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『転生AIは愛の夢を見る』~『ルカ』編~

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今日の最後は『ルカ』で締めくくりたいと思います。

ルカの最初の設定は『るり』でした。
しかし、流石にできすぎか、と思い、一旦消した設定です。
話が長編になれば出てこられてかな?

さて、ルカがしたことを書き連ねて行きましょう。

まず人形作家であり旅人でした。
国に来たのも偶然。本人は人形を売って路銀を稼ぎ、また違う国へ行く。そんな生活をしていました。
所謂、陽キャでしたので城下街の人々と仲良くなるのは自然なこと。人形を売る場所も融通してもらい、子どもたちとも、すぐに仲良くなりました。

そこで出会ったのは『逃げてきた』アルフガルドです。
彼は仕事はできど家庭は上手く行かず苦しい思いをしていました。ここで言えるのは、彼だけではなく「家族全員」が苦しい思いをしていました。

アルフガルドは一目でルカに惚れ、店先で結婚を申し込みます。さて、ルカは……見知らぬ男性が突然、結婚云々言われて「はい、お願いします」とは言いません。
「誰、アンタ」状態でした。
身分を明かせば、すっごく嫌な顔をされ、帰れ帰れと、その日は帰ります。

この時のルカは、自分を流浪の旅人と思っていたので結婚を考えるなんて、馬鹿なことと思っていました。

結婚申込み場面は街中に響き渡り、城まで噂は届きます。
その噂を聞いたのがヴィリエレーシでした。
彼女は彼女でバックボーンがあるので、また今度。
彼女はルカにアルフガルドと結婚するように「頼みました」
が、ルカに怒られます。「そんなんでどうする」と。
二人して、そんなんで「この国はどうするんだ」と叱咤します。

今まで怒られたことがないヴィリエレーシは驚き、呆然としてしまいますが、ルカは、そんなヴィリエレーシに色々な国の話をしました。姿形はみな違い良し悪しもあるが、国一番の権力者がそれでは周りに付け込まれるだけ!もっとしっかりして国を導け!と。
そして「大丈夫だ、遅れても、元通りにならなくても、形は形になる。人形がひとつひとつ違うかのように」と励まし、アルフガルド王も呼び出し、同じように説教をしました。

それを経て彼ら彼女らは「結婚」というゴールではなく「友人」というゴールを決め、晴れて「親友」となりました。

あれこれとしているうちにルカにとって別れは当たり前だったのに、この二人と別れるのは辛いと思い始め、定住を決めました。そのぐらい二人のことが大切に思えたからです。

街のいざこざを解決しつつ、店も出したルカは国王一家と出会い、少しずつ、かの家族のわだかまりを解かしてゆきました。

その時、もう一度アルフガルドは結婚を申し込みます。もちろんヴィリエレーシも同じように申し込みました。
簡単に言えば、三人で結婚しよう、という話です。

ルカは了承します。それくらい大切にしたいし、産んでやってもいいかな!ここが私の場所なんだ、と決め、ルートヴィヒことルリエを産みました。

出産してからも街にルリエを見せに行ったり、買い物をしたり、とても自由に暮らします。
兄弟もルリエを可愛がり、まさしく「嵐の前の静けさ」でした。

流行病です。
国を挙げて早急に対処しましたが、叶わず多くの死者を出してしまいました。
それにルカは気を落とし、その頃から不調が続くようになります。流行病かと思ったが、どうも違う。
「ガン」を患っていのです。

治療の有効手段もなく、日々痩せ、起き上がれず、弱っていく姿を見るだけの「家族」は、最大限、彼女が喜びそうなことをしました。
ルリエも、そうです。産まれて六歳のルリエは、母の体調が悪いことは分かりましたが「死んでしまう」までは分かりませんでした。

そこでルカは、自分の身体に鞭を打ち、一体の人形を作り上げます。
作中でも言った通り、ルリエの生きるよすがになってほしかったのです。そしてヴィリエレーシに、まさしく「未来予知」の言葉を授けました。

流行病は、この国だけではありませんでしたから。
いつか戦争が起こるのではないかと危惧していたのです。
弱くなってしまった国は侵略によって国力を回復しないといけない。クエ国を怪しんでいました。

ヴィリエレーシに介護されつつも、ルカは全ての仕事を終え、永眠しました。

生きてきたルカの言葉は、ルカに影響されてきた人々の中に永遠と残され、生きる力となり、今にいたります。
下街のみながルリエが素直になれてなくとも優しかったのはルカのおかげです。

これが『ルカ』の人生でした。

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