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一人芝居・寸劇「夏の終わりの一気読み、いかがっすかー…。」

(日陰の見当たらない、日盛りの道を、大汗をかきながら、書籍を満載して日覆いを掛けたリヤカーを引っ張りつつ、からんからん…と、鉦の音を響かせながら)

「いかがっすかー、小説投稿サイト『エブリスタ』で好評…かどうかは判りませんけど、ともかく今現在連載中の、小説『一人語り』、『カクヨム』にて順次一挙公開中っすよー…。
…売れないね、これ…。いや、今流行りの「異世界転生」とか、「ざまぁ」とかじゃないじゃん?…いや、異世界転生は、もはや定番の物語塑型だったりするのか…。この『一人語り』、…読んでくれて、その上で「面白い」って思ってくれた人は、十中八九「評価」だの「応援」だの付けてくれるし、それはすごく有難いんだけど、…あまりに評価の少ない作品への「同情票」じゃないか、って気もしちゃうんだよね…。これは自分の僻み…って、それはちゃんと判ってるけど。
…いや、「同情票」だろうと何だろうと、こんな、…海の物とも山の物ともつかない、評価実績のない作品を、わざわざ開いて、その上で「評価」や「応援」の加点をしようっていう、「奇特」なお方は、こんな、…まあ、流行りでもない話を、流行りに乗れないのを承知で、昼はひねもす夜は夜もすがら、こつこつこつこつ今まで書き綴ってきた人間にとっては、本当に有難い存在ですよ…。足元に額付いて三跪九拝の礼を取る…のは、実際には無理なこったし、それに、…昔の中国ならともかく、現代の日本でやらかしたら、さすがに間違いなくドン引かれるだろうけど、…でも、作品の生みの親としては、それくらいの気持ちですよ…。
あ、関係ないけど、去年亡くなった中村吉右衛門、播磨屋。音羽屋の「菊やん」こと尾上菊之助の、義理のお父っつぁん。あの方、楽屋での渾名が「僻みの権太」だったんだって。「すぐにお臍を曲げる」って…。
…こんな、思い切り趣味に走った独り言、呟いてる場合じゃなかったわ…。……小説「一人語り」、いかがっすかー、まだまだアップしたてですよー、面白いですよー!!
あ、お呼びで!…ありがとうございます!何話分ほどご入り用、…え、…子供がやっと今、昼寝で寝付いたところだから静かに、って…。そりゃどうも、失礼を…。
…あーあ…。…いや、解るよ?あのお母さん、充血で目が赤かったし、まだ若いのに目の下にクマが…。きっと、夜も何時間か置きにミルクだのなんだので起こされて、その用が済んでも、きっとお子が寝てくれないんだろうな…。ワンオペ育児なのかな…。そういう事情は、そりゃ解るんだけどさ…。いや、…あの「赤い目」、それに「目の下のクマ」、…もしかして吸血鬼…?…眠れないのは、お子じゃなくて、ご自分…?……まさかね…。
…まあ、「子供は世の宝」ですから。間違っても、重たい思いして、ベビーカーのお子連れてバスに乗ってる親子連れに、暴言吐いた上にベビーカー蹴飛ばす、なんていう大人になんか、絶っ対になりたくないし…。
さて、…もう少し、頑張って売ろうかね。……小説「一人語り」、『カクヨム』で順次一挙公開してまーす。ついでに、小説投稿サイト『アルファポリス』で、公開初日にジャンル一位を記録した掌編、「人柱奇譚」もありますよー…。」

(声を張上げつつ、リヤカーを引きながら、日盛りの道を陽炎の向こうへと消えて行く)

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