※これは『刀剣乱舞』にハマりだした作者が書いたおふざけである。
ねえねえ、まんばちゃん。
「何だ? 主」
可愛いヒロインがほしいんだけどさー、どうやったら顕現すると思う?
「顕現……。写しの俺に何を期待しているのか知らないが、まずその発想がおかしくはないか?」
玉鋼もっと入れたら出るかな?
「いや……それは……」
じゃあ砥石!
「近頃鍛刀部屋に籠って何をしているのかと思えば……。資材の無駄遣いはよせ。出陣組が刀装もろくにないし、手入れも待たされると文句を言っていたぞ。だいたい、可愛いヒロインがほしいとはどういうことだ?」
ほら、私の書いてる女子キャラって、眼光鋭くって、邪魔者を排除して進むようなのばっかりじゃん。もっとこう、儚げで可愛らしい、守ってあげたくなるようなヒロインがいないと、コンテストも通らないのかなって。
「ああ……この前書いていた、児童小説コンテストだったか? 落ちたんだな」
うう……。そんなに期待してなかったけどさ。やっぱさー、明るくて楽しい話が書けないのはまずいかなって……。それにはまず、ヒロイン像の変更かと。
「せめて雅に散れ」とか言わせたら、可愛らしいまではいかなくても、雅なヒロインになるかな!?
「それは違うんじゃないか」
じゃあ、楽しい話が書けるように、時間遡行軍に私の過去を改変してもらうのは!?
「やめてくれ。あんたが今のあんたじゃなくなったら、そもそも小説を書いているかもわからないだろう。過去があるから、今がある。過去の逸話から俺たちが生まれたように」
くっ、いいこと言うじゃない、まんばちゃん……。
「というか、可愛いヒロインが書きたいなら、俺なんかに相談するより、少女漫画とやらでも読んだらどうだ? 俺たちは刀だ。斬るのが本分だからな。あと、作業中に『勝ち鬨の歌』など流すのをやめた方が……」
えー? 鋼の心、必要でしょ!?
「……もう主の好きにしたらいいと思うぞ。俺には主の書いたものの中に、大倶利伽羅か、山姥切長義がいるように見えるしな。可愛いヒロインどころじゃない」
……ぐう。
「あと、一部の奴にしかわからない話をするのはやめろ」
ハイ。ごめんなさい。
――おしまい(何)