花の精解説
花の精二
・胸章について…官服にはそれぞれ象徴をあしらった金の刺繍が胸に大きく施されている。王様は龍、王妃は鳳凰、文官は鳥、武官は四本足の獣だと決められています。
そのどれにも当てはまらない花の胸章をつける花精に蝴蝶は疑問を抱きます。
花の精三
・常食について…常食とは、食事制限のかかっていない病人が食べる食事で、基本の献立となる。
・展開食について…常食を基本とし、そこから食事制限がかかっている病人に合わせた展開をする。
・老齢の病人の食事について…展開食の一つ。老人なので噛む力が弱く、予め切り刻むという展開を加えている。
・誤嚥について…誤って飲み込んでしまうこと。歳をとると食道と気道の境目にある弁が衰え、誤って食物を気管に侵入させてしまうことで食物中に存在する細菌から感染、誤嚥性肺炎のきっかけとなることがある。それを防ぐため作中では葛粉を入れとろみを加えることで食道をゆっくりと流れるようにして誤嚥を防止している。
・少量頻回食について…作中で最後に紹介されている食事。咳を患った病人は咳をするだけで多くのエネルギーを消費してしまうため、普通に寝ているだけの病人と比較して安静時代謝量が多くなる。そのため、摂取カロリーを増やさなければならないのだが咳が重いため食べるだけでも苦労をしてしまう。そこで少ない量でも回数を増やすことで食べやすく、かつ必要エネルギー量を確保している。
花の精四
・奴婢…奴隷階級の者達のこと。
・両班…貴族階級の者達のこと。
花の精五
・黄芩…生薬のひとつ。コガネバナという花の根の周りの皮を取り除き乾燥させたもの。胃の炎症の回復、解熱。
・蓖麻子(ひまし)…生薬のひとつ。トウゴマの種で、排便を促す下剤。
・三七根…生薬のひとつ。高麗人参の仲間で、止血に有効とされる。
・附子…生薬のひとつ。ぶし、ぶすとも読む。シナトリカブトの根を乾燥させたもの。鎮痛作用。
花の精六
・鍼麻酔について…鍼で経穴を刺激することで、脳からのエンドルフィン分泌を促し薬剤などを使わずに痛みを伴う手術を行う事が出来る。効果が現れるまでに十五分以上かかる。
花の精七
・チアノーゼについて…酸素が足りず皮膚が青紫色に変色した状態。
・鉗子…手術器具のひとつ。鋏っぽい形をしているが先が丸い。出血を止めるための血管を挟む止血鉗子を花精は欲しかった。他にも腸、骨などを把持するための鉗子も置いてあった。
・剪刀…手術器具のひとつ。鋏のこと。
・鑷子…手術器具のひとつ。花精はこれでガーゼを掴んで血を拭き取りたかったらしい。
花の精八
・バイタルサインについて…生きている証のこと。意識、脈拍、血圧、体温、呼吸のことをさすが、鍼で目視させることが出来るのは脈拍と血圧のみ。园丁は本来ならば首の大動脈付近に鍼を刺していたが今回は喉の切開のため太ももにしたようだ。
…と、つらつらと思いつく限りで順に並べてみました。
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