新作の長編小説『君がいる憧れの海へ』の連載をカクヨムにて開始しました。
去年の夏頃から書き始め、ようやく完成が見えて来たところです。
タイトルにもある通り、海にまつわるお話。とりわけ人魚を取り上げて書いた小説です。「人魚」と使い古されたものを使ってはいますが、それだけで終わらせないのが僕の作品の強みだと思っています。
あらすじはこちら。
かつて幻獣とされていた『人魚』が発見された世界。日本には世界初の人魚研究機関であるMML(Mermaid & Merman Laboratry)が建てられる。そこに所属する網野光来は大の人魚好き。研究テーマは人魚と人間の言語コミュニケーションであり、そのために迎え入れた被験体の人魚・ティナは他の人魚とは少し違った。ティナを巡り、動き出す何か。ティナを守ろうとする網野が辿り着く場所とは? そして人魚の生態の謎が明かされた先にあるものとは? 常識が常識ではなくなった新世界で、正論も倫理も無視し、自分の正義と情熱だけを信じる者たちの物語。
前の長編『星夜七夜物語』同様、現代を舞台にしたファンタジーになっています。僕の得意分野ですね。
先述したように執筆は去年の夏からですが、構想期間も含めると8年近く前にまで遡ります。
中学一年生の頃、『新・人魚伝』というタイトルで小説を書いていました。しかし当時は小説を書き始めてから三年目。年齢の低さもあり、大層な文章は書けません。プロットを作っていなかったり、作品の壮大さも相まって、案の定挫折しました。それから自分がもっと上手く小説を書けるようになってからリベンジしようと意気込み、大学生になっていました。
『星夜七夜物語』を完成させ、次はどのような物語を書こうか、と考えていた時に温めていた人魚の話を思い出したのです。話の大筋はそのままに、テーマの深掘りや辻褄の合う物語作りなど、再構成したプロットを作成し取り掛かりました。
しかし、部活において冬公演は演出を担当し、春は他劇団への活動に参加したりなどで思うように執筆が進まず、完成になかなか漕ぎ着けずにいました。
ようやく皆さんにお披露目できることを嬉しく思います。
本作『あこうみ』は『星夜七夜物語』を超える自信作です。ぜひ読んでみてください。