ある統計によると、30代前半までに結婚したもしくは結婚したことがある女性に限定すると、過去50年以上出生率がほぼ2.1~2.3ぐらいで安定しているのだという。
それなら、なぜ少子化が発生したかというと、結婚しない女性が増えているからだそうだ。出産適齢期である20代女性の75%、30代女性の40%が未婚のままでいる状況が問題なのである。最新の統計でも、女性全体での出生率は1.42であっても、女性の65%近い30代前半までに結婚した女性に限れば出生率が2.18にまで跳ね上がっている。結婚しない女性が増えた分だけ、人口が減少しているのだ。
結婚しない女性が増えた原因は、
・20代女性のキャリア志向による晩婚化。
・20代男性の雇用情勢の変化による低所得化。
・家族を持つことより個人の自由を求める個人主義の台頭。
・昭和の時代にあった20代前半のうちに結婚しようという女性に対する社会的圧力の低下。
・長時間拘束される労働環境による出会いの減少。
などがあるようである。
原因を考えると、税制をどうにかしたり、社会保障制度をどうにかしたりしただけではどうにもならないようである。
でも、一定の世帯所得以下の世帯について、妊婦と、6歳未満の未就学児本人と、その児童と同居する主たる親権者1名に対して、ベーシックインカムを保障するぐらいのことをした方がいいかもしれない。
社会の継続性という意味では、20代の女性にはキャリアアップよりも結婚を優先してもらい、30代以降に20代の分まで活躍できるような仕組みが必要になってくる。結果として、20代を子供と自身の教育のために投資した方が社会のためになるのだ。現実は厳しいが、それができなければ女性の人材活用も十分にはできまい。