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【第1話修正してみました】改稿には及ばず

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888358364
『SF無双世界の枚南塔子~この主人公、麻雀打ってるだけでは?~』

 第1話改稿に踏み切って、劇的な変更と加筆部分もある大掛かりなものになると思いながら挑んでみたら……ただの修正に終わりました。

 修正前と修正後を貼りますが……文の調子整え直しただけですね……

~修正作業前の1話~
 資源枯渇による奪い合いの果てに起きた第三次世界大戦は過去の大戦の全ての犠牲者数を合わせて余りある……第三次世界大戦前の総人口の半分以上の死者を最終日に出す事により、終結した。

 『ニュー・クリア』とはその終戦日の出来事を呼称する際に生まれた言葉で、やがて第三次世界大戦そのものを指す言葉として定着……

 終戦の傷跡は余りにも甚大過ぎて、残された人員と人材では復興体制を整えるだけでも数年は掛かるかに見えた……そんな中。

 先の大戦での軍事シェア最大手にして、他社の追随を許さない圧倒的警備力を誇る多国籍企業……ネザーソード社が開発した国家規模セキュリティ支援ソフト
――『イーリス』の導入によって3年足らずで復興は果たされた。

 デジタルデータによる人間と同等の人工知能の開発は大戦前から実現していた技術ではあったものの量産性と整備面の問題で本格的な導入は見送られがち……

 だからイーリスが人間並みの知性を実現している事には何の目新しさも無いけど、ネザーソード社は一切のメンテナンスによる負担を自らが行うという条件で復興の芽が出て来た国へイーリスを派遣し、最初3体いたイーリスは復興終了時には5体配備され……復興を早くも遂げた結果、人類はすぐに気付く事となった。

 この世界に『魔法』という存在が生まれていたという事に……

 舞台はニュー・クリアから18年後……ある教室にて魔法学校に通う女子生徒が机に突っ伏し、眠ってて……夢を見てるようです。

 せっかくなので少し覗いて行こう……そうこうする内に目覚めるだろうから――

 物々しい設備が所狭しながらも整然と並ぶ光景から、何処かの研究所と考えてよさそう……

 少女の目の前には膝の裏に迫るほど伸びた銀色の……と言うには光沢がピンク色になりがちの髪で、この温かみのある色合いは真珠に見られるもので、更にシルバーと言うにはグレーの要素が強い……

 そんな髪の色を『パールグレー』と今の内に命名しておこう……この夢を見ている少女も同じ髪の色なので。

 瞳に関してはオレンジで、病人に着せるような服を纏い、少女の方を見ている……そして少女もまた同じ服装で同じ瞳の色、同じ背丈に姿形……

 そんな夢の主である少女が夢の中で口を開く。

「ま……こ……ちゃん?」

 それはまだ幼さの漂う朧げな声……そして夢とは急に姿を変えるもの――

 突然、少女の服装は学校の制服へと変化し始め、背丈を始めとする外見も戻って行く中、目の前の少女の方は肌は赤い絵の具でも入り込んだかのように黒ずんで行き、髪はベージュへと変色を始め、それを見た少女が叫ぶ。

「せっ!」

 その瞬間、変色を始めた少女は体の所々が異様に膨らみ、そんな箇所が一気に増えて……それを認識し切る間も与えぬ内に、赤い血液を始めとする内容物を勢い任せに吐き出しながら少女の肢体は破裂し、数多の肉塊と化す。

「こちゃ……」

 そう呟いたものの、そのまま肉などが飛び散る様を眺めるしかない少女。

 そこへ――

「トウコちゃん」

 そんな一声が掛かった結果、夢は終わり……トウコと呼ばれた少女は目を覚まし、寝ぼけ眼ながらも挨拶をした。

「あぁー……はーちゃん、おはよ」
「さっきアリスが来てたよ……トウコちゃんの寝顔を覗いたら微笑んで、どっか行っちゃったけど」
「わらひ……寝過ごひちゃった?」
「それは大丈夫……でもサノヤマ先生がもうすぐ来るね」
「朝からずっと入力式テスト……終わった直後に眠気が来たよぉ」

 ぼちぼち説明しますか……

 パールグレーでオレンジ色の瞳の少女が枚南《まいな》塔子《とうこ》。

 仲良く話している女の子は髪と瞳の色が共通で……一見すると茶色だけど実は琥珀を暗くすればこの色になる為、陽の光に恵まれれば鮮やかな光沢を放つ……そんな女の子の名前は茶《さ》遠《とう》一《はじめ》……塔子が入学するやルームメイトになった、よき友人……クラスメートと言いたいけど、それは間違いに成り兼ねない。

 それはこの学園の学級システムが生徒の実力を月単位で判定し、その都度教室を割り振るからで、今日はその月に一度の総合テストの日。

 つまりは塔子と茶遠一の成績が大きく離れれば教室も離れるという事……

 そして制度上、中等部一年分の授業を全て理解した事をテストの結果で示せば、その生徒は中等部二年の教室への進学が可能という事になる。

 入学式から一か月めという条件下での今日の試験だったけど、生徒によっては既に結果を強いられる状況という事が理解出来そう。

 最初から現実的なペースでの学習コースを選択した生徒は普段の授業に付いて行けばいいものの、塔子と茶遠一が進めている学習コースは完全自由選択……まさに自分のペースで進級を目指したい者が選ぶコースだね。

「はーい! みんなぁ……可愛いここあちゃんに、ちゅうもぉーく!」

 試験の結果と今後の不安でどよめく教室が、その一声で鎮まった。

 教壇の前には長い銀髪にウサ耳カチューシャを被った、少し濃いめのアクアマリンの瞳をした少女がいて、服装はエプロンドレスの黒い部分をピンク色にし、腕には大きめのウサギのぬいぐるみを抱え、簡単な攻撃の際はクマのぬいぐるみを取り出す。

 そんな肉体年齢15歳の少女が先程茶遠一が言っていた、この教室群の担任教師――佐野山先生で、佐野山《さのやま》心愛《ここあ》と紹介すると名前の部分が不確かなままになるけど……肉体年齢15歳と言ったように、実年齢は異なる数字……

 具体的な年齢を言うよりも、あと半月もすればその背伸びした程度に膨らんだ胸の急成長が約束されている事を佐野山先生自身が知っている事述べておこう。

「……と、言うわけで! 魔法実技を受ける生徒は遅刻しないようにねー」

 背丈が年齢にしてはやけに低い佐野山先生がそう言って教室を出て行った……触れなかったけどさっきまで、かなり細かい説明を生徒たちに通達していました。

 程なく茶遠一と塔子の会話が始まって……

「魔法実技試験かー……塔子ちゃんは受けるの?」
「うん。よく寝たし、人数少ない日にやっても寂しいし」
「魔法かぁー……私は使えないんだよなぁ……やっぱり才能なのかな」
「使えてたら強制参加だったような……試験おわったら部屋戻るねー」

「明日も明後日も試験は続く……デジタル入力だけど筆記と同じだから腕が辛いし……じゃ、お風呂沸かしとくねー」
「湯舟で寝ちゃダメだよ? はーちゃん」
「……塔子ちゃんじゃ無いんだから」
「だってお風呂気持ちいいもん! 落ち着くもん……大抵嫌な夢見るけど」

 風呂場の話が出たので、この話をしておこう……

 塔子の胸のサイズは際立って大きいわけではないけど、これだけあれば大きい者の仲間入りをするには及第点の膨らみ具合で、これを若干控えめにすると茶遠一の大きさになるものの、身長に関しては茶遠一の方が上で……髪は塔子が腰の近くまであるのに対し、茶遠一は背中の中腹辺りまでで真っ直ぐ整えただけのストレートヘア。

 そして塔子は自然と巻き毛部分が出来て、いつもふわふわした髪型になりがちで、茶遠一が少しだけ手を入れている……そんな二人は共に中等部一年です。

 塔子が魔法実技試験会場へ向かってしまったのでこの学園について手短に……

 ニュー・クリアから5年が経つ頃には始まった魔法研究の波……その時期に設立する余力があった国は2つしか無く、3つめとなるこの学園は更に異例。

 ネザーソード社からの出資を主として設立され……この学園の為だけに周辺国家は領地を明け渡し、学園の敷地内は区域としてでは無く、独立した国家として扱う事が国際的に認められた、学園型独立国家……それが魔法学園『ラバロン』。

 設立時に派遣された第六のイーリスがその為の全ての業務の支援を遂行し今日も何の支障も滞りも無く、生徒に関する情報管理と教員への指示を行ってます。

~修正した1話。本日17:54時点~
 資源枯渇による奪い合いの果てに起きた第三次世界大戦……それが僅か一日というか1時間にも満たない内に過去の大戦全ての犠牲者数を合わせても余りある死者……やや具体的には第三次世界大戦前の総人口の半分を出す事により、終結。

 やがて人々は終戦日に起きたその事件を『ニュー・クリア』と呼ぶようになり、これは第三次世界大戦そのものを指す言葉にもなってるね……

 終戦の傷跡は余りにも甚大過ぎて、残された人員と人材では復興体制を整えるだけでも数年は掛かるかに見えた……そんな中。

 先の大戦での軍事シェア最大手にして、他社の追随を許さない圧倒的警備力を誇る多国籍企業……ネザーソード社が開発した国家規模セキュリティ支援ソフト
――『イーリス』の導入によって3年足らずで復興が果たされます。

 デジタルデータによる人間と同等の人工知能の開発は大戦前から実現していた技術ではあったものの量産性と整備面の問題で本格的な導入は見送られがち……

 だからイーリスが人間並みの知性を実現している事には何の目新しさも無いけど、ネザーソード社は一切のメンテナンスによる負担を自らが行うという条件で復興の芽が出て来た国へイーリスを派遣し、最初3体いたイーリスは復興終了時には5体配備され……復興を早くも遂げた結果、人類はすぐに気付いて行きました。

 この世界に『魔法』という存在が生まれていたという事に……

 さてニュー・クリアから18年後……ある教室にて魔法学校に通う女子生徒が机に突っ伏し、眠ってて……夢を見てるようです。

 せっかくなので少し覗いて行こう……そうこうする内に目覚めるだろうから――

 物々しい設備が所狭しながらも整然と並んでる、この場所は……何処かの研究所の中と考えてよさそう……

 少女の目の前には膝の裏に迫るほど伸びた銀色の……と言うには光沢がピンク色になりがちの髪で、この温かみのある色合いは真珠に見られるね……あとシルバーと言うにはグレーの要素が強い……

 そんな髪の色を『パールグレー』と今の内に命名しておこう……この夢を見ている少女も同じ髪の色なので。

 瞳に関してはオレンジで、病人に着せるような服を纏い、少女の方を見ている……そして少女もまた同じ服装で同じ瞳の色、更には同じ背丈に姿形……

 そんな夢の主である少女が夢の中で口を開く。

「ま……こ……ちゃん?」

 それはまだ幼さの漂う朧げな声……そして夢とは急に姿を変えるもの――

 突然、少女の服装は学校の制服へと変化し始め……背丈を始めとする外見も現在に戻って行く中、目の前の少女の方の肌は赤い絵の具でも入り込んだかのように黒ずんで行き、髪はベージュへと変色を始め、それを見た少女が叫ぶ。

「せっ!」

 その瞬間、変色を始めた少女は体の所々が異様に膨らみ、そんな箇所が一気に増えて……それを認識し切る間も与えぬ内に、赤い血液を始めとする内容物を勢い任せに吐き出しながら少女の肢体は破裂し、数多の肉塊と化します。

「こちゃ……」

 そう呟いたものの、そのまま肉などが飛び散る様を眺めるしかない少女。

 そこへ――

「トウコちゃん」

 そんな一声が掛かった途端、夢は終わり……トウコと呼ばれた少女は目を覚まし、寝ぼけ眼ながらも挨拶します。

「あぁー……はーちゃん、おはよ」
「さっきアリスが来てたよ……トウコちゃんの寝顔を覗いたら微笑んで、どっか行っちゃったけど」
「わらひ……寝過ごひちゃった?」
「それは大丈夫……でもサノヤマ先生がもうすぐ来るね」
「朝からずっと入力式テスト……終わった直後に眠気が来たよぉ」

 まずはパールグレーでオレンジ色の瞳の少女が枚南《まいな》塔子《とうこ》。

 仲良く話している女の子は髪と瞳の色が共通で……一見すると茶色だけど実は琥珀を暗くすればこの色になる為、陽の光に恵まれれば鮮やかな光沢を放つ……そんな女の子の名前は茶《さ》遠《とう》一《はじめ》……塔子が入学するやルームメイトになった、よき友人……クラスメートと言いたいけど、それは間違いに成り兼ねない。

 だってこの学園は生徒の実力を月単位で判定し、その都度教室を割り振る学級システム……そして今日はその月に一度の総合テストの日。

 つまりは塔子と茶遠一の成績が大きく離れれば教室も離れるという事……

 だから制度上、中等部一年分の授業を全て理解した事をテストの結果で示せば、その生徒は中等部二年の教室への進学が可能という事になる。

 入学式から一か月目という条件下での今日の試験だったけど、生徒によっては既に結果を強いられる状況という事もありそう。

 最初から現実的なペースでの学習コースを選択した生徒は普段の授業に付いて行けばいいものの、塔子と茶遠一が進めている学習コースは完全自由選択……まさに自分のペースで進級を目指したい者が選ぶコースだね。

「はーい! みんなぁ……可愛いここあちゃんに、ちゅうもぉーく!」

 試験の結果と今後の不安でどよめく教室が、その一声で鎮まったね。

 教壇の前には長い銀髪にウサ耳カチューシャを被った、少し濃いめのアクアマリンの瞳をした少女がいて、服装はエプロンドレスの黒い部分をピンク色にし、腕には大きめのウサギのぬいぐるみを抱えてて……眠そうにしてる生徒には小さなクマのぬいぐるみを取り出して叩いたりしてます。

 そんな肉体年齢15歳の少女が先程茶遠一が言っていた、この教室群の担任教師――佐野山先生で、佐野《さの》山《やま》心愛《ここあ》と紹介すると名前の部分が不確かなままになるけど……肉体年齢15歳と言ったように、実年齢は異なる数字……

 具体的な年齢を言うよりも、あと半月もすればその背伸びした程度に膨らんだ胸の急成長が約束されている事を佐野山先生自身が知ってるって方を述べとくかな。

「……と、言うわけで! 魔法実技を受ける生徒は遅刻しないようにねー」

 背丈が年齢にしてはやけに低い佐野山先生がそう言って教室を出て行った……ちなみにさっきまで、かなり細かい説明を生徒たちに通達してたよ。

 程なく茶遠一と塔子の会話が始まって……

「魔法実技試験かー……塔子ちゃんは受けるの?」
「うん。よく寝たし、人数少ない日にやっても寂しいし」
「魔法かぁー……私は使えないんだよなぁ……やっぱり才能なのかな」
「使えてたら強制参加だったような……試験おわったら部屋戻るねー」

「明日も明後日も試験は続く……デジタル入力だけど筆記と同じだから腕が辛いし……じゃ、お風呂沸かしとくねー」
「湯舟で寝ちゃダメだよ? はーちゃん」
「……塔子ちゃんじゃ無いんだから」
「だってお風呂気持ちいいもん! 落ち着くもん……大抵嫌な夢見るけど」

 風呂場の話が出たので、この話をしておこう……

 塔子の胸のサイズは際立って大きいわけではないけど、これだけあれば大きい者の仲間入りをするには及第点の膨らみ具合で、これを若干控えめにすると茶遠一の大きさになるものの、身長に関しては茶遠一の方が上で……髪は塔子が腰の近くまであるのに対し、茶遠一は背中の中腹辺りまでで真っ直ぐ整えただけのストレートヘア。

 そして塔子は自然と巻き毛部分が出来て、いつもふわふわした髪型になりがちで、茶遠一が少しだけ手を入れている……そんな2人は共に中等部一年です。

 塔子が魔法実技試験会場へ向かってしまったのでこの学園について手短に……

 ニュー・クリアから5年が経つ頃には始まった魔法研究の波……その時期に設立する余力があった国は2つしか無く、3つめとなるこの学園は更に異例。

 ネザーソード社からの出資を主として設立され……この学園の為だけに周辺国家は領地を明け渡し、学園の敷地内は区域としてでは無く、独立した国家として扱う事が国際的に認められた、学園型独立国家……それが魔法学園『ラバロン』。

 設立時に派遣された第六のイーリスがその為の全ての業務の支援を遂行し、今日も何の支障も滞りも無く、生徒に関する情報管理と教員への指示を行ってます。

・既読の方は改めて読む程の変更でも無いですね。
 とりあえずこれで第六章の投稿作業に入れますね……とりあえず今週仕上げた分を来週上げて行く感じで行きます。

◆【2019年8月16日 03:02にもう少し修正】◇
 資源枯渇による奪い合いの果てに起きた第三次世界大戦……それが僅か一日というか1時間にも満たない内に過去の大戦全ての犠牲者数を合わせても余りある死者……やや具体的には第三次世界大戦前の総人口の半分を出す事により、終結。

 やがて人々は終戦日に起きたその事件を『ニュー・クリア』と呼ぶようになり、これは第三次世界大戦そのものを指す言葉でもあったり……

 終戦の傷跡は余りにも甚大過ぎて、残された人員と人材では復興体制を整えるだけでも数年は掛かるかに見えたんだけど……

 そんな中、先の大戦での軍事シェア最大手にして他社の追随を許さない圧倒的警備力を誇る多国籍企業……ネザーソード社が開発した国家規模セキュリティ支援ソフト――『イーリス』の導入によって3年足らずで復興が果たされます。

 デジタルデータによる人間と同等の人工知能の開発は大戦前から実現していた技術ではあったものの量産性と整備面の問題で本格的な導入は見送られがち……

 だからイーリスが人間並みの知性を実現している事には何の目新しさも無いけど、ネザーソード社は一切のメンテナンスによる負担を自らが行うという条件で復興の芽が出て来た国へイーリスを派遣し、最初3体いたイーリスは復興終了時には5体配備され……復興を早くも遂げた結果、人類はすぐに気付いて行きました。

 この世界に『魔法』という存在が生まれていたという事に……

 さてニュー・クリアから18年後……ある教室にて魔法学校に通う女子生徒が机に突っ伏し、眠ってて……夢を見てるようです。

 せっかくなので少し覗いて行こう……そうこうする内に目覚めるだろうから――

 物々しい設備が所狭しながらも整然と並んでる、この場所は……何処かの研究所の中と考えてよさそう……

 少女の目の前には膝の裏に迫るほど伸びた銀色の……と言うには光沢がピンク色になりがちの髪で、この温かみのある色合いは真珠に見られるね……あとシルバーと言うにはグレーの要素が強い。

 そんな髪の色を『パールグレー』と今の内に命名しておこう……この夢を見ている少女も同じ髪の色だし……ちなみに瞳も同じオレンジ色で、病人に着せるような服を纏ってるのが一緒なのはともかく、背丈と姿形に至っても完全に同じ……

 そんな夢の主である少女が目の前の方の少女に見つめられる中、口を開く。

「ま……こ……ちゃん?」

 それはまだ幼さの漂う朧げな声……そして夢とは急に姿を変えるもの――

 突然、少女の服装は学校の制服へと変化し始め……背丈を始めとする外見も現在に戻って行く中、目の前の少女の方の肌は赤い絵の具でも入り込んだかのように黒ずんで行き、髪はベージュへと変色し始め……それを見た少女が叫ぶ。

「せっ!」

 その瞬間、目の前で変わり行く少女は体の所々が異様に膨らみ、そんな箇所が一気に増えて……それを認識し切る間も与えぬ内に、赤い血液を始めとする内容物を勢い任せに吐き出しながら少女の肢体は破裂し、数多の肉塊と化します。

「こちゃ……」

 そう呟いたものの、そのまま肉などが飛び散る様を眺めるしかない少女。

 そこへ――

「トウコちゃん」

 そんな一声が掛かった途端、夢は終わり……トウコと呼ばれた少女は目を覚まし、寝ぼけ眼ながらも挨拶します。

「あぁー……はーちゃん、おはよ」
「さっきアリスが来てたよ……トウコちゃんの寝顔を覗いたら微笑んで、どっか行っちゃったけど」
「わらひ……寝過ごひちゃった?」
「それは大丈夫……でもサノヤマ先生がもうすぐ来るね」
「朝からずっと入力式テスト……終わった直後に眠気が来たよぉ」

 まずはパールグレーでオレンジ色の瞳の少女が枚南《まいな》塔子《とうこ》。

 仲良く話している女の子は髪と瞳の色が共通で……一見すると茶色だけど実は琥珀を暗くすればこの色になる為、陽の光に恵まれれば鮮やかな光沢を放つ……そんな女の子の名前は茶《さ》遠《とう》一《はじめ》……塔子が入学するやルームメイトになった、よき友人……クラスメイトと言いたいけど、それは間違いに成り兼ねない。

 だってこの学園は生徒の実力を月単位で判定し、その都度教室を割り振る学級システム……そして今日はその月に一度の総合テストの日。

 つまりは塔子と茶遠一の成績が大きく離れれば教室も離れるという事……

 だから制度上、中等部一年分の授業を全て理解した事をテストの結果で示せば、その生徒は中等部二年の教室への進学が可能という事になる。

 入学式から一か月目という条件下での今日の試験だったけど、生徒によっては既に結果を強いられる状況という事もありそう。

 最初から現実的なペースでの学習コースを選択した生徒は普段の授業に付いて行けばいいものの、塔子と茶遠一が進めている学習コースは完全自由選択……まさに自分のペースで進級を目指したい者が選ぶコースだね。

「はーい! みんなぁ……可愛いここあちゃんに、ちゅうもぉーく!」

 試験の結果と今後の不安でどよめく教室が、その一声で鎮まったけど……

 教壇の前には長い銀髪にウサ耳カチューシャを被った、少し濃いめのアクアマリンの瞳をした少女がいて、服装はエプロンドレスの黒い部分をピンク色にし、腕には大きめのウサギのぬいぐるみを抱えてて……眠そうにしてる生徒には小さなクマのぬいぐるみを取り出して叩いたりしてます。

 そんな肉体年齢15歳の少女が先程茶遠一が言っていた、この教室群の担任教師――佐野山先生で、佐野《さの》山《やま》心愛《ここあ》と紹介すると名前の部分が不確かなままになるけど……肉体年齢15歳と言ったように、実年齢は異なる数字……

 具体的な年齢を言うよりも、あと半月もすればその背伸びした程度に膨らんだ胸の急成長が約束されている事を佐野山先生自身が知ってるって方を述べとくかな。

「……と、言うわけで! 魔法実技を受ける生徒は遅刻しないようにねー」

 背丈が年齢にしてはやけに低い佐野山先生がそう言って教室を出て行った……ちなみにさっきまで、かなり細かい説明を生徒たちに通達してたよ。

 程なく茶遠一と塔子の会話が始まって……

「魔法実技試験かー……塔子ちゃんは受けるの?」
「うん。よく寝たし、人数少ない日にやっても寂しいし」
「魔法かぁー……私は使えないんだよなぁ……やっぱり才能なのかな」
「使えてたら強制参加だったような……試験おわったら部屋戻るねー」

「明日も明後日も試験は続く……デジタル入力だけど筆記と同じだから腕が辛いし……じゃ、お風呂沸かしとくねー」
「湯舟で寝ちゃダメだよ? はーちゃん」
「……塔子ちゃんじゃ無いんだから」
「だってお風呂気持ちいいもん! 落ち着くもん……大抵嫌な夢見るけど」

 風呂場の話が出たので、この話をしておこう……

 塔子の胸のサイズは際立って大きいわけではないけど、これだけあれば大きい者の仲間入りをするには及第点の膨らみ具合で、これを若干控えめにすると茶遠一の大きさになるものの、身長に関しては茶遠一の方が上で……髪は塔子が腰の近くまであるのに対し、茶遠一は背中の中腹辺りまでで真っ直ぐ整えただけのストレートヘア。

 そして塔子は自然と巻き毛部分が出来て、いつもふわふわした髪型になりがちで、茶遠

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