こちらは、ハイファンタジー『緑風のヴァルキリア』の登場人物一覧です。登場人物はほとんど花から名前を付けており、花言葉からある程度イメージに合う花を選んでいます。
花言葉はこちらのサイトを参照しています。
https://hananokotoba.com/gyakubiki/http://chills-lab.com/flower/a-na-02/○エーデルワイス王国
・オリヴィエ・ミラ・グリュンヒルデ
花騎士団唯一の女性騎士。23歳。翠色の長い髪をなびかせて戦う姿から『翠色の騎士』の異名を持つ。姫であるアイリスの傍付きでもある。自分に厳しいストイックな性格で、常に鍛練を怠らない。花騎士団の中ではトップクラスの強さを誇るが、他の騎士からは女であることを理由に見下されている。
名前の由来はオリーブ(フランス語でolivier)。花言葉は「平和」「知恵」。
・アイリス・エリザベート・ニヘルム
エーデルワイス王国の王女。19歳。無邪気でお転婆な性格。オリヴィエの強さに信頼を寄せており、姫付きの騎士を選ぶ際には自ら彼女を指名した。彼女を男性のように慕う態度を見せることもある。愛らしい見た目と誰にでも分け隔てなく接する態度のため、多くの貴族や騎士から慕われている。
名前の由来はアイリス。花言葉は「よい便り」「メッセージ」「希望」
・ゼラ・フリードリヒ・ニヘルム
エーデルワイス王国の国王。老人。尊大な物腰をしているが、実際には気が小さく、特に妻には頭が上がらない。妻の不貞に心を痛めながらも、老いた自分では妻を満足させられないと諦めて黙認している。騎士としてのオリヴィエの功績を称賛する一方、彼女が花騎士団内で冷遇されていることを不憫に思っている。
名前の由来はゼラニウム(緋色)。花言葉は「メランコニー(憂うつ)」
・カトレア・ヴィルヘルミーナ・ニヘルム
エーデルワイス王国の妃。豊満な身体と若々しい美貌を持つ妖艶な女性。前妻の死後にゼラと再婚し、アイリスとは血が繋がっていない。好色な性格で、若い男に目をつけては夜な夜な部屋に招いている。オリヴィエのことも気に入っており、彼女が男に生まれなかったことを残念がっている。
名前の由来はカトレア。花言葉は「優美な貴婦人」「成熟した大人の魅力」「魔力」「魅惑的」
・グラジオ
花騎士団隊長。赤銅色の鎧の騎士。慢心を悪とし、常に高みを目指すよう部下にも厳しい指導を行う。オリヴィエの強さに一目を置いており、他の騎士のように彼女を冷遇せず、一人前の騎士として扱っている。
名前の由来はグラジオラス(赤)。花言葉は「堅固」「用心深い」。
・シャガ
花騎士団の新入り騎士。淡青色の鎧の小柄な青年。明るく人懐っこい性格。強い騎士になることを目標とし、強敵と戦うことで自らを鍛えようとする。強くなるためにオリヴィエに剣術の指導を乞い、以降は友人として彼女に接している。
名前の由来はシャガ。花言葉は「反抗」「友人が多い」。
・ルドベキア
花騎士団の騎士。22歳。鉄色の鎧の青年。寡黙な性格で、常に淡々とした口調で話す。年齢の割に落ち着きがあるので他の騎士から一目を置かれている。嫉みや慢心が蔓延る騎士団の現状を憂えており、他の騎士とは距離を置いている。
名前の由来はルドベキア。花言葉は「正義」「公平」「あなたを見つめる」。
・ズオウ
花騎士団の騎士。入団歴13年を誇る古株。赤紫色の鎧の男。大柄な体格で、両手剣を片手で扱う剛腕の持ち主。騎士団内ではリーダー格で、常に取り巻きを連れている。女であるオリヴィエを見下し、彼女に負けても何かと理由をつけて敗北を認めようとしない。
名前の由来はハナズオウ。花言葉は「裏切り」「不信仰」。
・イベリス・フォン・ブラウシュベルト
貴族の青年。容姿端麗、品行方正であるため令嬢からの人気も高いが、本人は自分を着飾るだけの女性に興味はなく、唯一無二のものを持った女性を求めている。舞踏会で出会ったオリヴィエに心惹かれ、彼女にダンスを申し込んだ。
名前の由来はイベリス。花言葉は「心を惹きつける」「初恋の思い出」「甘い誘惑」。
・アルストロ・ノア・グリュンヒルド
オリヴィエの父。彼女の愛剣である『エリアル・ブレード』の元の持ち主。銀色の刃を風のように舞わせて戦う姿から『銀風の騎士』の異名を持つ。花騎士団の中でも実力派で、次期隊長とも噂されていた。オリヴィエの師でもあり、騎士として厳しい訓練を課した。4年前に戦死。
名前の由来はアルストロメリア(白)。花言葉は「凛々しさ」。
・メリア
オリヴィエの母。夫であるアルストロの意向に従い、オリヴィエを騎士にするために座学で騎士道を教えた。控えめな性格で、夫の影として生きていた。アルストロの死後は彼の後を追うように病死した。
○ディモルフォセカ帝国
・蒼炎の騎士
金騎士団隊長。剣の軌跡が蒼い炎のように見えることからこの異名がついた。傭兵上がりの騎士を鍛え直し、金騎士団を精鋭に変えた優れた統率者。自身も敵兵五十人を一人で倒したという武勇伝を持つ。
・ロベリア
金騎士団の副隊長。元々金騎士団の隊長を務めていたが、『蒼炎の騎士』が隊長に就任したため副隊長に降格した。そのことで蒼炎の騎士を嫌っている。自惚れが強く傲慢な性格。鍔の部分が蝶の形をした青紫色の剣を持つ。
名前の由来はロベリア。花言葉は「悪意」「謙遜」。
・ガザニア
大柄な体格と野太い声が特徴的な男。ロベリアの没後、金騎士団の副隊長を務めるようになった。金騎士団の堕落を憂い、金騎士団を立て直した蒼炎の騎士に絶対的な忠誠を誓っている。蒼炎の騎士がオリヴィエを気に入っていることを知り、オリヴィエに対して妬心を抱いている。
名前の由来はガザニア。花言葉は「あなたを誇りに思う」「きらびやか」「潔白」
【ノウゼン地方】
・リナリア(リア)
牧場の娘。16歳。素朴な雰囲気を持つ愛らしい少女。祖父と二人で牧場を営んでいる。動物をこよなく愛しており、肉体労働である牧場の仕事にも嫌がらずに取り組む。オリヴィエと共に過ごすうちに彼女の強さに惹かれ、次第に恋心を寄せるようになる。
名前の由来はリナリア。花言葉は「この恋に気づいて」
・マルコ
リアの祖父。若い頃に王都で研究者をしており、オリヴィエが体験した空間転移の現象について説明した。老人だが足腰は強く、現在は牧場の仕事に精を出している。見た目通りの好々爺で、オリヴィエを牧場に住まわせるリアの提案も快諾した。
・レオポルト・ルスト・ストレリチア
男爵。家名を鼻にかけており、何かにつけて家の名前を持ち出す。好色家として知られており、親切を装って行き場のない娘に声をかけては、食事や買い物の見返りに寝所を要求する。カズーラの街で宿泊先を見つけられずにいたオリヴィエに目をつけ、彼女にポーカーの勝負を挑んだ。
名前の由来はストレリチア。花言葉は「気取った恋」「恋する伊達者」。
・タイム
カズーラの街に住む少年。10歳。やんちゃで活発な性格。悪者から弱者を守る剣士に憧れており、剣士になるために日々体力作りに励んでいる。街でオリヴィエと出会い、強くなるために彼女に稽古を付けてくれるよう頼んだ。母親であるアニスを慕っており、アニスを酔漢から守るために剣士になりたいと考えている。
名前の由来はタイム。花言葉は「勇気」「活力」「強さ」。
・アニス
タイムの母。儚げな雰囲気を持った未亡人。気弱で控えめな性格。夫が開いた酒場を一人で営んでいるが、店は客が入らず寂れている。女手一つでタイムを育ててきたが、元気のよすぎる息子に手を焼いている。勇敢で強い子どもに育ってほしいという願いを込めて息子の名前をつけた。オリヴィエの母と雰囲気が似ている。
名前の由来はアニス。花言葉は「活力」「慈愛」「人を騙す」。
・ベロニカ・アルムート・ロンギフォリア
伯爵家の未亡人。夫の死後、夫の借金を返したことで資産が底を突き、現在は没落貴族と化している。使用人を雇う余裕もなく、自ら身の周りの世話を行っている。伯爵家の象徴である屋敷を守ることに心血を注いでいる。
名前の由来はベロニカ。花言葉は「忠実」「名誉」。
・ブルーノ
ベロニカの御者。頑迷な老人。無愛想で口も悪いが、ベロニカへの忠誠心は高く、他の使用人が去った後もただ一人彼女の下で働き続けている。御者の仕事以外に、掃除や調理等の仕事を請け負うこともある。
・茨の三銃士
レイピアを使う騎士の三兄弟。赤薔薇の騎士カーディナル、黄薔薇の騎士グラハム、青薔薇の騎士ノヴァリスの三名。個々の実力は凡庸だが、「ローズ・フォーメーション」という連携技で真価を発揮する。盗賊ではあるが凶暴さはなく、三人とも滑稽な言動が目立つ。
名前の由来はカーディナル、グラハムトーマス、ノヴァーリス。
・ギルベルト・ヘル・グロキシニア
侯爵。父親の死後に当主となり、ノウゼン地方の領主の座を受け継いだ。自身が領主となって以降、各領地の地代を吊り上げて回り、従わない者に対しては暴漢を差し向けて家から追い出すという強硬手段を取っている。また、好色家としても知られ、メイドを何人も孕ませたという悪評を持つ。オリヴィエに並々ならぬ執着心を抱き、刺客を差し向けては彼女を捕らえようとする。
名前の由来はグロキシニア。花言葉は「華やかな日々」「艶麗」「媚態」。
【ナスター地方】
・マチス
闘技場の前回優勝者。荒くれ者が多い剣闘士の中でも、柔らかく紳士的な口調で話す。外見は虚弱で貧相だが、「尋常でない力」によってここ数年優勝台を独占している。闘技場の観客が減っていることを危惧し、事態を打開するためにオリヴィエの出場を許可した。
名前の由来はクレマチス。花言葉は「精神の美」「旅人の喜び」「策略」。
・カザ
マチスの弟子。鉄球を扱う大男。名前の由来は、クレマチスの一種であるカザグルマ。
・テッセン
マチスの弟子。槍使い。カザ共にマチスへの忠誠心は高い。名前の由来は、クレマチスの一種であるテッセン。
・ヴァルター
闘技場の運営者である中年の男。オリヴィエから参加の申し出を受けた時はままごとだと言って拒絶したが、マチスの進言を受けて受諾した。尋常でない力を持つマチスに恐れを抱いている。
・ツワブキ
ガラムの町に居を構える刀工。頑固で偏屈な老人。『エリアル・ブレード』を作った人物であり、アルストロとも面識がある。刀工としての腕は一流だが、プライドが高く、気に入らない客に対しては自身が作った武器を売ろうとしない。数年前の鉱山の崩落によって片腕を失い、以来引退して余生を送っている。
名前の由来はツワブキ。花言葉は「謙譲」「困難に負けない」
・ヒガン
戦士を自称し、武器を求める盗賊団、紅花団の首領である青年。右肩に彼岸花のタトゥーを入れている。残忍で猟奇的な性格。二十年前、アルストロによって壊滅されられた当時の紅花団の首領の息子であり、父親を殺されたことでアルストロを恨んでいる。
名前の由来は彼岸花。花言葉は「諦め」「悲しい思い出」
【リアンス地方】
・リリス
牧場に住む少女。9歳。おしゃまな性格で、大人ぶった口調で話す。花好きで、自分で育てた花を家に飾っている。一番のお気に入りはワスレナグサの花。牧場近くにある森に一人で花摘みに行っては母親に心配をかけている。
名前の由来はアマリリス。花言葉は「誇り」「おしゃべり」「輝くばかりの美しさ」。
・ハンナ
ハンナの母親。快活でさばさばとした性格。夫とは離婚し、女手一つで牧場を経営している。森に一人で花摘みに行くリリスをよく叱っているが、内心では娘を心配している。