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第一章の登場人物

加茂野 茉凜 
「あの場所に辿り着いた時に思ったんだ。今までの自分から新しい自分になれる。そんなきっかけになるなにかが見つかるって……」
 ごく一般的な家庭で育った一六歳の少女。家族構成は父、母、四つ違いの兄。中学卒業を間近に控えた時期に落雷事故に遭遇しており、奇跡的に九死に一生を得るものの後遺症を抱えている。事故以来繰り返し見続けてきた、夢の情景を探し求めて旅に出る。その途中で立ち寄った石与瀬の公園で、柚羽 美鶴と運命的な出会いをはたす。そして、彼を取り巻く抗争と謎に巻き込まれてしまった彼女は、明日をも知れぬ身となってしまう。紆余曲折があり、虎洞寺氏(後述)の屋敷で、弓鶴と生活を共にすることになるのだが……。身長が一七三センチと高いことがコンプレックスで、自分の容姿にはあまり自信がない。前向きで物怖じしない性格で大のお人好し。土壇場に置かれても諦めない意志の強さを持つ。敵対していた相手さえも懐柔してしまう、通称「猛獣使い」。幼少時からバイクトライアルの選手で、類まれなるバランス感覚の持ち主。油断するとつい出てしまう「うえへへへ」という変な笑い声が特徴。


柚羽 弓鶴 
「お前は俺にとって必要な道具の一つに過ぎん。道具風情が俺に馴れ馴れしくするな」
 年齢一六歳。際立った美貌を持つすべてが謎に包まれた少年。茉凜曰く「遠目に見てるだけなら最強」、「間近で直視し続けたら死ぬ」レベルの美形だが、いつも無愛想で口を開けば冷酷無比。人を人とも思わないような見下した態度をとる。近づこうものなら鋭い氷のトゲに刺されそうな猛烈な負のオーラを放つ、通称「氷柱の中の王子様」。知られざる異能集団『深淵』の御三家の上層部を構成する一角、柚羽家の血を継ぐ。おせっかいが過ぎる少女、茉凜のアタックに押し負けて、次第に心を溶かされていく。茉凜より身長が低いのが気に入らない模様。深淵において厄災の元凶(あるいは希望の可能性)とされる禁忌「黒」の力を秘めている。


鳴海沢 洸人《なるみざわ ひろと》
「僕はね、君にとても興味があるんだ。それ以外の理由が必要?」
 深淵の御三家の一つ、鳴海沢の長子。優秀な術者で、青の系統の流儀では最高位に位置する。長身細身で長い髪を腰のあたりまで伸ばしている。メガネを掛けた物腰の柔らかそうな印象とは裏腹に、作中で冷酷な術者としての一面を覗かせた。彼にも隠された事情があるらしい。弓鶴の姉と一度だけ会ったことがある。実はかなり女にだらしない一面……。彼の接近を許してしまった理由は後ほど説明される。


藤堂 亘《とうどう わたる》
 弓鶴をサポートをするチームのリーダーとして登場。郭外とよばれる深淵の外郭組織に属し、弓鶴の伯父である虎洞寺氏が組織した『天』というチームを率いている。柚羽家傍系にあたり、五颯と呼ばれる近接格闘術の使い手。深淵の血に連なる者で、術者が形成するフィールドを認識できるが、力を扱う適正はない。常日頃は弓鶴の送迎を務める運転手として身辺を警護している。


虎洞寺 健《こどうじ たける》
『私には私なりの私にしかできない戦い方というものがある。だからこちらから仕掛けてみるのさ。上の帳をこちらから叩いてみる」
 姓は役職に基づく偽名。弓鶴の叔父にあたる人物。数々の事業を成功させ、豊富な金融資産を持つ。事態に巻き込まれてしまった茉凜を保護し、自分の屋敷に住まわせようとする。その目的は……。実体は深淵の外郭組織、通称『郭外』あるいは『外表』の会長である。力の適正を保たない血族は外に追いやられるが、その受け皿が彼の組織である。元々は一般社会に溶け込んで経済活動に従事し、情報収集にあたるのが役割であったが、虎洞寺氏はそれを拡大させて大きな発言力を確立させるに至った。今や彼無くしては深淵は成り立たない。彼と深淵は表と裏の立場で繋がっているが、近年は微妙なバランス関係になっている。墓所の古い伝承に記された禁忌の存在『黒』。体制を覆しかない駒を手にした彼に、野心はあるのか否か? ちなみに彼は実働している術者をすべて把握している。ただし御三家から上については帳の向こう側で掴めていない。そのため鳴海沢の接近を許してしまった。


佐藤さん(仮)
「あの方ですか? はい、とても心の優しい方ですよ」
 虎洞寺家の謎に包まれたスーパー家政婦さん。謎といっても特別なにかの特殊能力があるわけではない。


深淵
 その起源はまったく定かではない、謎の異能の血族で構成される暗殺組織。組織構成は謎。彼らの暗殺手法は独特で、凶器も毒物も用いない、一切の証拠を残さないという。対象の近くを通り過ぎるだけで殺せるということ。現在開示できる情報はここまで。

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