私は昔から香港という街がとても好きで、
活気も、人の温かさも、あの独特の混ざり合った空気も含めて、
自分にとっては特別な場所です。
だからこそ、昨日(11月26日)起きた出来事を知って、
どうしても気持ちが整理できず……
ちょっとした題外話になりますが、ここに書かせてください。
昨日、香港の新界・大埔で非常に大規模な火災が発生しました。
火元となったのは、公営住宅「宏福苑」。40階建て・8棟から成り、約5,000人が暮らす巨大な住宅団地で、日本で言えば古い団地やUR住宅に近いイメージです。住民の多くは中低所得層や高齢者、新移民の方々でした。
当時は外壁の改修工事中で、建物全体が足場と断熱材で覆われていました。
しかし、その断熱材が可燃性の高いもので、2024年に川崎で起きた外壁火災と非常に似た状況でした。
午後3時前、外壁が突然出火し、火は足場を伝って一気に上階へ。
さらに、8棟の中庭がつながった建て方だったため「煙突効果」が発生し、濃煙と炎はほんの数分で最上階まで到達しました。逃げる暇すらなかった住民も多く、火災はすぐに最高レベルの「五級火」へ格上げ。これは香港で17年ぶりです。
平日の昼間だったため、多くの住民は外に出ていましたが、残っていたのは逃げるのが難しい高齢者が中心でした。
現時点で、
44名が死亡(増加の可能性あり)
58名が負傷
279名が行方不明
と発表されています。
救助中に殉職した消防士・何偉豪さん(37歳)のニュースも、とても胸が痛みました。
香港では最近、工事中の足場火災が続いており、本来は防火素材の使用が義務付けられています。
しかし今回はそれが守られておらず、逆に可燃素材で窓が塞がれていたという報道まであります。
先進的で安全基準も高いはずの香港で、
こんな大規模な火災が起きてしまうことが本当に悲しく、
1棟の火が連鎖して8棟すべてに影響が及んだことは、ただただ衝撃でした。
亡くなられた方々のご冥福を心から祈るとともに、
被害に遭われた皆さんが一日も早く助けを受けられますように。
📷火災前の宏福苑(11月25日撮影)(出典:Wikipedia)