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恵民署の蝶と花、「神業」解説

「神業」解説です。本編読了後に読むことを強く推奨します!







神業、五
・インフォームド・コンセント…花精の話した「医者は治療の際に適切で十分な説明をする義務が、病人にはその説明を聞いて同意する権利」という考え。

神業、六
・海馬…脳の、記憶を司る場所。

神業、七
・栄養評価…患者が、どのような栄養状態にあるか評価をする。現代では(一次)予防において、太りすぎている事が問題視されるような事が多いが、臨床現場では、痩せている方が重症化や、治りの予後が悪くなるため、こちらの方が問題視される。
・肩甲骨周辺、二の腕の肉…ここの肉つきの厚さ(皮下脂肪)は、栄養評価の指標になる。
・爪の形…貧血になると、爪の真ん中がくぼんで、スプーン状になることがある。また、毎日爪(指)に負荷をかけていてもなる。
・肌が黄色がかる…黄疸のこと。肝臓などの機能に問題があると、白目や皮膚が黄色くなってしまう。
・どこかがぽっこりと膨れている…腹水や、浮腫(むくみ)がないか見ている。
 蝴蝶は、これらの事を目で診ながら、春柳の身体を拭いていた。

神業、九
・嚥下障害…嚥下とは、飲み込むこと。それが障害された状態。うまく飲み込めないと、誤嚥してしまい、肺炎などの原因となる。

神業、十二
・捕盗庁…主に都を警備する警察のような機関。間王国には東西南北に位置し、それぞれ北捕盗庁、南捕盗庁などという呼ばれ方をしている。大将と呼ばれるトップが一人、従事官が2〜3人、部将が3〜4人居る。他に、役を当てられてない平が何人かで構成されている。

神業、十三
・良人…貴族階級でも、奴隷階級でも無い階級の者。

神業、十五
・馬鈴薯…ばれいしょ。じゃがいものこと。特別な加工をしなければとても足が早く、芽や青くなった部分はソラニンという毒素を発生させる。妊婦さんは摂取しないように気をつけたい。本編では青くなった馬鈴薯を食べることで死んでしまったが、致死量はじゃがいも2kgぶんぐらいなので、万が一食べちゃっても心配しすぎる必要もない。食べない事にこしたことはないが。

神業、十七
・花精が蝴蝶をぎゅーっとしている間、园丁は黙って存在を消していました。(すごくどうでもいい補足)

神業、二十
・花精はおばけとか、怖い話がとても苦手です。

神業、二十一
・牛刀…よく見る包丁。使い勝手がいい。

神業、二十五
・禁軍三庁…兼司僕(キョムサボク)、内禁衛(ネグミ)、羽林衛(ウリミ)からなる、王の親衛隊の総称。捕盗庁などのような警察業務はあまり行わず、王を護る事がメイン。
・兼司僕…何よりも腕がたつかどうかが重要視された、親衛隊。なので位が低い人も、腕がたてば入れた。精鋭。
・内禁衛…王の側近で護衛する、親衛隊。顔採用もあったとか、なかったとか。
・羽林衛…武芸に長けた庶子(妾の子のこと)で編成された、親衛隊。
・尚宮…女官の最高位。
・紗帽…この時代の、位の高い男性が身につける帽子。

神業、二十六
・既往歴…これまでにかかった病気のことなど。
・薬菓…伝統のお菓子(らしい)。市販もされている。とても美味しい。作者はこの前、これを食べて美味しかったので、話に出そうと決めた。

神業、三十
・尺骨…腕の骨。二本あるうちの、小指側。親指側から伸びる腕の骨は、橈骨(とうこつ)。
・脾臓…赤血球達の墓場。寿命がくると、赤血球達はここに流れて、破壊される。
・持針器…読んで字のごとく、縫合針を持つための手術道具。
・出血性ショック症状…大量に出血することによって生じる、ショック症状。頻脈、呼吸数過多、冷や汗、血圧低下などが症状にあげられ、放置すると死ぬ。

神業、三十一
・血液適合検査…血液型検査のこと。血液は、違う血液型同士の血液を混ぜると、固まってしまう。なので、簡易的な血液型検査ができる。が、何型かまでは分からないし、その人と同じ血液型だということしかわからない。
・義禁府…捕盗庁は都の警察、義禁府は宮中の警察。拷問はお手の物だ。

神業、三十二
・輸血…現代では輸血パックがあるが、花精達の時代では、まだ、血液を保存する技術を持ち合わせていない。そのため、人から人への輸血になる。医学史では、世界で初めての輸血は血液型検査という概念も無かったので、勿論血液型等の確認が無かったことはおろか、他の動物の血を入れる治療法まであったらしい。

神業、三十三
・月のもの…月経のこと。

 以上、二章「神業」の補足になります。あー、長かった。途中更新が止まったりもしましたが、見てくださりありがとうございます。
 次の新章からは、花精でも、蝴蝶でもない、もう一人の登場人物にスポットライトをあてて、書いていきたいなと思います。
 そして、ここまで読んでくださった方々に、特別な補足をしたいと思います(?)
 春柳ですが、本人は流産した、と思い込んでるのでそういった描写しか出来なかったのですが、本当はしていません。なぜなら、そもそも、赤子すら身ごもっていませんでした。
 古い時代では、栄養素が不足することによって無月経になる女性や、月経不順になる女性が居ました。春柳は、それです。
 しかし、医の知識も無いものですから、春柳も、益も子が出来たと思い込み、浮かれていました。そこへ、春柳は月経が来て、流産したと勘違いしてしまったというわけです。
 この補足は無くても構わなかったんですが、知ると、また違う視点でお話を楽しんで頂けるかなあと思います。興味があれば、また見直して下さると嬉しいです。

 では、この時代(といっても明確にはどれぐらい昔かはあんまり決めてないんですけど)では、どうやって妊娠を知ったのでしょうか。
 それは、新章にてお話する予定です。新章では妊娠と、妊婦と、応用栄養などがメインのお話になります。
 ひょっとしたら、花精はあまり手術しないかも?

 

 長々とすみません、ここまで読んでくださりありがとうございました。
 ご質問、私への連絡などごさまいましたら、遠慮なくこの近況ノートへコメントお願いします。


それでは、新章でまたお会いしましょう。

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