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次回作の候補2「エ〇ゲ世界から現代に帰還した主人公が無双する話」

〇タイトル
エロゲ世界から帰還した俺は現実世界で無双する

〇キャッチコピー
エロゲ世界に転移。スキルを持って帰還。夢の同級生ハーレムだ……ぜ?

※R15+※




〇本文
00.一番気持ちの良いセックス
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 俺が童貞だった頃、セックスの快楽は膣内の形状で決まると思っていた。いわゆる名器に出会えば、挿れただけで搾り取られるものだと思っていた。

 俺が女に変身できなかった頃、セックスの快楽は性器の大きさで決まると思っていた。女は大きいモノが大好きであり、ガンガン奥を突かれることで絶頂に導かれるのだと思っていた。

 間違いだった。

 膣内の形状による違いなど誤差。
 ガンガン奥を突かれても痛いだけ。

 あんなものは、ゲームやマンガの中だけに存在するファンタジーだ。

 エロゲみたいな世界に転移してから三年。
 俺は過酷なセックスバトルを乗り越えた。

 まもなく全てが終わる。
 世界を支配しようとした大淫魔に許容量を超える快楽を与え消滅させることに成功した俺は、その時に生まれた膨大なエネルギーを利用して「扉」を作った。

 その扉の前に立ち、最愛の人に背を向けたまま言う。

「俺のことは忘れてくれ」
「嫌です。絶対に、忘れてあげません」

 見なくても分かる。
 きっと彼女は俺を心配させまいと涙の上に笑顔を貼り付けている。
 
 別れたくない。現実世界よりも、こちらの世界の方がずっと良い。しかし俺が留まり続けた場合、全人類が滅ぶことになる。

 従って俺は選択を迫られた。

 世界の存続か。
 それとも最愛の人と過ごす一時の幸せか。

 俺は世界の存続を選んだ。
 だから、これは最後のわがままだ。

「目を閉じてくれないか?」

 ──セックスの快楽は、愛で決まる。
 愛なきセックスなど互いの肉体を利用した自慰行為に他ならない。真の快楽を知った後では、そんなものでは満足できなくなる。

 真のセックスに挿入は必要無い。
 そこに極大の愛が存在するならば──

 僅かに唇が触れ合うだけでも、射精の何倍も気持ち良いのだ。



 こうして俺は元の世界へと帰還した。
 この世界で得た知識と経験、そして──全てのスキルを持ったまま。

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01.スキルが使える
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 眠りから覚めるような感覚があった。
 ゆっくりと目を開き、俺は教室の中に居ることを理解した。

「……俺の、席か」

 窓際の後ろから二番目。
 揺れるカーテンがドレスのスカートみたいに見えることから「この場所で寝れば実質的にスカートの中で寝るようなモノじゃね」と考えていたことを覚えている。

 あの世界に転移する前のこと。
 俺は、この席で仮眠を取っていたのだ。

「長い夢、だったのか?」

 呟いて、指先で唇に触れた。
 最後の感触が確かに残っている。
 
「……忘れるものか」

 目の奥が熱くなり、涙が零れ落ちた。
 
「……ふっ、まさか俺が泣くとはな」

 こういう時、彼女は何を言うだろうか。
 きっと太陽のような笑みを浮かべ、楽しいことを考えようと言うはずだ。

「よし、同級生ハーレム作るか」

 俺は気持ちを切り替えた。
 クヨクヨ悩むばかりで行動しない男はNTRの餌食になる。俺は捕食する側になるため即断即決できる精神性を手に入れたのだ。

「まずは現状の把握だ!」

 場所は教室。生徒の姿は俺だけ。
 俺の格好は制服。ブレザーを着ている。

 黒板の上の時計を見る。
 午後四時を過ぎたところ。

 窓の外を見る。
 運動部が走り回っている。

「今日は何年何月何日だ?」

 俺が転移したのは2027年の4月。あるいは5月。ひょっとしたら6月かもしれない。つまり全く覚えていない。

「ふむ、2027年の10月だったか」

 転移する直前も、そうだった気がする。
 いや、そうだったのだ。今そういうことになった。
 
「同級生の机を漁るか」

 斜め前の席。それなりに見目麗しい女子が座っていたことを覚えている。

 名前は……うなじちゃんだったか?
 いやそれは俺が付けた名前だ。本名は確かサ……なんとかさんだ。

 覚えているわけがない。
 何せ三年も前の話だ。ずっと命懸けでセックスバトルをしていたのに、元の世界の大して仲が良くない女子のことなど──

「何してるの……?」

 誰かの机を漁る俺。
 その姿を目撃して目を細めた女子。

 ──思い、出した。

 彼女は|山田《やまだ》|胡桃《くるみ》。
 俺がうなじちゃんと呼んでいた女子だ。

「そこ、私の机なんだけど……」

 再び思い出した。
 この世界の俺は陰キャ。エロゲみたいな世界に転移したことで淫キャに変化したと認識しているが、そんなこと彼女は知らない。

 陰キャが自分の机を漁っていた。
 普通の女子は、どういう反応をする?

「ヒプノビルド!」

 俺は咄嗟に洗脳スキルを発動させた。

「しまった」

 そして反射的に叫んだ。
 ここは現実世界。スキルなど発動するわけがない。

 陰キャ。机を漁る。謎の呪文を唱える。
 トリプル厄満だ。この噂が広まれば同級生ハーレムを作ることなど夢のまた夢に──

「……む?」

 山田さんの様子がおかしい。

「いやいや、そんなわけ」

 俺はこの反応を知っている。
 
「山田よ、自らの席に座るのだ」
「はい」

 彼女は俺の命令に従い、姿勢良く座った。

「ブレザーを脱いで首に巻け」
「はい」

 意味不明な命令にも迷わず従った。

「……くっ、はは、そうか、そうなのか」

 スキルが使える。
 ならば、俺に不可能は無い。

「服装を正せ」
「はい」

 とりあえず山田を元に戻す。
 俺は彼女の正面に立ち、ちょうど良い位置にあった椅子の背もたれに尻を乗せた。

 さて、どうしようか。

 もしも俺がゲス野郎ならば、このまま山田を犯して動画でも撮るところだが、それでは真の快楽を得られない。

 セックスには愛が必要なのだ。
 今さらオナニーをして悦べるほど俺のハードルは低くない。

「山田、お前の秘密を教えてくれ」
「……秘密?」

 ふむ、いくつも秘密があるのか。

「最も重要な秘密だ。ひとつで良い」

 こんな質問をする理由は、彼女のことを知るためである。流石の俺でも、見ず知らずの相手と愛を深めることはできない。

「魔法少女です」

 ……。

「すまない、もう一度だけ言ってくれ」

 山田は虚な目で俺を見上げ、再びハッキリと同じ言葉を口にした。

「魔法少女です」

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1件のコメント

  • 主人公はディル=リフィーナから帰って来たのか?
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