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最強ラスボス悪役令嬢はヒロインと仲良くなりたい!!の最新56話について。

ちょっと文章や内容がぐちゃぐちゃだったので非公開にしました。一応このノートの下にそのお話を載せておきます。本筋のストーリには関係ないので、読まなくても特に問題はないのでご安心ください。

第56話

「お願いします、師匠。我に稽古をつけてください」

「いや、私あなたの師匠になったつもりはないわよ!!」

剣術大会が終わって数日後、リナが屋敷にやって来て、土下座で私へ魔法の指南を願ってきた。

「どうしてもダメ、ですか...?」

「ええ。駄目よ」

「くっ、では仕方ありません」

すると、リナは自分の腹に剣を当てた。

「ちょっと、なにしてるの!?」

「切腹です」

いやなんで切腹しようとしてるのよ!! 稽古断られただけでそこまでする!?
なんでそんな真面目な顔でそんなこと言えるのよ!!

「ストーップ!! その剣一回置こうねぇー? あ、この剣は危ないから私が預かっておくわね」

私はリナから剣をそっと取り上げる。

「くっ。我は師匠に稽古をしてもらえないなら、死んだ方がマシです!!」

リナは懐からペンを取り出して、自分の首に当てる。

なんで死んだ方がマシなのよ!! なによこの新手のメンヘラは!! 非常にめんどくさいわ!!

「わ、わかったわよ!! 稽古してあげるわよ。だからそんなすぐに自害しようとしないで!!」

「本当ですか!? ありがとうございます!!」

リナは嬉しそうに笑う。

「いや仕方なくだからね!!」

「師匠に稽古をつけてもらえるだなんて、なんたる光栄!!」

「はぁ...じゃあ訓練所に行くわよ」

私は足取りが軽そうなリナと一緒に、訓練所へと向かった。

うーん。リナはゲームだと、剣術大会にしか出ない所謂モブだったんだけど、こんな形で関わることになるとは思わなかったわね。

私がそんなことを考えながら到着した訓練場の扉を開くと、とてつもない爆発が中で起き、爆風が私とリナの髪をかき上げた。

「おいお前。殺す気か!!」

「ミリーはちゃんと手加減しているつもりです」

「じゃあなんで地面がこんなにえぐれてんだよ!!」

「さぁ、地面が脆すぎるんじゃないんですか?」

「お前な...」

その先に見えたのは、もはや日課となっているミリーとレオ王子の戦闘訓練の様子だった。
 
「あ、お姉様!!ってその隣の人は誰ですか?」

ミリーが私たちに気づいて話しかけてきた。

「隙ありだ!! 妹よ!!」

その瞬間、レオ王子がミリーにファイアーボールを打つ。

すると、ミリーはそのファイアーボールを、魔力の波動だけでかき消した。

「うるさいです!! ミリーは今、お姉様と話しています!!」

「はぁ!? お前今、オレのファイアーボールを気合いだけでかき消したのか!?」

「いえ、魔力の波動でかき消しました。それよりお姉様、その隣の人は誰ですか?」

「いや魔力の波動ってなんだよ!!」

驚愕するレオ王子を無視して、ミリーは尋ねる。

「この子はリナよ」

「初めまして。リリー様の弟子のリナです」

「ミリー・リステンドです。よろしくお願いしま――ってお姉様の弟子!?」

「あ、あなたは剣術大会で強制退場させられていた女の子!? 師匠の妹君でしたか!!」

何故かテンションが上がったリナが、ミリーの両手を握って握手をする。

「お姉様の弟子ってどういうことですか!? お姉様とはどういう関係なんですか!? 本当にお姉様の弟子ってどういうことですか!?」

ミリーは上下に大きく揺れる両手に困惑しながら、早口でリナに問いかける。

「わかります、わかりますよ!! 師匠が勝った時、喜びのあまり魔法を打ってしまったのですね!!」

「あ、あの。ミリーはお姉様との関係についてきいているのですが...」

「師匠との関係ですか? そ、それは我にとってはなくてはならない、尽くすべき相手、ですかね」

リナが何故か頬を染めてそう言う。

「いや、私は認めてないわよ!!」

「なくてはならない...尽くすべき相手...」

ミリーはぐるぐると目を回して、今にも倒れそうになる。

「ち、違うよ? ミリー。この子が勝手に弟子を名乗ってきただけで...」

「なんだ? 騎士団長のとこのリナは、リリーの弟子だったのか?」

すると、レオ王子が話に入ってきた。

「はい! そうです!!」

リナが元気よく答える。

「だから私は認めてないわよ!!」

「そ、そんな!? 師匠は我を弟子として認めていなかったのですか!? くっ、師匠の弟子になれないだなんて、死んだ方がマシです!!」

そう言って、リナは目をギュッと閉じ、舌をベーッと出して噛み切ろうとした。

「ああああっ!! 弟子にする! 弟子にするから! 自分の舌を噛み切ろうとしないで!!」

私は急いでリナの左肩を両手で掴んだ。

すると、リナは光を放ちそうなほど眩しい笑顔になった。

「本当ですか!? ありがとうございます師匠!! これで我は正式に師匠の弟子ですね!!」

「う、うん...」

自殺を止めるために、勢いで弟子にしちゃったわ...

「はぁ...ほら、舌から血が出てるわよ。ヒールしてあげるわ」

「ありがとうございます! 師匠の魔法は温かいですね!」

「お姉様の弟子...尽くすべき相手...」

嬉しそうなリナの横で、ミリーは先ほどよりも目を回し、フラフラとしていた。

「妹よ、お前も大変だな」

レオ王子はミリーを哀れみの目で見る。

こうして私に弟子ができたのである。

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