昨日の午後5時頃、ぐったりしているマロちゃんを見つけ、玄関にクッションと彼女のお気に入りのマットを敷いて横たえました。
その時はまだ息をしていました。ですが、ふと目を離した隙に、彼女は静かに息を引き取っていました。
最初は理解が追い付かず、何度か身体をそっと揺さぶってみたり、何時もやっていたように頭を撫でてみたのですが、身動き一つ取らず、目を開けることすらありませんでした。
18歳と8ヶ月。柴犬の平均寿命を考えると、大往生と言えるのかもしれません。けれども、立てなくなってからあっという間に、彼女との永遠の別れがやってきました。
夜通し泣いて、火葬場へ彼女を連れて行った今も涙が止まりません。さよならも満足に言ってあげられませんでした。ただ、ごめんな、ごめんなと言って泣くことしか出来ませんでした。
ペットショップで彼女と出会った時、私はまだ小さな子供でした。こんなに辛く悲しい思いをするのだと分かっていたなら、彼女を家族に迎え入れようなどと思わなかったろうに。
いじめられっ子だった私にとってはマロちゃんだけが唯一無二の友人であり、そして家族でした。血の繋がりはないけれど、彼女は間違いなく家族でした。辛い時や悲しい時は、何も言わずに傍まで寄ってきて、気が済むまで寄り添ってくれました。鬱病になって自殺未遂をした時も、彼女は何も言わず、何時も通り傍に寄り添ってくれました。
マロちゃんから受けた恩は数え切れません。そして、私は彼女に恩を返せた自信がありません。不甲斐ない飼い主だったと思います。でも、彼女を愛していたのは嘘偽りない本当の気持ちです。
死ぬまで彼女と一緒にいたい。それさえ、私にとっては過ぎたる願いだったのでしょうか。何もかもがどうでも良くなって、視界も灰色です。彼女の世話をすることに私は生き甲斐を感じていましたが、生き甲斐を与えてくれる彼女はもう、この世にいません。二度と会えないでしょう。純真無垢な彼女は天国に行きましたが、業の深い私は恐らく地獄に行くでしょうから。
こんな私を飼い主と慕ってくれて、こんな私を家族として愛してくれてありがとう。でも我儘を言えば、もっと君と一緒にいたかった。君と年を取りたかった。君と一緒に死にたかった。それが本音です。