「月白の本~小さな不思議の物語~」本日、完結しました。
実は最後の2話は今日と明日で分けて公開予定だったのですが、1話が短いこともあり、また、ここは続けて読んでいただいた方が良いかなとも思いまして本日公開、完結することにしました。
最後の2話でも書いたのですが、この物語では、特別なことはほとんど起こりません。
ある意味、とても内省的な作品です。
少しの不思議は、それぞれへの”もう一度踏み出す為の力”にしか過ぎませんし、精一杯の特別が、三人の子供達と母の気持ちのリンク……繋ぐことなのです。
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今、生きにくい世の中だからでしょう、異世界転生モノがブームになっています。
上手くいく全てを身につけさせてくれて、新しい世界で生きる。
それは、楽しく心踊ることです。
夢であったことが全て与えられる、
それは、ひとつの救いです。
沢山の素晴らしい作品があります。
でも、多分わたしは、現実の苦さと、そこで簡単に何かを与えられるのではなくて、自分で悩んで考えて、そして見つける物語を書きたかったのです。
人生は厳しいけれども、人には挫けても顔をあげて踏み出す力があることを信じたくて。
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どうも長々と一人語りするのは悪い癖ですね(汗)
そして、蛇足ついでに、少しだけ裏設定?を。
母親と息子三人はお気づきの様にリンクしています。
そして、望は朔の対極の存在として書きました。話数も、ちょうど真ん中の位置に置いて地の文の語り口も変えました。
月の満ち欠けも意識しています。
また、残りの三人の女性達、この三人も実は、年代別でパラレルワールドの様になっているのです。
同じ人物ではないのだけれど、どこかが実は重なっていて。
蛇足、長くなりました(汗)
読み終わって、もしも、よろしければ、もう一度、最初から読んでみて下さると嬉しいです。
そうして、作者がそっと忍ばせた小さな欠片に気がついていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
お読みいただいて、本当にありがとうございました。