私は文学作品が好きです。
王道中の王道である夏目漱石から森見登美彦氏まで、好きな作家は枚挙にいとまがありません。最近、文豪とアルケミストというゲームを始めましたが、名前を知っていても読んでいない作家が数多くいることを痛感し、(それ以上に山下大輝氏がC.V.を務める徳永直先生のナイスキャラクターデザインに惹かれ)Kindleで青空文庫をダウンロードし、ストレージを浪費する毎日です。
さて、文学は芸術です。それは、自律した普遍的な価値を持ち、いつの時代にも私たちの心を打ってくれるのでしょう。そこに、楽しさやワクワク感などは必要ありません。美術作品で言い換えてみましょう。美術館に展示されている作品は全て「美しい」ものでしょうか。特に現代美術を展示している美術館に行かれれば分かると思いますが、壁に貼り付けられたステンレスの箱や老人のマスクが入った鳥かごなどが堂々と展示室に鎮座しています。もちろんそれは、ゴミではなく作品です。触ったらその時点で監視員さんが飛んできて、下手をすれば美術館の奥からしかめっ面をした学芸員がやってくるような大ごとになってしまいます。「美しい」ものでなくても作品となりうるのが美術・芸術ですし、人の心を動かし得るのは美しいものとは限らないのは明白な事実です。美術におけるこの「美しさ」に当たるのが、楽しさやワクワクだと私は考えています。芸術からすればこのような作品は大衆迎合的などと言われ一段低くみられがちかもしれません。確かに、強い力を持った作品に出会った時、人は楽しいやワクワクするという感情以前にただ圧倒されるのでしょう。しかし、私は肩肘張らずに楽しめるエンターテイメントを目指したいと思っています。それには二つの理由があります。
第一に、私は楽しさやワクワクが詰まった物語を見てみたいと思っています。圧倒される情動ではなく、心から楽しめる何かを求めているのです。世の中にはエンターテイメントがあふれています。大抵の欲しいものはグーグルにキーワードを打ち込めば出会えるでしょう。しかし、他の人が書いてくれる物語で満足出来るかといえば、出来ませんでした。自分だったらこうするのに、こんな場面から物語を始めれば面白いのにと想像がどんどん溢れてきます。であれば、自分で書くしかない。そこでキーボードをたまにiPadを叩くことにしました。私はここに自分が楽しいと思う物語を作り上げたいのです。
第二に、私は儲からないこと、タダ働きが嫌いです。文学はその芸術性ゆえに、経済と距離を置きがちです。ジェフ・クーンズやゲルハルト・リヒターなどの現代美術のトッププレイヤーであれば億単位で稼げるのでしょうが、文学でそんなホームランは難しいでしょう。私は、おそらく手堅いであろうエンターテイメントで行きます。
私はここに無料で作品を公開するとこになりますが、艱難辛苦の成果たる我が作品を安売りするつもりは毛頭ありません。無償の奉仕など余裕のある方がすれば良いのです。私には、精神的にも物理的にも余裕がありません。従って、この活動を金銭的に成功させなければならないのです。従って、ここでの投稿もはきちんと文章でお金を稼ぐための布石です。
堅苦しいことをタラタラと書いてしまいましたが、要は文章で金儲けしてやるぞという宣言です。頑張るのは苦手ですが、お金のためならなんとかしていこうと思うのです。