南枯添一

孤島に潜み、禁断の実験に勤しむ怪科学者。彼に囚われた兄を探す美少女と彼女を助ける青年科学者。怪しげな美女と黒眼鏡の怪人。そして、徘徊する呪われたキノコ人間。波瀾万丈、総天然色の冒…

軍事政権下の南米某国。ジャーナリストの父親が拘束されて、生活が苦しい。俺は年齢を偽って、酒場で働くことになった。そんな俺に毎晩絡んでくる、薄汚い酔客は、いつもロルカの詩文を口ずさ…

　散歩はしますか？　お好きですか？　そこにあることに、その時まで気付かなかった脇道に入ってみたことはありますか？　迷ったことはありますか？　帰ってくること、できましたか？　

キャンパスの片隅に戦前から建つ〈実験棟〉。その地下に正体不明の施設が見つかり、その棚卸しに３人のバイト学生が向かった。そこにあったのは闇に閉ざされた中に、無数の棚が並ぶ奇妙な空間…

アルコォル性の貧乏をこじらせていたシアンは、週に一度は友人宅に食事を恵んでもらいにいく。その途上にある白い家には病気療養中の令嬢が暮すという噂だが、なぜか、彼女は彼に憎しみの眼差…

「御退屈ですか」。そう言って酒場に現れた魔術師は、見知らぬ少女を魔力で獣に変え、首輪と鎖で彼の手首につないでしまった……。 アイドル雑誌のグラビアで、なぜか無表情で虚ろな眼差し…

切れやすい男。言うことを聞かない傘を切れて、バラバラにしてしまった。でも、彼が切れやすいのは傘に対してだけじゃなかった。 …… さて、冷蔵庫の中身は何でしょう？

純白のタイルが敷き詰められたビルの屋上で、青年は自らのこめかみを打ち抜いた。こだわりのコルトだった。その死に納得できない礼子は、偽天使・冬瀬滴をその屋上へと呼び出した。問いただし…

王国の危機を救うべく、紙製人造人間創造に手を染めたはずだった魔術師・王なのだが、いつの間にか、所期の目的を逸脱し、理想の乙女を造り出すことに熱中し始める。さて、その結末や如何？

火星を思わせる風景の中で、会話を続ける二人。何があったんでしょうかってお話しです。

奇妙な味の短篇のつもりでツイストしたオチを用意してたら、あれ、一応密室の謎も解けてるじゃないか。しょぼいけど。

博物学綺譚なんて、未だ地球が秘境や魔都を幾らでも抱えていた時代の産物。モダンにやっても仕方ないやと言うことで、あえてのレトロ調です。需要があるのかは知りませんが、昔の人はホントに…

「何処にも通じていない梯子の先には何があった？」 　自称〝私立探偵〟の冬瀬滴嬢をご紹介します。彼女は天使並みの容貌と一筋縄では行かない性格と言う（残念ながら）少々ありふれた設定の…

アニメの「91Days」を見てて、やっぱギャングものってはまりますね、と。 振り回すにしてもトミーガンではなくて、ルイヴィル・スラッガー程度の牧歌的（？）な連中のお話しですが。 …

変人の大学教授が残した奇妙な収集品。その中にあった「猿の手」に似た木の枝が消えてしまった。 誰が？何のために？

スタイリッシュとか言って、誤魔化すこともできますが、はっきり言って、気障なお話しです。 書けちゃったんだから、しかたないやいと作者としては開き直ることとします。

　英米のミステリアンソロジーを読んでいると大抵〝悪女〟ものが含まれていて、殊にアメリカの人はこの手の話（なのか、女性なのか）が好きなんだなと思います。で、悪女ものをやってみました…

　元ネタは言うまでも無くスタンリィ・エリンの「特別料理」。グルメ系ホラー短篇のマスターピースと呼んでいい作品で、拙作も「当然、呼んでるよね」的展開になってますので、あしからず。

ウルトラセブンに「悪魔の住む花」というエピソードがあって、 その中に「未知の世界に挑むぞ。デュワッ」で、変身＋ミクロ化したセブンが病室の床を走って、宙に舞い上がるというかなり有名…

ウォッカは残念なことに冷えてさえいなかった。俺の隣で、カウンターに突っ伏していた、薄汚れた男が話しかけてきた。 「パリは燃えているか？」「おまえはヒトラーか」

旧友のKは永遠に対する畏怖に取り付かれた男だった。それを克服するべく、時間の特異性の問題に取り組んだ奴は非可逆性の謎を解いたと言いだした。おまけに、この世界にはもう一つ時間次元が…

多分〝神様〟がいけないんだろう。昭和の少年主人公たちはみんなマザコンだった。 彼もそうかも知れない。そして、海辺の街で彼は出会ってしまった。生き別れの母親の若い頃に、そっくりな美…

死んだと思った、プログラマの俺は何故か未来世界で目覚めた。学生時代の友人だった教祖様の仕業だった。俺の冗談を真に受けた教祖様は人間精神からバグ取りをするシステムを完成させ、その技…

単澤一馬がいじめに関心を持ったのは、一人息子の自殺が切っ掛けだった。無類の奇人として、要注意人物扱いの単澤は、別れた妻と暮していた息子が、学校でのいじめを苦に首を吊ったと言われて…