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『精霊王の末裔』SSプレゼントしてもらいました!!!『ジュキのレディースデイ』鮎咲亜沙先生・作(グランテルメのイラスト付き)

ファンアートならぬファンSSをプレゼントしていただきました!!
以下、鮎咲亜沙先生作、『精霊王の末裔』二次創作SS、
タイトルは

『ジュキのレディースデイ』

です!

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 その日俺は暇だった⋯⋯

「なんか久しぶりだな、こんな日は⋯⋯」

 レモはなんかファンクラブの会合とかで朝から出かけてて居ない。

 ユリアの奴はなんか「今日は月に一度のジビエの日」とか言って、山に狩に行った。

 こんなに退屈ならどっちかに付いて行けばよかったかも?

 しかしレモのファンクラブに付いて行けばまた俺をみんなで着飾って遊ぶのが目に見えているし⋯⋯
 ユリアに付いて行けば山の中を駆け回って火で焼いただけの肉食うだけのワイルドな日になる。

「そういやちょっと前までは俺⋯⋯こうやって一人だったんだよなー」

 いつの間にかすっかり賑やかな環境に慣れちまったな。

「竪琴の手入れでもするか⋯⋯」

 俺は綺麗な布で愛用の竪琴を丁寧に拭く。
 しかしそれもすぐに終わる。

「⋯⋯出かけるか」

 こうして俺は久々に一人で、この帝国の街にくり出すのだった。



 散歩程度に歩いているとその喫茶店の看板が目に入った。

『本日レディースデイ! 女の人には特製パフェ大サービス中♡』

 ⋯⋯めっちゃ食べたい。

 しかし、レディース限定だろ?
 ああ! レモかユリアが居れば分けてもらえたのに!

 ⋯⋯いや、ユリアは分けてくれないな、絶対に。
 そんな風に店の前で俺が葛藤していると⋯⋯

「あら、ジュリア様ではありませんか!」

 なんかメイド服姿の女性店員に話しかけられた!?

「あ⋯⋯ども」

「きゃー! 本物のジュリア様! 握手してください!」

「あ、はい」

 俺は握手する。

 てかなんだよ本物のジュリアって!
 ジュリアは偽者なんだよ! 俺が本物だってーの!

「今日は男装してお忍びですか? もしかしてこの店に食べに来てくれたんですか!」

 ちげーよ! 男装じゃねえ! これが普通なんだ!

 ⋯⋯まてよ!
 この子⋯⋯俺のことを女だと思っている!?

 ⋯⋯女のフリしてパフェ食うのは間違っているが、店員が勝手に俺のことを女だと間違えただけなんだよな。

「⋯⋯ああ、今日はこの店のパフェ食べに来たんだ!」

「やっぱりそうだったんですね! お客様1名入りまーす!」

 こうして俺は店に招かれたのだった。

 待つことしばし⋯⋯
 俺の前に特製パフェが置かれた!

 うまそー!
 俺はご機嫌だった♪

「美味しそうだな!」

「ちょうどよかったです。 最後の一皿だったので」

「うん? 売り切れってこと?」

「はい! 今日は団体様がご来店だったので」

「そうか、繁盛してんだなこの店」

 そんな人気店のパフェにありつけて俺は大満足だった。

 ああ⋯⋯この先っちょにあるチェリーを最初に食べるのか、最後まで取っとくのかー。
 それが問題だ。

「私だったら最後まで取っておくけどね」

「だよなー、やっぱ最後まで⋯⋯って、レモ! 何でここに!?」

 なんと俺の席の隣に座っていたのはレモだった!

「今日のファンクラブの会合はここでだったのよ」

 なんだって──!?

「きゃー! ジュリア様よ!」

「今日はオフのお忍びのジュリア様⋯⋯尊い」

 そうファンクラブのメンバーにも見つかってしまった!

「どうしてこんなことに⋯⋯」

「それよりも早く食べたらジュキ? 溶けちゃうわよ」

「食べないなら私が食べちゃうよー」

「って!? ユリア! なんでお前まで!」

「⋯⋯? なんでって、肉を食べたら今度はデザートでしょう?」

 コイツ⋯⋯さも当然のように言いやがって。

 こうして退屈だった俺の昼下がりはいつもの賑やかなものになるのだった。



「ところでジュキはチェリーの茎を口の中で結べるかしら?」

「ん⋯⋯? そのくらいできるぞ」

 俺の二股の舌をなめるなよ!

 俺はレモに綺麗に結んだサクランボの茎を見せた。

 やべ⋯⋯舌に乗せたまま見せるとか、下品だったか?

「へー、ジュキってばそうなんだ⋯⋯」

「俺が、何?」

「ア・ト・デ・確かめさせてね♡ ってことよ」

 そのレモの言葉の意味を俺が知ったのは後で二人っきりになった時だった。

 思いっきり俺の舌をなめられたよ⋯⋯
 
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というわけで、皆さんいかがでしたか!?

私は一人で楽器の手入れをするジュキが、ちょっと孤独な芸術家っぽくてかっこよかったです!

ジュキの舌先が二股に分かれている設定は、本編ではぼかして書いていました――蛇嫌いな人にブラウザバックされないように・・・笑 でもコメント欄ではバラしている!
それを覚えていて拾ってくださったとは!! と感動しました(n*´ω`*n)

ジビエの日、があるユリア、貴族らしさと大食いキャラが同居していて素晴らしい!
この設定はぜひ本編に逆輸入したいっ!

鮎咲亜沙先生の作品を2作紹介します♪

『リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330649840178082

美少女のような愛らしい声を持つ男子高校生が、美少女Vチューバーになってどんどん成功していく物語です。
かわいいVチューバーがたちがわんさか出て来ますよ!
主人公以外はちゃんと中身も女性です。
美少女じゃなくて女性もいますが――って年上キャラたちに怒られそうな説明になっちゃった笑

『銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~』
https://kakuyomu.jp/works/16816927862145699857

私がすごく気に入っている異世界ファンタジーです。
バトルはちょこっとで、人間関係やキャラクターの個性に重きを置かれた書き方が好みなのです。

長いこともあって、私は半年以上かけてゆーっくり読み進めていましたが、
先月ついに読み終わってしまいました。

各キャラクターの背景がしっかりと書き込まれ、伏線がちゃんと回収されてゆく。
とても丁寧な作りだと思います。
敵も出て来るけれど、胸糞な奴がひとりも出てこない、優しい世界で素晴らしいです。

でもしっかりファンタジーらしさもあって、ワクワクします。
こういう少し童話風味を感じる異世界ファンタジー作品がもっと増えるといいなあ♪

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本日のイラストコーナー
鮎咲亜沙先生のSSと関係なくてすみません!
明日更新の『精霊王の末裔』で行く公衆大浴場「グランテルメ」のイラストです!
いい湯だな~♨

14件のコメント

  • 素敵です!
    作品、作者様への愛を感じるわ♡
  • 今回SSを書かせていただいた鮎咲亜沙と申します。

    綾森先生とは去年からの交流でして、その1周年記念として書かせてもらいました。
    ⋯⋯前から誰かに二次創作書いてほしいとおっしゃってたのでw
    なので皆さんも書いてあげてくださいませ!

    みんなだってジュキちゃんを色々弄びたいでしょ!
    綾森先生もきっと喜ぶはず。
  • 追伸

    ジュキたちが居た帝国の街は、綾森先生が住むイタリアのヴェネツィアのイメージなので、
    今回の舞台の喫茶店もこんな運河の傍にあるんじゃないかと思います。
  • さくらん様、
    コメントありがとうございます!!

    ほんと、ありがたいことですよ~! 感動!!(n*´ω`*n)
  • あー様、
    「前から誰かに二次創作書いてほしいと」言ったかなあ!?
    私はしょっちゅう脳細胞がいくつかすっ飛んだ状態でメッセージ書いてるからなあ、、、
    本音駄々洩れで、もちろん送信前に読み直してはいるんだけど、そのときはそれでいいっていうテンションで送っちゃうんですよね~

    なるほど! ヴェネツィアの喫茶店!!
    ふと自分の頭の中の映像が日本のファミレスだったことに気が付いて、愕然としております( ゚Д゚)
  •  SS、面白かったです。
     で、私はSSというのが、二次創作、だと初めて知った次第です。
     いまさら聞けない、ことのひとつが解決しました。
     ありがとうございました。

     「グランテルメ」きれーい!
     泳ぎたーい。 ←絶対怒られる。
  • 冴月さま、
    読んで下さり、嬉しいです!!
    いえいえ、SSってのは「ショートショート」もしくは「ショートストーリー」の略です!
    私の説明が分かりにくくてすみません!!

    こちらのいただいた小説、1,700字程度なので、SSと呼べる長さです。
    「二次創作のSSを書いていただいた」が正しい説明です🙇

    日本の温泉の大浴場も、私は人がいないと泳ぎたくなります笑

    先日は歌魔導士にレビューコメントを書いていただき、ありがとうございました!!
    短編ってレビューを書きにくいのに、しっかりと内容のあるレビューを書いて頂き感謝です。やっぱりさすが冴月さまだ!!と思いました。
  •  再コメント、失礼します。

     こちらこそ、
    『初心者のみなさまへむけて ウチのクセモノ!』
    に、ものすごく素敵なレビューをいただき、感謝感激です。

     伏して、伏して、お礼申し上げます。m(__)m

     そして、
    『初心者のみなさまへむけて ウチのクセモノ!』
     の、第15話 いまさら聞けない
     というのを、さきほど下書きしました。

     そこに、れんさまのセリフ
    「いえいえ、SSってのは今回は「ショートショート」もしくは「ショートストーリー」の略です!
     「二次創作のSSを書いていただいた」が正しい説明です」
     というのを使いたいのですが、よろしいでしょうか?

     れんさまに、ご迷惑がかかるような内容には、なっていないと思います。
     れんさまの許可をいただければ、このままいきますし、困る、とおっしゃるのであれば、修正します。

     お忙しいところ申し訳ありませんが、このページにお返事いただければ、ありがたいです。
  • 冴月さま、お返事遅くなり申し訳ありません!
    もちろんなんの問題もありませんよー!
    ぜひお使いください(≧∇≦)b
  • 本城冴月さまへ。

    SSに作者(公式)も、二次創作(同人)の区別はありません。

    単に作者が自作品のSSを書く機会など、ほとんど無いというだけです。

    なので結果としてSSはファンの同人活動という認識を持つ人が多いのです。

    作者自身が書くSSは書籍化した時の店舗特典の短編の紙等かな?
  •  綾森れん@精霊王の末裔👑連載中さま

     ご許可、ありがとうございます!
     るんるんしながら、使わせていただきます。


     鮎咲亜沙さま

     ご丁寧な解説、ありがとうございます!
     知らないことが多くて、勉強中なので、助かります。
     
     確かに、作者の自作品のSSというのは、ほとんど無いでしょうね。
     よくわかりました。
     改めまして、ありがとうございます!
  • 冴月さま、
    いえいえ、少しでもお役に立てましたら嬉しいです!

    あー様、
    ほうほう、確かに商業作家の場合、作者がSS書く機会って普通ありませんよね。書店特典くらいかー。
    カクヨムだと限定近況ノートとかありますけれどね・・・

    サブカルに疎いので勉強になります!
  • こんにちは。

    とても素敵なSSでしたね!
    長さもちょうど良い読みやすさ。
    ジュキ、女の子のふりをしたいのではない。でも、パフェ……食べたい。店員さんが勝手に勘違いしたんだから……。との心の動きが秀逸でした。オチも、ラブラブなレモネッラとジュキ、で、本当に良いSSをプレゼントしてもらいましたね〜、綾森れんさま!
  • 加須 千花様、
    SS読んで下さり、ありがとうございます!
    この長さでオチまでまとめられるってすごいなあと思っていました。
    私がSSを書くと大体3,000字は越えてしまうので・・・。

    みずから嘘はつかないけど、勘違いなら仕方ないよね! という心理、分かるような気がします笑

    ええ、SSプレゼント、とっても嬉しかったです!
    でもちゃんと読んで感想をいただけたのも、すごく嬉しいです!!
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