• 二次創作

『「空白」の赤ずきん』後書き その3

後書きもこれで最後です。
3では、エクス以外のタオ・ファミリーについて。

ネタバレ無しの後書きは、その1です。
赤ずきんとエクスについて語ったのは、その2です。
そしてこちらは、その3です。
ネタバレ苦手な方はお気をつけくださいね!

さて、ネタバレ前の緩衝材として言わせてください。



タオシェイン尊い!!!!!!



はい、異常です。
間違えた……以上です。


さて、ここからネタバレ入って来ますよー


最初はレイナのことから。
作中で、レイナは何度か暗い顔をします。
私も彼女の過去に何があったのかきちんと把握しているわけではありませんが、少なからず、想区を崩壊させようという思惑にはトラウマを抱いていることと思います。
今回、「主役」がカオステラーの描いた運命に翻弄されるのを見て彼女も何か思ったことでしょう。
迷子キャラだったり、強気なのにイマイチ論理性に欠けていたり……そんな彼女の良さは出すようにしましたが、(どちらかというと保母さんでしたけど、)その心の中の戦いも見ていただけたらな、と。

そしてタオ。
彼は、元々は桃太郎の想区の住人で、レイナと同じように悲しい過去を持った人です(みんなそうですけどね)。
そんなつもりじゃなかったのに、自分が余計なことをしたせいであいつは……と、いつもは表に出さずに隠せていても、ふとした拍子につらい記憶を思い出してしまうのでしょう。
本作終盤で、「早く調律を」と叫ぶシーンがあります。
本当に言わせていいのかと、正直悩みました。でも、どうしても言わせたかった。
エンドがあのような形なった大きな理由の一つが、実はこのタオの心です。
普段の彼と言えば豪快で恐いものなしの性格ですが、たまにそれが揺らぐのが彼の魅力の一つだと思っています。
仲間全員を大切に思うだけではなく仲間たちの気持ちも大切に思うのも、一番はきっと彼なのだろうと思います。
ただカッコイイだけじゃない彼の生き様が少しでも伝わっていればよいのですが。

最後はシェインですね。
彼女は、一見中性的というか、四人組では、一番幼いのに一番素性が見えない子です。
洞察力といい、分析力といい、年不相応なミステリアスさがとても不思議。
基本的に他人といるときには感情を表に出さないタイプですが、原作ゲーム内において、一人の時には心の声が独り言となってぽつりと零れ落ちるところがあります。
それを見ては、ああ、やっぱり様々な葛藤があるのかな、と思っていました。
それをこの二次創作でも生かそうと試みました。
本作でのシェインの見せ場の一つは、「新入りさんは新入りさん」と言うところです。
シェインはエクスよりもはるかに過酷な人生を送ってきているはずです。
そんな中で、時には感情を切り捨てないとならない場面にも向き合ってきたことでしょう。
赤ずきんを過保護なまでに心配するエクスを見て、痛いほど気持ちがわかるからこそ本編の最後であの言葉が出てきたのかな、と。

心、それも恐怖や思いのすれ違いという難しい部分を主題に置いた本作でしたが、連載中から多くの方に読んでいただき、また、評価もいただけましたこと、この場で重ねて御礼申し上げます。
気付いた時には細かい修正も入れていきますので、引き続きお楽しみいただければと思っております。

ありがとうございました。

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