ちょっと文章や内容がぐちゃぐちゃだったので非公開にしました。一応このノートの下にそのお話を載せておきます。本筋のストーリには関係ないので、読まなくても特に問題はないのでご安心ください。
第55.5話
「お願いします、師匠。我に稽古をつけてください」
「いや、私あなたの師匠になったつもりはないわよ!!」
剣術大会が終わって数日後、リタが屋敷にやって来て、土下座で私へ魔法の指南を願ってきた。
「どうしてもダメ、ですか...?」
「ええ。駄目よ」
「くっ、では仕方ありません」
すると、リタは自分の腹に剣を当てた。
「ちょっと、なにしてるの!?」
「切腹です」
いやなんで切腹しようとしてるのよ!! 稽古断られただけでそこまでする!?
なんでそんな真面目な顔でそんなこと言えるのよ!!
「ストーップ!! その剣一回置こうねぇー? あ、この剣は危ないから私が預かっておくわね」
私はリタから剣をそっと取り上げる。
「くっ。我は師匠に稽古をしてもらえないなら、死んだ方がマシです!!」
リタは懐からペンを取り出して、自分の首に当てる。
なんで死んだ方がマシなのよ!! なによこの新手のメンヘラは!! 非常にめんどくさいわ!!
「わ、わかったわよ!! 稽古してあげるわよ。だからそんなすぐに自害しようとしないで!!」
「本当ですか!? ありがとうございます!!」
リタは嬉しそうに笑う。
「いや仕方なくだからね!!」
「師匠に稽古をつけてもらえるだなんて、なんたる光栄!!」
「はぁ...じゃあ訓練所に行くわよ」
私は足取りが軽そうなリタと一緒に、訓練所へと向かった。
うーん。リタはゲームだと、剣術大会にしか出ない所謂モブだったんだけど、こんな形で関わることになるとは思わなかったわね。
私がそんなことを考えながら到着した訓練場の扉を開くと、とてつもない爆発が中で起き、爆風が私とリタの髪をかき上げた。
「おいお前。殺す気か!!」
「ミリーはちゃんと手加減しているつもりです」
「じゃあなんで地面がこんなにえぐれてんだよ!!」
「さぁ、地面が脆すぎるんじゃないんですか?」
「お前な...」
その先に見えたのは、もはや日課となっているミリーとレオ王子の戦闘訓練の様子だった。
「あ、お姉様!!ってその隣の人は誰ですか?」
ミリーが私たちに気づいて話しかけてきた。
「隙ありだ!! 妹よ!!」
その瞬間、レオ王子がミリーにファイアーボールを打つ。
すると、ミリーはそのファイアーボールを、魔力の波動だけでかき消した。
「うるさいです!! ミリーは今、お姉様と話しています!!」
「はぁ!? お前今、オレのファイアーボールを気合いだけでかき消したのか!?」
「いえ、魔力の波動でかき消しました。それよりお姉様、その隣の人は誰ですか?」
「いや魔力の波動ってなんだよ!!」
驚愕するレオ王子を無視して、ミリーは尋ねる。
「この子はリタよ」
「初めまして。リリー様の弟子のリタです」
「ミリー・リステンドです。よろしくお願いしま――ってお姉様の弟子!?」
「あ、あなたは剣術大会で強制退場させられていた女の子!? 師匠の妹君でしたか!!」
何故かテンションが上がったリナが、ミリーの両手を握って握手をする。
「お姉様の弟子ってどういうことですか!? お姉様とはどういう関係なんですか!? 本当にお姉様の弟子ってどういうことですか!?」
ミリーは上下に大きく揺れる両手に困惑しながら、早口でリタに問いかける。
「わかります、わかりますよ!! 師匠が勝った時、喜びのあまり魔法を打ってしまったのですね!!」
「あ、あの。ミリーはお姉様との関係についてきいているのですが...」
「師匠との関係ですか? そ、それは我にとってはなくてはならない、尽くすべき相手、ですかね」
リタが何故か頬を染めてそう言う。
「いや、私は認めてないわよ!!」
「なくてはならない...尽くすべき相手...」
ミリーはぐるぐると目を回して、今にも倒れそうになる。
「ち、違うよ? ミリー。この子が勝手に弟子を名乗ってきただけで...」
「なんだ? 騎士団長のとこのリタは、リリーの弟子だったのか?」
すると、レオ王子が話に入ってきた。
「はい! そうです!!」
リタが元気よく答える。
「だから私は認めてないわよ!!」
「そ、そんな!? 師匠は我を弟子として認めていなかったのですか!? くっ、師匠の弟子になれないだなんて、死んだ方がマシです!!」
そう言って、リタは目をギュッと閉じ、舌をベーッと出して噛み切ろうとした。
「ああああっ!! 弟子にする! 弟子にするから! 自分の舌を噛み切ろうとしないで!!」
私は急いでリタの左肩を両手で掴んだ。
すると、リタは光を放ちそうなほど眩しい笑顔になった。
「本当ですか!? ありがとうございます師匠!! これで我は正式に師匠の弟子ですね!!」
「う、うん...」
自殺を止めるために、勢いで弟子にしちゃったわ...
「はぁ...ほら、舌から血が出てるわよ。ヒールしてあげるわ」
「ありがとうございます! 師匠の魔法は温かいですね!」
「お姉様の弟子...尽くすべき相手...」
嬉しそうなリタの横で、ミリーは先ほどよりも目を回し、フラフラとしていた。
「妹よ、お前も大変だな」
レオ王子はミリーを哀れみの目で見る。
こうして私に弟子ができたのである。