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1分文学ゼミ「レトリックについて。」≪導入≫

◎文学を解するには、読んだだけではだめで、実は眺めるのが大事なのだ。
(小林秀雄『井伏君の「貸間あり」』)

「レトリック」という言葉があります。
修辞学、つまり言葉を飾り巧みに表現する技法のことで、小説を書く方には憑き物のようにそばに在り続ける言葉です。

文章をどのように飾るか。
常日頃それに思い悩まされている方も多いと思います。

レトリックという言葉自体にも、修辞、修飾、文飾、潤色、文(あや)、詞藻など様々な呼ばれ方があり、シーンにあわせて使い分ける大切さが見て取れますね。

文章をいかに巧みに飾り立てるのか、はいつも悩みの種ですが、かといって物事のうわべを大仰な言葉で飾り立てても、なんだか虚飾の匂いがします。
このバランスがクセモノで、やりすぎるとまるで厚化粧のように、物事の素を見えなくしてしまいます。

過剰にデコラティブな表現は、むしろ文章がもったいない。

「書きたいものを眺め、考えて言葉を飾る」という基本的な表現技法としての「レトリックについて」を考えてみます。



画像はこの間の休日の昼に歩いていた橋のうえ。


次→「レトリックの1、ものの見方」https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16816927861175892018

★はしがき★
「1分文学ゼミ」とは … 語彙や文章表現を磨くための簡単なメモのあつまりです。名文、良表現、作家と呼ばれる人々のことや印象に残る文章をつぶさに探し、時間をほんの少し使ってその良さを検討してみます。

カクヨムサポーターズパスポート開始にあたり、皆様に還元できるものがないかと思って始めました。公開版と限定版をまじえ、不定期で投稿していきます。

【参考】中村明著『文体トレーニング』株式会社PHP研究所、2012年
    中村明著『日本の作家名表現辞典』岩波書店、2014年
    中村明著『文章上達事典』東京堂出版、2016年

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