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ちょっとだけ個人的な話を書きます


【かなり個人的でデリケートな話になります】

読むか飛ばすかは完全に自由です。
無理に読まなくても大丈夫。
気分が重いときはスルーしてくださいね。



最近ふと、「ここなら少しだけ素直になってもいいかな」と思いました。
きっと、ここなら静かに読んでくれる人が多い気がして……
現実の私を知っている人もほとんどいないから……
そんな気持ちで書いてみます。

私はずっと、自分の「生まれた性別」に強い違和感を抱えて生きてきました。
社会の「女性はこうあるべき」という空気や、
身体そのものに対する違和感。

今なら「性自認」という言葉で説明できるのかもしれませんが、
私が育った時代には、そんな言葉も情報もほとんどありませんでした。

だから長い間、自分の気持ちに名前すらつけられなかった。
大人になってようやく「ああ、私はこうなりたかったんだ」と気づいて、
変わりたいと強く願った時期もありました。
でも、現実的にはいろいろな壁が高くて……
結局、その道を選ぶことはできませんでした。

それでもできる範囲で外見を「自分らしく」整えて、
好きになるのはずっと女性で。
それは子どもの頃から当たり前にそうだったのに、
長い間、誰にも言えずにいました。

恋愛に挑戦できるようになったのは、成人してずいぶん経ってから──だいたい二十代半ばになってからでした。
もちろん上手くいかないことばかりで、
中には「やっぱり最終的には男性と結婚したい」と言われてしまった相手もいて、
「なんで私はこうなんだろう……」と、ひとりで落ち込んだこともありました。

そんな中で出会ったのが「浅川さん」です。

私はいわゆる「男装女子」で、
浅川さんは「女装男子」。

会社で地雷系メイク&コーデを堂々として、それでも嫌われない。
初めて見たときは本当に衝撃でした。
そして、きっとそれが私たちが惹かれ合った理由だったんだと思います。

私たちはよく一緒に買い物に行って、
お互いのために服を選び合ってました。
あの猫耳パーカーは、実は私が浅川さんに「これ似合うよ!」って薦めて買ったもの。
でも、浅川さんが着ると「ちょっと無理してる感」が出ちゃうのに、
私が着ると妙に可愛く見えるって本人も笑ってて。
「これ、完全に逆じゃん!」って二人で爆笑したのを覚えてます。
……そう、あれが私たちの最初のペアルックだったんですよね、今思えば。

今は「男装女子」「女装男子」をテーマにした作品も珍しくなくなったし、
当時ほど特別な話でもなくなったのかもしれません。
でも私にとっては、あの出会いと時間はかけがえのないものでした。

実は、今書いている『ゲーム会社で恋を求めるのは間違っているだろうか?』も、
あの経験が大きな土台になっています。

「もし私が男性で、浅川さんが女性だったら」

そんな、ちょっと普通じゃない形の、でもとても普通の恋を、
物語の中でそっと再体験させてもらっている気がします。

こんな話を急に書いたのは、
ここなら、少しだけ「素」の自分を出しても許されるかなと思ったから。

それに、あの会社の皆さんは、
当時の私たちをありのままに受け入れてくれました。
今でも本当に感謝しています。

そして──
浅川さんとは、今もちゃんと一緒にいます。

あの頃のまま、鏡合わせみたいな関係のまま、
でも確実に一つずつ階段を上って、
今も隣にいてくれます。

今はもう、あの頃の自分を責めたりもしません。
浅川さんとの日々が、私にとって何よりの答えであり救いです。
長くなってしまいました。

それでも最後まで読んでくれた方がいたら、
本当にありがとうございます。

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