吉本　冬呉

勇者の“奴隷”として従っていた青年は、 魔王との戦いの果てに、ただ一人だけ生き残った。 主人である勇者も、勇者の婚約者である王妹も死に、 青年の首に刻まれていた“紋”は消えてい…

正しいことだと信じていた。 夜明けは素晴らしいものだと。 夜明けさえ来れば。夜明けさえ迎えられれば。 そう、信じていた。

屍肉にたかるのは 屍肉をむさぼるのは

夜は恐ろしくて 夜は美しくて 夜は儚いもの

それでも人は繰り返してしまう。 何度だって。

まだ起きてる？ ごめんね、眠れないんだ。 眠るまで、お話しよ？

誰が弔ってくれますか？ 誰が祈ってくれますか？

孤独を照らすブルーライトは 冷たくて 残酷で

誰だって、聖女になりうる。 私も。 貴方も。

踊る人形。 喜ぶ豚。 高説垂れる部位。 哀れな僕ちゃん。 始まりの雲影。

悲劇の幕が上がる。 私が私であるために。

誰かが奪った。 誰かが広めた。 誰かが乗せた。 そして、誰かを救った。

楽しかったはずなのに。 好きだったはずなのに。 苦しくなった。

飾ったっていい。 飾らなくたっていい。 僕の言葉だ。

雨は止まない。 それでも。

冬の雨、冬の海。 あの日見た海は、もっと綺麗だったな。 そんな風に思いました。

意味を持たされず生まれた者と 意味を持たされ生まれた者。 どちらがシアワセ？

ふふッと笑って 僕は生きていく。

「We laugh. We shake. I vanish.」

ある秋の日の午後 長雨に心は沈む 君の笑顔に心が晴れる 単純だけど、劇的な日常

ゼロは安心 ゼロは完璧 ゼロは極小 ゼロは極大 信じるものは　すくわれる

覚えていますか あの鐘の音の伝説を

歪んだまま、不格好なまま。 それでも在る。 そこに真贋は要らない。

想い、語り、求め、与え、そして知る。

これにて、式次第は終了です。 それでは皆さま、優しい世界で

失ったものと、差し出されたもの。 どちらを大切にしますか？