来年中学受験だという娘を説教していた人がいた。曰く。
「能力と資質と希望というのは、必ずしも一致しない。お金が稼げない程度の並みのレベルなら努力すれば何とかなるが、お金が稼げるそれなりのレベルとなると努力だけではどうにもならない壁がある。ましてや日本全体で100人いるかどうかのトップレベルのプロでないと生活が成り立たないようなものは、早々に趣味で楽しむかプロを目指すのか見切りが必要だ。得てして、努力するにしても高校卒業時ではもはや手遅れになっていることも多い。」
趣味のレベルとプロのレベルというのは大きな差がある。アマチュアに毛が生えた程度でも一発屋なら何とかなる場合もあるが、それで生計を稼ぐとなると、歴然とした差が出てくる。努力でどうにかなる部分と、知恵でどうにかなる部分は、頑張ればなんとかなる。しかし、日本全体で100人いるかどうかのトップレベルの能力が必要なものについては、遺伝的才能とか、資質に依存する能力がある者に同じように頑張られたのでは勝負にならないのである。趣味で楽しむレベルにしておいた方が幸せなこともある。