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自費出版裏話⑦〜書店配本〜

 自費出版裏話第7弾、今回は書店配本についてご紹介します。
 文芸社は全国に提携している書店があり、そのうち10店舗くらいに本が配本され、店頭においてもらうことができます。配本は基本的に1店舗1冊ですが、特定の店舗には5冊が配本されて平積みされます。店頭に置かれる期間は1か月で、それ以降も置いてもらえるかは書店の判断によります。自分の本が書店に並ぶ、というのは自費出版の醍醐味の一つですね。
 私の場合、発行部数250部のうち20冊くらいが配本されました。残りは在庫分として文芸社が保管します。配本書店のリストは刊行予定日の1週間前くらいに送付されてきます。私は京都府在住なので、配本書店も関西が多めで、京都の2店舗には各5冊が配本されていました。配本先には紀伊国屋書店などの大型書店も含まれています。
 刊行日は7月15日でしたが、7月1日にはもう店頭に置かれていました。実際に書店に行くと、文芸社の棚が丸々一棚あり、その中に自分の本が置かれていました(下記写真参照)。ただ、その時は感動したというよりも、客観的に「あぁ、置いてあるなぁ」と思ったくらいで、意外と喜びは感じませんでした。先に著者贈呈本の送付を受けており、現物をみていたからかもしれません。それよりも、丸々一棚を占めるほど自費出版作品があることの方に驚きました。自分の本を出版したいと考えている人は意外と多いのですね。

 書店に置かれるのは配本されてから1か月間で、その後も置いてもらえるかどうかは書店の判断に寄ります。でも正直なところ、知り合い以外で購入する人はまずいないでしょうし、在庫は文芸社に返送されるのが現実だと思います。
 この頃の私は、本が売れない現状を目の当たりにするのが嫌で、配本書店のリストを受け取った時もあまり喜ぶ気になれませんでした。むしろ「ついにこの時が来てしまった」という気持ちの方が強く、宣伝を頑張らないといけないのだろうかというプレッシャーを感じていました。いくら自作を面白いと思っていても、他の人から見ても評価が同じかはわからないため、宣伝することに引け目を感じてしまうのです。また、宣伝よりも他の作品の執筆を頑張りたいという気持ちもありました。この辺りは私が変わっているところだと思います。

 今も書店に本が置いてあるのか、どれくらい売れたのか、できるだけ気にしないようにしています。ただ、普段本を読まない知り合いが書店を探して購入してくれ、その過程が楽しかったと言ってくれたことがありました。そうした経験を人に提供できたことはよかったと思います。

 今回はここまで。後2回で連載は終了予定です。次回は新聞広告についてご紹介します!

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