黎明の、黎明

気まぐれではあるが、早起きをした。
三文の得を欲しがった訳でも、健康の為でも何でもない。
私は、黎明が嫌いなのです。空を白く霞ませようと、黒を霞ませていく、黎明が。
綺麗なものは嫌いですし、苦手です。
面白いとは思いますが、美しいと捉えられる程の純朴な感性を私は持っていないのですから。
きっと、私にそう言わしめる黎明とは、人間で言えば相当の美人、時間的に月下かどうかは微妙ですが、美しい人なのでしょう。
綺麗な女の人は大好きです、一目見ればもう一度見てしまいそうになるし、もし付き合えたら、結婚できたら、なんて事も考えます。
ですが黎明と同じく、いや、黎明と同じなのですから、等しく大嫌いです。
激しい愛憎の念を抱えながら、美しいものを避け続け。いつだって日陰の中でゆっくりと休んでいた。
でも、太陽はあっちこっちと向きを変えて、私に無理矢理陽光を与えてくる。
だから夜へと逃げて、もう光を視る事の無いようにと隠れたつもりだったと言うのに。
黎明は、こんな私を迎えに来た。
大嫌いです、黎明の事が。
だからこそ、大好きです。

2件のコメント

  • こんにちは。

    上の文章、素敵ですね。
    とても詩的で、美しい。
    美しいものがお嫌いなおじさまには、褒め言葉にならないかもしれませんが(笑)
    いつまでも印象に残る、ひとつの作品のようです。

    「ほんとの春のその先に」先ほど完結いたしました。
    胸に大穴があいた気分です……(泣)
    応援いただき、ありがとうございました。心より感謝致します。

    次の書かなきゃどうにかなっちまう!(笑)


    おじさまの作品、楽しみにしてます!!新作も手がけていらっしゃるんですよね?ワクワク♪(笑)

    ではまた♪♪




  • おじさま、Twitterのコメント、ありがとうございます。
    いつも本当に嬉しいです。

    なんだか、悲しいのです。わけもなく。
    新たな力が欲しいところなのに…。

    済みません、ただのグチでした。
    どうぞゴミ箱に捨てといてくださいね(笑)
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する