これは『和風ゲーム世界悪役令息の憤怒 破滅確定当て馬貴族に転生したからつつましく生きようと思うのに、煽り耐性皆無。(
https://kakuyomu.jp/works/16818093081011748966)』の西ルートの話のプロット? です。
梅雪が東ルートから東北最北端恐山に向かっている一方、シンコウとウメも九州(大戦乱孤島九十九州)に向かっているので、その話になります。
なお本文書く時間的余裕がありません。
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導入
みこみこブートキャンプを終え、砂賊を倒しながらいよいよ稀人入管センターにたどり着いたウメとシンコウ。
目的は大戦乱孤島九十九州で戦争に参加し、なるべく多くの人を斬ることだ。
稀人入管センターで『異界に続く穴が開く頻度が上がっているから気を付けた方がいい』というアドバイス(気を付けた方がいい? どうやって?)をもらいつつ九十九州に入った二人……
その二人を出迎えた戦乱孤島第一の洗礼は、身長190cmを誇る巨大お嬢様、大友国崩であった。
舞台
大戦乱孤島九十九州
九十九の大名家が群雄割拠している南国の孤島。
ヤシの木などが生る熱帯気候であり、霊的中心地である桜島(巨大大根が闊歩する霊地)、万年杉、長久焼酎酒造『シラス大地』などを巡って各勢力が争っている。
何せ九十九も大名家があるので勢力図は激しく入れ替わるのだが、最近強いのは島津と大友。
大友家
異界で偽聖女扱いされ追放された真の聖女にして悪役令嬢の大友国崩(12歳)が大名となっている聖王国。
クサナギ大陸由来のものとは少し違う道術を用いる。大友聖騎士軍団全員の心が一つになることにより放たれる国崩カリバーは国が崩れる威力なので、現在九十九州はすでに八十四州ぐらいになっている。
島津家
半獣人四姉妹が分割統治する共和国的な何か。
基本的には長女のヨシヒサが全体の指揮をとっているのだが、『強壮ゆえにすぐに突撃する次女ヨシヒロ』『理知的ゆえにすぐ突撃する三女トシヒサ』『なんかわからんが気付いたら突撃している四女イエヒサ』が暴走を続けているのでその動きは一切読めない。ぶっちゃけ連携がとれていないのだが四姉妹と配下軍団が強すぎるので勢力を広げている。このせいで九十九州が七十七州ぐらいになっている。
起こること箇条書き
・ウメとシンコウ、稀人入管センターから九十九州に入る。みこみこブートキャンプから鳥取砂漠での砂賊との戦いなどを軽く振り返り、死にかけた回数が数えきれない……的なことを内心でボヤくウメ。しかし強くなった実感もある。何が来ても負けない──みたいなことを考えていたところ、謎の光線に襲われる。死。
・死ななかった。謎の光線をシンコウがいなしたところ、正面から悪役令嬢の高笑いが響く。登場したのは身長190cm、筋骨隆々の見事な肉体を持つ12歳の少女、大友国崩。今の光線は彼女の放った攻撃で、これを乗り越えられた者をスカウトするために入管センター側を張っていたのだという。ウメは常識があるので『いきなり攻撃してきた人の味方につくわけない』と思うが、シンコウは常識がないので『頼まれたならしばらくご厄介になりましょう』ということになる。そういうわけでウメとシンコウは大友家の食客になる。
・食客となったあたりで九十九州の現状が説明される。現在、九十九あった州はまあ八十とか七十とかそんぐらい(国崩お嬢様は細かい数にこだわらないおおらかなお方)に減っており、大友家と島津家が二強状態になっているため、今後ますます減っていくだろう……みたいな状況らしい。この二者の間にあったドラゴニックテンプル家がつぶれたので、ここからバチバチの殺し合い。そういうわけで大友家は強い仲間を集めていたというわけだ。
・ウメとシンコウを出迎えた光線(国崩カリバー)で生き残れた者は味方にする資格ありという『味方か死か』みたいな選別法で生き残ったシンコウたちは国崩のお眼鏡に適ったというわけだ。しかしここでご厄介になりましょうとか言ったシンコウが『そういう話なら島津の方も見てみたい』と言い出す。国崩お嬢様は豪胆なお方なのでこれを承諾。シンコウとウメは大友領を通り抜け島津の方へ向かうことになった。
・九十九州を歩いて行く。伝統的に魔境からの瘴気、異界の穴からの影響が多くある九十九州はクサナギ大陸本土とはまったく違った気象状況にあった。名産品はバナナやマンゴーなどであり、広葉樹があちこちにわさわさと葉を茂らせている南国の風景が広がる。歩いていると唐突に襲撃される(九十九州の人は挨拶のノリで命を狙ってくる)。シンコウに任されてウメがこれに一人で対処することになった。
・ウメの戦闘シーン(居合術以外の剣の技法を試しながら戦っていく)
・戦っていくとやたら強い連中が混ざってくる。戦っていた相手ではない第三勢力がいつの間にか加わっているので敵が全然減らない。九十九州人は戦いの気配があるとどんどん参戦してくるのだ。そんな中、ウメはいつの間にか半獣人の少女と背中を合わせるように立ち回っていることに気付く。どうにか増えるより早く減らして戦乱を抜け、ウメと半獣人の少女が残った(当然シンコウもいます)。
・半獣人の少女はその年齢がおおむねアシュリーと同じぐらいであり、名前はイエヒサというらしい。島津の四女である。猫系半獣人四姉妹四女のイエヒサはウメのことを気に入り、家に連れて帰ると駄々をこねる。真っ直ぐにわがままを言ってくるタイプの年下にどう対応していいかわからないうちに、イエヒサ(迷子だった)を迎えに来た島津家の人のあれよあれよと連れ帰られもてなされてしまう(迷子の姫様を保護してくれたので)。
・島津家でお世話になることになり、四姉妹と面通しをする流れになった。イエヒサ、トシヒサ、ヨシヒロ、ヨシヒサ。全員猫系の半獣人である。仲がいいんだか悪いんだかわからない会話を見せつけられながら食事などおごってもらう。このへんの名物はイモとイモを原料にした酒。
・イモにまみれた食事をとっていたところ、伝令から大友家が島津領に攻め込んできたという話がされる。「島津家(うち)って大友と接してたっけ?」「こないだヨシヒロ姉さんが突っ込んだ場所が大友家だったのでは」「トシヒサが水の流れせき止めた先じゃなかった?」こいつら、自分が攻め込んだ場所がどこの領地かわかってない。ともあれ進軍! というノリで大友家と戦う流れになり、ウメもイエヒサに連れて行かれる。vs大友家の戦争に駆り出されてしまった。
・大友聖騎士団vs島津半獣戦士隊の戦い(大勢同士の戦いの模様)
・島津側で戦っていたところ(戦わないと死ぬから仕方なく)大友国崩に見つかってしまう。完全に島津家として戦ってるのを見られて気まずいというか命の危機を覚えるものの、国崩はなんか普通にウメに指示を飛ばしてくる。目の前でおたくの聖騎士殺してますが……みたいなことを思うものの、国崩お嬢様は器の大きい、そして自分に自信があるお方なので、一度自分陣営についたウメが裏切るとは毛ほども思っていない。目の間で部下を殺されたりしているが、それは必要なことであり、殺されるほど弱い部下が悪いという価値観。ついていけない、九十九州。ともあれウメは『このまま島津として戦う』か『大友につく』かを選ばなければならなくされてしまう。
・したくなかったがそばにいたシンコウにご意見伺いをしようと視線を向けても、シンコウは『お好きにどうぞ』という態度だし、向かってくる者を陣営の別なく平等に斬っている。どちらの味方云々という話ではなく殺害数も立ち回りも第三勢力みたいになっている。しかし周囲の人たち、気にしない。とにかく目の前の自分と違う服装のやつは全員殺せ! と言わんばかりの野蛮っぷりである。九十九州、おかしいよ。
・そこでウメが考えたのは、梅雪ならどうするかだった。どうするかっていうか、たぶん自分に命令する国崩のことは気に入らないとか言って斬り捨てようとするだろうな……というのが一瞬で浮かんでしまう。では従者の自分はどうするか? 考えてウメが出した結論は……とかやってる場合ではなく、両軍ひっきりなしに攻めてくるのでとにかく来たヤツを斬るしかない。九十九州、おかしいよ。
・そうしているうちに国崩とイエヒサがウメのもとにきて戦いを始める。ウメvs国崩vsイエヒサ。スペック的には国崩>>イエヒサ>ウメぐらい。殺し合いの実戦経験もおおむね同じぐらい。つまり格上二人との三つ巴になんか急に巻き込まれた感じになる。
・顔見知りだとかさっきまで一緒に食事とったり談笑したよね!? みたいなので躊躇するとか一切ない野蛮人どもと戦う。戦っているうちに、戸惑っている状態では殺されると判断。ウメも必死に、相手を殺すべく立ち回ることになる。
・長い時間の戦いを経て決着はつかなかった。途中で島津次女のヨシヒロが混ざってきたが、時に背中を合わせ、時に刃を合わせ、『自分が不利な状態で強者と一対一にならないように立ち回る』ということを繰り返していたら、暗くなったので戦争終了となり、みんな帰っていくことになった。九十九州独特の価値観──というかこれこそ『常在戦場』。殺し合いというのがコミュニケーションの一環になった人たちの日常であり、戦場の恨みを持ちこさないというか、戦場で誰かを恨まないというのが魂の髄まで徹底した、日常的に殺し合っている連中の価値観である。
・戦争が終わる鐘が鳴ったらそこでおしまい。ウメは国崩とイエヒサに『帰ろう』と誘われるのだが、『自分が帰る場所はどちらでもない』と二人の誘いを固辞。固辞されたらそれぞれ何かに納得した様子で普通に帰っていく。
・シンコウに問われ、ウメは『この先どうするか』を決めることになる。この先、どうするか。九十九州に残るのもいいし、もう帰ってもいい。それはどうでもいいというよりは、ここでウメに覚えさせたかったものをすでに覚えさせたので、あとはウメの選択にゆだねるといった様子だった。
・ウメは考える。島津、大友には勝てない。あの両者と一対一で向き合う状況になれば、あっけなく殺される。それだけの実力差があった。こざかしく、二者の対立を利用して生き延びるように立ち回ったので生きているが、まともにぶつかれば死んでいただろう。すなわち、まだ実力が足りないということだ。
・そこでウメが選んだ道は、『両者をラスボスとし、九十九州の他の土地を武力で支配し、並び立つ勢力になって、最終的に二者を倒す』という道だった。
・シンコウは『助けはしないが近くで見ています』ということで、二人は北の大友と南の島津を避けて西へ向かう。そこは、大友・島津という二強に押し出された者たちが争い合う、もっとも混沌とした戦場だった。
・そこで三年の時を過ごすダイジェスト(桜島大根の襲撃、火の神ホデミダンジョンでの冒険など)。
・三年後、大友・島津と並び立つ勢力になったウメが九十九州に一大勢力として立つ。そうして三者は再び相争い、決着こそつかなかったが、確かに実力がついたものとウメは判断。シンコウも太鼓判を押す。
・かくして支配した領地を放置して帰ることにした。『戦争』だとこのように純粋な実力勝負というわけではないため弱者が生き残ることも、強者が殺されることもある。そして戦争設計は自分向きではないとウメは結論付けた。
・帰り道、稀人入管センター手前で、ウメはシンコウに斬りかかる。たったひと太刀の居合は、シンコウを傷つけることこそできなかったが、目隠しを裂くことはできた。愛神光流これにて皆伝とし、シンコウと別れてウメは氷邑家へ帰ることにする(シンコウは梅雪の獲物なのでここで決着まで殺し合う気はない)。
・また少しの旅路。行きに苦戦した砂賊を軽くあしらえる力を実感したりしつつ、懐かしの氷邑家へ戻る。そこでは、ウメと同じように成長した梅雪が彼女を出迎えた。