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ここ1,2年のあれやこれや

2017年10月24日、とある会議に出席する上司の随行のため、私は遠い異国の大地に立っていた。
アメリカ合衆国メリーランド州ボルティモア、フォート・マクヘンリー。
ここはアメリカ国歌生誕の地、そして私と同年代のクイズ好きには「第13回アメリカ横断ウルトラクイズ」の準決勝の激闘が繰り広げられた場所として心に刻まれている聖地である。
心の中で「ガリア戦記!」「冬虫夏草!」と叫んだり、あるいは「……タックスヘイブン……」「……セザンヌ……」などと呟いたりしながら、クイズに熱狂していた28年前、中学生の頃の自分の姿を思い出していた。

それから長い月日を隔て、齢40を迎えるころに、まさか中学生の頃の自分と同じぐらい、あるいはそれ以上の熱狂の渦の中に飛び込んでいくことになるとは思いもしなかったことだ。
きっかけは正直あまり覚えていないが、とにかく早押しクイズができるイベントがあるということを知り、「原宿ヒミツキチ杯2015」にエントリーしたことが全ての始まりであったことは確かである。「初心者も多数活躍しています!」という惹き句に、ひょっとしたら…という淡い期待を持って出かけるも、結果といえば「初心者の定義は何であるのか、腹を割って話そう!」と叫びたくなるほどで、早押し云々よりも、入口で握手してもらったクイズ王の手の温もりだけが印象深かったという、まあ惨敗を喫したわけである。

なぜ、そんなに早く押して正解できるのか? それが不思議で仕方がなかったのだが、後日、どうやら最近のクイズは「競技クイズ」として進化していること、そしてクイズイベントが定期的に行われているということを知るに至り、2016年から道玄坂を上り下りする日々が始まる。クイズ問題の構造、そして日本語アクセントに則った先読み、勝負の駆け引き……クイズに久々に熱中する感覚が懐かしく、それでいて体感する全てが新鮮だった。それから数か月、場数を踏むにつれ、1問正解できればいいほうだったのが、2問、3問と正解を重ねることができるようになり、やがて「勝ち抜け」という快感を覚えるに至ると、もう月一でボタンを押さないと気が済まない身体となってしまい現在に至っている。

さて、ここ1、2年の最大の出来事として、今年2月の「アタック25」出場に触れなければなるまい。幼少期から見続けてきたクイズ番組への出場は、まさに夢のような出来事で意気揚々と臨んだのであるが……。結果は4枚(3位)という、触れていいのかダメなのか周りの方々に気を遣わせてしまうような凡戦。本当に申し訳が立たない。敗因はあまりにパネル取りの効率に気を取られすぎて「策士策に溺れ」てしまったことだろう。結局解答権も4問しか取れず、玉砕覚悟で序盤からバンバン押していけば良かったと今でも後悔している。あと、頭の中にカーター卿の顔を思い浮かべているのに「シュリーマン」と答えちゃだめだ。ただ、キングオブベタ問題である「エクレア」を、アタック25で答え、しかも25番をコールできたことはクイズ好きとしては一生の思い出だった(オンエア翌日、職場のデスクの上にはエクレアが置いてあった)。

競技クイズ歴も間もなく丸2年。これまでを振り返ると、最初と比べたら少し先まで勝ち進むことができるようになったとは思う。しかし、調子の浮き沈みが激しかったり、しなくてもいい誤答で失格をしてしまったりと、まだまだプレイヤーとしては未熟な部分が多いのが実情。それに苦手分野にめっぽう弱いので、何とかして克服していかなければなるまい。勝っても負けても納得のいく積極的なクイズを心がけていきたいと思う所存である。

最後に、クイズを始めたことでのもう一つの収穫についてお話したいと思います。それは人の輪が広がったこと、そしてそのことでいろいろな世界が大きく広がったということ。新しい遊び、趣味、知識、おいしい食べ物、おいしいお店、長濱ねる1st写真集等々、本当に多くのものごとに出会うことができたのも、クイズの世界に足を踏み入れたからこその喜びです。人見知りで『迷える子羊』となっていた私にそのきっかけを与えてくださった あずはたさん、そして、皆さまにはただただ感謝です。ありがとうございます。おかげさまでいつ終わるか知れぬ第二の青春を謳歌しています。今後もクイズで切磋琢磨しつつ、いろいろと楽しく過ごせたら良いなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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