作品紹介・感想エッセイ『迷える子羊の読書録』を更新しました。今回も2024年10月21日に募集を締め切ったばかりの第1回ルビーファンタジーBL小説大賞の応募作品の中から、遠間千早さんのピュアなBL恋愛ファンタジー『魔法のランプと恋のレガート』を取り上げました。
作品URL:URL:
https://kakuyomu.jp/works/16818093085737265495作品紹介記事:
https://kakuyomu.jp/works/16818093085464641449/episodes/16818093086741382215本作にはコンテストに応募している関係で詳細な紹介文が掲載されていますが、ここでは粗筋を短く紹介しておきます。
【粗筋】
落ちこぼれの魔神「ジン」であるセナが長い眠りから覚めてランプから飛び出た時、目の前にいたのはカイルという美青年だった。次の州伯になる人間は精霊に選ばれなければならず、カイルはそのためにラクサという都市へ向かっていた。持ち主の願いを叶えるジンにカイルが願ったのは精霊との謁見だった。セナは大して魔法も使えず、役立たずを自覚したが、カイルはセナにいつも優しくしてくれた。旅の途中、サラマンダーの精霊マルゴや、セナに執着する商人、カイルの身内が現れて予想外のトラブルに見舞われる度に2人は力を合わせて解決していく。その間にも謁見の日が着々と近づいてセナとカイルの別れの日が近づく。2人はここで別れを告げなければならないのか? 土壇場でのカイルの決断とは?
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普通はランプから出てくる魔神と言えば、マッチョな大男の姿を想像しますよね。でもこの落ちこぼれ魔神のセナが小っちゃくて、もうとにかくかわいいんです。何かあるとカイルにしがみつき、カイルはきゅっとジンを抱きしめるのがキュンときます。
この作品の良さを読み始めてすぐ実感したんですけど、それも納得な実績を作者の遠間千早さんは持っています。徳間書店のBLレーベルであるキャラ文庫のコンテスト「第2回キャラ文庫小説大賞」の最終選考まで残り、その講評を参考にカクヨム版は更にブラッシュアップしているそうです。
ちなみに本エッセイの「物書き徒然日記」第4話の追記にも書きましたが、このコンテストのフィードバックはとても懇切丁寧で、総評にも今後の応募作品は何に気を付けたらいいのか(例えば視点)書いてくれていますので、BLを書ける方にはお勧めのコンテストだと思います。
遠間千早さんの実績はそれだけでなく、BLファンタジー『悪役令息レイナルド・リモナの華麗なる退場』(完結済、書籍化記念SS投稿あり)がアルファポリスで第11回BL小説大賞(2023年)に選出され、11月半ばに改稿版の書籍が発売予定となっています。書籍化すると該当部分はレンタル販売に切り替わるそうなので、Web版を読みたい方は急いだほうがいいでしょう。
私はBL小説を今まで碌に読んでいなかったので、遠間千早さんがそんな才色あふれる方とは知らずにしがない私のエッセイで紹介することにして、お恥ずかしい限りです。でも皆さんも感じてらっしゃると思いますが、カクヨムではBL小説は苦戦しています。遠間千早さんや、前に紹介した畔戸 ウサさん、babibuさんのように筆力の高い方々にカクヨムでBLジャンルをどんどん盛り上げていただきたいです。