昨日、お料理×ラブコメ小説、『ようこそたまご食堂へ』が完結しました。お読みくださった皆さま、誠にありがとうございました
本作を書き始めたのは2021年の10月頃で、公開を始めたのが同年の11月頃からです。実はこの、「書きながら公開する」というのは本作が初めての試みでした。
小説投稿サイトでは書いた分だけ投稿する方が大半だと思いますが、私はそうではなく、完結した作品しか投稿したことがありませんでした。というのも、私は元々自分が読むためだけに小説を書いており、他の人に読んでほしいという発想が元々なかったからです。だから本作についても、当初は完結させてから公開しようと思っていました。
しかし、自主企画などでは連載中の作品のみを募集する企画も多かったので、そうした企画にも参加できるよう、初めて書きながら作品を公開することを決めました。
執筆途中で公開することに懸念がなかったわけではありません。何らかの理由によって途中で書けなくなってしまった場合、せっかく読んでくださっている読者の方をがっかりさせることになるからです。
アマチュアなのだからこだわる必要はないのかもしれませんが、自分が読む側でも好きな作品の更新が途絶えてしまうと、仕方がないと思いながらもがっかりしてしまいます。なので自分が同じ思いをさせないよう、完結させるまで一定のペースで書き続けようと決めていました。
結果、こうして1年半かけて作品を完成させ、結末をお届けすることができました。中だるみすることもありましたが、それでも完成までこぎ着けられたのは、作品を待ってくださっている読者の方々の存在を実感できたからだと思います。
また、作品の方向性としても、最初はあくまでお料理小説として書いていたのが、途中から恋愛よりに舵を切ることになりました。それは、主人公の大学生涼太と、食堂の店主喜美の関係がどうなるか気になる、というご意見をいくつかいただいた結果だと思います。
執筆途中で公開しなければ料理メインの小説のままで終わっていたでしょうから、本作はある意味、読者の方々と一緒に創り上げた作品とも言えます。こんな風に自分では思ってもみない方向で作品ができあがるのも、小説投稿サイトならではの面白味だなと実感しました。
大編12話、小編129話の長編ですが、1話読み切り方式のため手が出しやすいと思います。会話文主体の軽快な文体であり、手軽にさくさくと読むことができます。未読の方、読みかけの方、この機会にぜひ一読してみてください。料理の美味しさや雰囲気の楽しさを実感していただけると思います。