく、魔獣を退治するために。

 魔獣――。

「……また、思い出してしまいました。次の試験、誰と組みましょうかね……」

 ルディラは前髪に隠れた銀色の瞳をタイル張りの地面に落としながら給水塔の下の階段へと歩む。その脳裏にふと、数日前に見たダンジョンアタックの景色が蘇る。

「……《《凄かった》》、ですね。私に足りないものを埋められるのは、あの中だと、やはり――」
 
 無人の階段にカツーン、カツーンと冷たく乾いた足音が響く。そのミス・ラグナロクにも選ばれた程の孤峰の美貌にかかる銀髪をそのおぞましい程完璧なラインを描くしなやかな指で払いながらルディラは呟いた。

「彼ですね」






これが修正稿

 ルディラ・メルキュールは空を見ていた。

 空には光がある。高く高く飛ぶ光。雲と同じ高さにある。しかしその存在感は別格。当然だ。空に浮かぶだけの浮雲の行方に思いを馳せながら、ルディラは空を眺め続ける。

「あの人は大変ですね。……私も来年は大変になるのでしょうか」

 天使のいない空にただただ雲が浮かんでいる。ルディラの美貌を彩る水銀色の髪がふわりと網浮く。ルディラは己の感情が昂っていることに気づき、目を閉じ心を鎮めた。

 髪が垂直の角度を取り戻す。

「……全く、面倒くさいですね」

 ルディラは目にかかる前髪を指で払う。そして屋上の縁から降り、天使なき空に背を翻しラグナロク学園の校舎へと戻った。

 その脳裏に、数日前に見たダンジョンアタックの映像が過る。

「……凄かったですね。私には真似できません。……やはり」

 ルディラは昇降階段を下る。

 そして無人の高所にカツーン、カツーンと冷たく乾いた足音が響かせながら、そのミス・ラグナロクにも選ばれたほどの孤峰の美貌に憂いの華を咲かせて呟いた。

「《彼》ですね」

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