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愚王。二度目は賢王に~何をやってもうまくいかないからやけくそで全部逆張りしてみた~

案のみ。このネタはきっと面白くなると思うんだ。

お得意の政略もの。
まとまってないですが、こんな感じで考えております。
これを書くには事前にちゃんと勢力図やら人物を割り振っておかなきゃならない。
じゃあ、イルモーロの続きの方が、、と思わなくもない。

「この愚図が!」
「死んで詫びろ!」

群衆からの罵声が飛び交う中、クリオス・バシレウスは断頭台の露と消えた。
勃興期にあった王国を一代で滅亡させた王は絶望の元、この世を去る。
去ったはずだった。

確かに死んだはずの彼は目を覚ます。それも、彼がまだ王になる直前に。
この時の彼は父である王の命により辺境の防備に当たっていた。この頃は良かった、と彼は懐かしむ。
王位を継ぐのは兄であるはずだった。武勇はからっきしだが、優秀な頭脳を持つ兄は将来の名君として期待されており、王になる前から宰相として辣腕を振るっていたのだ。
彼は兄のことを尊敬し、彼の時代が来れば王国は雄飛すると信じていた。この時までは……。

「王が、フォカス王が崩御されました!」

早馬が駆け付け、彼に王の死を告げる。
繰り返しているのか? これは、夢……? この後、どうなった。
そうだ。

「クリオス様! モンスターの群れが!」

銅鑼が鳴り、ラッパが吹きならされる。
都合の悪いことに、モンスターの襲撃があった。父が崩御し、民も動揺する中、モンスターに国境線を破られれば大事になる。
だから、俺は城壁で防衛することを決意し、見事防衛を果たしたのだ。
よかれと思ってやったこと、全て裏目に出た。一度体験したことであるが、今でもこの時の俺の選択は間違っていたと思えない。
国境線を抜かれれば、モンスターを領内に呼び込むことになってしまう。農地が村が民が……。
目を瞑ったクリオスは逡巡する。額に汗が浮かび、眉間にしわが寄る。拳を痛いほど握りしめ、カッと目を見開いた。

「全軍退却。王都に戻る」
「クリオス様! そ、それでは……モンスターは……」
絶句する書記官と入れ替わるように副将が前に出る。
「クリオス様。勇猛果敢、戦場では敵なしのあなた様が『引く』という選択をされるなど……フォカス王が崩御されようとキウス様がいらっしゃいます! 必ずや王国をまとめてくださることでしょう」

クリオスは武官としては優秀だった。若くしていくつもの戦場を馳せ、勝利に導いて来た。
王が崩御した後、急遽王都に引き返すなど、不穏な考えを持たれていると疑われても仕方がない。しかし、副将の目は違った。彼を疑いなどしていない。
クリオスはそんな副将を。かつての友に胸が熱くなる。

「アンドロニコス。我が友よ。只戻るわけではない。城壁がある。故に地の利があるというわけではないのだ。なあに真っ直ぐ帰還するわけじゃないさ」
「……策がおありなのですね」

正直なところ策なんて無かった。只、前回と異なる選択をしただけ。
王都へ直行したいところだが、そうもいかないか。いろんな奴に裏切られたからなあ。はあ。後ろから刺されるのは辛い。
最低限離反しないようにはせねば。

書記官、副将とへ自分は分かった風を装って聞いてみる。(ノープラン)
「モンスターは何故、王国領へ入ろうとするのだ?」
「モンスターによりますが、女を攫うため。男を攫うため」
果たしてそうか? まだあるだろと促す。(ノープラン)
「多くは食欲。王国内には豊富な食糧があると妄信しているのでしょう」
「それだ! 書記官!」
「なるほど。さすがクリオス様! 食糧を各地にばら撒き、各個撃破しようというのですな。上手くすれば、モンスター同士で争うかもしれません」
副将が顔を綻ばせる。

お、おお。逆を選んでも上手く行った。領内に引き込むことで各個撃破……食事時に襲い掛かる。これなら人的被害を抑えることができる。食糧は少し減るが。
これなら理由を付けて軍を分けつつ、領内の騎士団とも共同戦線を張ることができる。
急ぎ、王都に戻らねば。
前回、俺はこの場で防衛することを選んだ。俺が戦っている間に兄が事故死してしまった。
今回は間に合うかもしれない。兄がいれば、王国が滅亡することもないはずだ。俺と違って兄なら。
なんのかんのあって王都に戻る。
しかし、兄は既に亡くなった後だった。間に合わなかった……。それにしても俺「に都合が良過ぎ」ないか?
まるで俺が王になれるように状況が変化したかのよう。微塵たりとも望んでいない。俺は兄に王になって欲しかった。俺は国境防衛しているのが性にあっている。
ただ戦うだけなら、俺でもできる。全体を見渡して戦略を立てることは兄の方が断然優れているけど、戦術レベルならばなかなかのものなのだ。
それでも今回は違った。兄が亡くなった翌日に到着したから、すぐさま王となり動くことができた。
問題の人事である。人事も前回疎遠にしたものを要職につけ、軍師も宰相も別のものにした。宰相は特になやんだんだ。
王になったときからずっと俺を支えてくれた朋友ヨハネス。俺の政策失敗のしりぬぐいをしてくれたことは数多。最後の最後まで俺を憂い、処刑場に行く直前まで声を上げて唯一人反対してくれた。信頼に値する彼を今回も宰相につけたかった。しかし、俺は逆を行くと決めた。
もうばらばらだ。自分でもよくわからぬ人事になった。固辞してきた人もいたので、ベテランは少なくなった。それでも前回の倍以上はいる。
若い王には若い者を抜擢すればいいとの助言を受け、父の時に要職についていたものは相談役として、兄の側近らは遠ざけた。

などなど。
全て自分の考えていることと逆のことを行ってうまくいく話。
前回側近で一番の友人と思ってた人物が、、、黒幕だったりしたり。

2件のコメント

  • なるほど。
    超優秀な勘違い補佐の活躍ですねん。( ・д・)
  • 実は適材適所も全部外してた、、とかそんな感じです。
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