この曲は、とても思い出深い。
幼い頃、この曲のアニメーションを見て、私は恐ろしさに震え上がった。
長年、暗い背景や、絵の中に閉じ込められる内容のせいだという通説のとおりだと思っていたが、私は思い出した。
私は[勝手に動く人形が怖かった]のだ。
忘れもしないあの映画[チャイルド・プレイ]を見てしまったのが全ての始まりと言ってよかろう。
日本国にホームステイしていた当時、私は3歳ぐらいの子ウサギで、映画[チャイルド・プレイ]の恐怖の衝撃を上手く受け流せなかった。
オマケにぬいぐるみとパペットによる不幸な事件が重なって、そこから……多分、10年くらいは人形がダメだった。
電池を入れると動くような奴や、傾けたり、口の部品を動かすと、まばたきするような奴は、特に苦手だった。
今は、もし人形が襲ってきても軽く引き裂けるだけの戦闘力を手に入れたので大体平気だが、それでも丸っこくデフォルメされた(チャッキーのような)人間の形は今でもあまり近寄りたくない。
かくして、メトロポリタン美術館は、私の記憶に鮮やかに焼き付き、異常図書の素材になったのだ。
私がぬいぐるみを生活空間に招き入れたのは、2014年、特使の人から[汎用うさぎ]をもらった時が初めてになる。
それまでは、ぬいぐるみを近くに置いても、見て楽しむために置いたのではなく、単に適当に置いたというだけのことでしかなかった。