「エンジェル・ストライクに気をつけろ」
第6章の要はなんと言っても大目標の転換です。
物語の冒頭で提示していたカイとクローディアの行動目標は第5章の終わりでどんな形であれ達成したので、今後2人が何のために物語を続けるのか、という第2の大目標を設定してあげる必要があります。
これを怠るとキャラクターたちも読者もモチベーションを失ってしまう。由々しき事態です。
つまりなるたけ早いうちにカイとクローディアの動機づけを描く必要があるわけですね。
ところが実際はサンバレノのシーンから始まっている。
というのも第6章では視野を広げようと思っているのです。今まで描いていなかったサンバレノの風景、国家間のパワーバランス、ご無沙汰してるシャドーヒーロー勢のその後を取り上げることで、改めて主役二人の立ち位置を決めてみようというわけです。
したがってミクロ的な2人の機微と世界の大局が交互に描かれることになるでしょう。
枠組みだけ提示しても話が進まないんで、中身的にどういう話をやるかというと、
テーマ的にはひとまず「再生と対立」を提示しておきます。塔の機能の回復とか、アークエンジェルとエンジェルの確執とか。
具体的には魔術の詳しい説明をしていきたいところ。
あとは地上世界への視座を投射したい。
うーん、まだちょっと薄っぺらいかな……。現状、作品のあり方を俯瞰的に考えるいわばドライ・ピリオドなんですけど、短くても浅いし、長くてもモチベーションがなくなるという塩梅が難しいです。
大目標を一つ消化したといっても作者の心持ち的にはまだ全然序盤なんですよね。もっと大立ち回りが待っているはずなんです。ほら、ありがちな過去編とかまだ全然でしょ?