お久しぶりです――という挨拶は多分必要ないかと思いますね。多分初めましての方の方が多いでしょうから。
先日、半年以上開きもせず放置していたカクヨムに登録してるGmailの受信ボックスを開きました。すると、そこには「【電撃小説大賞】第31回<選評送付のお知らせ>」というメールが1件だけ届いていました。
yahooメールだと使用停止を食らっているレベルの時間放置をしていたわけなので、もしGmailがyahooメールと同じ利用規約だった場合、多分私は一生自分の作品が二次選考通過してたことを知らなかったことになりますね。まぁそれでもよかったかなという気もしなくはないんですけれど。
馬鹿みたいな話ですが、私は応募した電撃大賞の中間発表を全く確認しておりませんでした。というのは、募集要項には次のような文言が添えられていたからです。
――「カクヨム」で応募された作品については、カクヨムでの読者評価と編集部からピックアップされた作品が1次選考作品としてエントリーされます。
レビューは2件、応援数50程度、総PV4桁未満(2025/1/18現在なおこの数値)という無名中の無名の自分の作品なぞ歯牙にもかからずで当たり前――と、始めからダメ元で応募したので期待すらしてなかったわけです。
だからどう考えても拙作はピックアップ枠ということになるんですが……しかしこんな矮小すぎる存在をピックアップするって、KADOKAWA様の発掘力おかしすぎません? もはや畏怖すら覚えるレベルです。
そんなわけで私の与り知らぬところで1次選考対象の3819作の末席をいただいた拙作『転生なんかクソくらえ』ですが、どういう手違いか1次選考を突破し、そしてどういう間違いか2次選考を突破して、まさかの3次選考対象95作品中の1作となるまでに至るという超絶ミラクルムーブを(やはり私の与り知らぬところで)かましていたらしいのです。
繰り返しになりますがこれ、カクヨムで総PV4桁いかない作品の話です。今回はたまたま私がピックアップ枠の栄誉に与れたわけですが、カクヨムで数字が思うように伸びない人にとってこれ以上の希望はないと思います。なぜなら、良い作品を書いてさえいれば天下のKADOKAWA様が草の根かき分けてでも見つけて下さるのですから。
して、件のメールに添付されていた拙作の選評シートの中身ですが、低評価部分はだいたいこんな感じでした。
①序盤の文章が固い
②転生という設定をもっと活かしたほうがよい
③真相を語るパートにエンタメ性がほしい
④タイトルで侮られかねない
①は自分自身確かにちょっとやりすぎたなという感じはありましたので、おっしゃる通りだなぁという印象。④についてもタイトルの伏線回収があるにせよ安直すぎという指摘はぐぅの音も出ないところです。
③については批評自体は最もなのですが、この物語の設定上どう改善すればいいのか私の能力ではちょっと見当がつかないところ……。というのも拙作は設定上普通のミステリー小説のように探偵があざやかに事件の真相を暴くという構成にはできないため、そこでエンタメ性を発揮する手段が乏しいと言わざるを得ない。ここに何か打開策があっただろうかと考えても、なかなかそれらしい回答は浮かんでこないんですよね……。
で、最後に残ったのが②なんですが、この点についてはそもそも立脚している視座が選考してくださった方とはちょっと違うかなという印象を私は受けました。というのは、私が拙作で重視したのは〝ある〟ことの方ではなく〝ない〟ことの方だったからです。
「転生」という言葉に付随するイメージの一切合切を排除し、切り取って、その特性を無くし、何一つアドバンテージの〝ない〟「転生」を描く。「転生前の記憶を手掛かりにしてもよかったのでは」という指摘もいただきましたが、そういったアドバンテージを徹底的に排除し、主人公が何一つ持た〝ない〟物語にしたいという思いが本作にはあったわけです。(また、個人的にはそれをやるとタイムリープものと大してテイストが変わらないなという印象がありました。)
ことに創作においては足し算よりも引き算の方が重要だといいますが、しかし引き算の努力は基本的に読者には伝わらない――そんなもどかしさを感じるいい経験でした。(とはいえ、引き算の技術を洗練していくべきだという姿勢は変わりません。)
しかし今回の一連の出来事を通して何よりも嬉しかったのは、二名の選考委員の選評のうちの片方の方が、「選考中だというのに時間をかけて読んでしまいました」と書いてくださったことです。
実を言うと、今回応募した『転生なんかクソくらえ』は個人的には「7~8割くらいの出来」という自己評価があり、そこまでの手応えがありませんでした。そんな中でこのような評価をいただけたことは本当に励みになり、また、もっとできるという自信を添えてくれるものでした。
未だ次回作は構想段階のものがストックされるばかりの状況ですが、機会があればまた電撃大賞に応募してみようかなと思います。