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ちょっとしたお知らせ

どうもHaluです。

私事ですがしばらく色々な投稿をお休みするかもしれません。理由は決して後ろ向きな話ではなく、単に思いついちゃった話があまりにも私の癖すぎて文章に起こしたくなったからです。とはいえそれを投稿する予定も今のところありません。どんな話かだけはこの近況ノートの最後に書きますので、癖の片鱗だけでも味わっていってください。もしかしたら限定公開にだけあげたりとかはあるかもしれません。


そしてそして人気投票の結果なんですが……もうしばらく…………もうしばらくお待ちください。申し訳ございません………




ではまた。






ここから癖の詰まったやつ


―――――――


 あまり自分で言うことでもないが俺はバカな男だった。喧嘩とセックスに明け暮れるだけの生産性のない人生。楽しければそれで良かった。だがそのバカな生き方のせいでセフレの1人に包丁で刺され、まだまだ楽しみたかったと後悔して死んでしまった。

 はずだったんだが……


「勇者様!どうかこの国を救ってください!」


 目が覚めたら俺は見たことない場所にいた。まさしく絢爛豪華な城のような内装に大量の兵士や陰気臭い連中。そして椅子に座ったまま意味の分からない事を頼んでくる小太りのおっさん。救ってくれとか言うわりには指輪やら服やらは光輝いている。

「絶対にイヤだ」

 絶対に面倒くさい事なのは分かるし、恐らくこれは夢の中だ。こんなことあるわけがない。夢だというのにおっさんの指示に従うわけがない。

「なっ……!?」

 俺の返答におっさんは驚き立ち上がる。それと同時に周りにいた兵士も俺に槍を突き立ててきやがった。勇者様とやらに随分と乱暴なことをするもんだ。
 するとおっさんの隣の椅子に座っていた金髪の女がおっさんの手を握り、座るように促した。こちらも無駄にキラキラしてやがるがおっさんよりは若々しい。そしてなにより……


「勇者様……どうかお話だけでも」


 とんでもなくエロい体をしている。あんなデカい胸は見たことない。それでいて腰も細く尻もデカい。流石は夢だ。

 俺はエロさに免じて話だけでも聞くことにした。数百年前にこの世界で魔人族と呼ばれる種族と戦争が起こったらしい。なんやかんや色々あって魔人族との戦争は終結。有効関係を結んでいたのだが、数年前に魔王を名乗る魔人が現れ戦争を吹っ掛けてきたとのこと。それに対抗する手段として異世界?から俺を召喚したのだとか。

 歴史とか勇者の理屈とか詳しい話もしてくれたが正直何言ってるのか半分も理解出来なかった。なので話の大半は女王を名乗る女のエロい体を見て過ごしていた。あの体をおっさんが好き勝手してると思うとそっちの方が腹が立つ。

 やがて女王が話し終え、王様らしいおっさんが再び俺に頭を下げた。

「なので、どうか勇者様にはお力添えをしていただきたいのです……」

「…………んー」

 夢じゃないということはこの長話の間でなんとなく理解できた。だとしたら尚更魔王と戦いたくない。特別な力があるとかなんとからしいか死ぬ可能性があるのに見ず知らずの国に手を貸すほど俺はお節介じゃない。

 だが俺が勇者という崇められる立場にあることは分かった。ならば1つ頼んでみるとしよう。

「王様。お願い聞いてもらっても?」

「えぇ構いませんとも。なんなりと」

「女王様を抱かしてください」

「…………はい?今……なんと?」

「へぅ………」

 俺は女王を指差してそう頼んだ。おっさんは俺の問いに聞き返し、女王はウブな女みたいに顔を真っ赤にした。

「女王様とセックスさせてください」

「なっ………いくら勇者様といえど!」

 馬鹿な提案の意味をようやく理解したおっさんは慌てて立ち上がり怒鳴ってきた。まぁこれは当然っちゃ当然だ。周りの兵士達もザワザワし始めた。
 しかし女王は顔を赤らめつつも椅子から立ち上がり、俺の元へと歩いてきた。

「私のような情けない体を捧げるだけでこの国が救われるなら……」

「…………へぇ。物分かりが良いっすね」

「ダメだ!そんなことをしては!」

「大丈夫ですよあなた。あなたの事を愛していますから……」

「マリア…………」





 翌日。

「んじゃ行ってきます」

「…………道中お気をつけて」

 昨日と同じ場所に集まり、俺はおっさんに魔王討伐の意思を伝えた。もっと喜んでくれるものかと思っていたのだがおっさんは項垂れていて元気がなかった。対しておっさんの隣のマリアは艶々としていて、幸せそうだった。俺はそんなマリアに手を振り、別れを告げた。

「じゃあなマリア。また来るよ」

「はい。いつでもお待ちしておりますわリュー様」

「ぐっ…………」


 俺はおっさんから多額の金と色々な装備を貰って城から追い出されるように魔王討伐の旅に出ることにした。これから俺の勇者としての冒険が始まる。


 訳もなく……


「勇者様。その……今夜………」

「……おう。空いてるぜ」

 俺は3ヶ月もの間、王都ローデイルから出ずに都中の綺麗な女と楽しみまくっていた。俺だって最初は旅に出ようとは思っていたのだが色んな奴が勇者ってことで声をかけてくる。だから快く相手をしてやってるだけだ。おっさんから貰った金で高い宿に泊まり、夜は女をとっかえひっかえで遊ぶ日々。
 もちろん男共からの嫉妬もあるが文句は言わせない。なにせ昼間はしっかり都の周囲の魔物討伐やら依頼やらをこなしているからだ。ここは王都というだけあって魔王軍の脅威にさらされていた。ので俺が守ってやっている。おっさんに文句を言われないように兵士にも訓練をつけてやったりしているし、女もあっちから寄ってくる。Win-Winってわけだな。


 そんな充実した日々を過ごしていたある日、ギルドからの依頼で街道に現れるようになったというグリフォンの討伐に向かっていた。なんでも商人やら馬車やらが襲われてるらしい。
 というわけで俺が今日来る予定の商人の馬車と雇われの傭兵を見つけ、しばらく見守っていると馬を襲いにグリフォンがやってきた。よほど安い金で雇われていたのか傭兵はグリフォンを見て逃げ出しやがった。俺はその様子に呆れつつも被害が出る前にと速攻でグリフォンの首を剣で切り落とした。

 勇者の力がどんなものかと思っていたのだが、ただ強いというだけだった。元の世界にいた頃よりも高く跳べて、速く走れて、力が何十倍もあるだけ。後は魔法ってのも使えるが体を動かした方が性に合ってるので使わない。

 と、そんなこんなで商人のおっさんに感謝され、荷物が崩れてないかを確認しようとすると中から小汚ない男のガキが飛び出してきた。ガキは一目散に王都の方へと走って逃げようとしたので俺は腕を掴んで持ち上げた。

「いっ………離せよ!」

「なんだこのガキ……あんたの息子か?」

「いえっ!きっと泥棒です!」

「クソッ……!頼むから離してくれよ!」

 宙に浮かされ、俺を蹴ろうと暴れるガキ。髪は赤くボサボサしている。服も汚れて破けている。何かあったことは察しがつく。

「なんで王都に行きたいんだよ」

 俺は馬車に忍び込んでまで王都を目指す理由を尋ねた。するとガキはまだまだ元気に暴れながら理由を話した。

「王都には勇者がいるんだろ!勇者なら……俺の村を助けてくれるはずなんだ!」

「…………なるほどね」

 いつの間にか勇者は噂になってるらしい。まぁ半年も居たし当たり前か。

「俺がその勇者だって言ったら?」

「…………え?」

「えぇ!?」

 ガキだけでなく商人のおっさんからも驚かれた。そんなに俺は勇者っぽくないって言いたいのかよ。そりゃ遊んでばっかだけどよ。
 するとガキは俺が勇者だと知ると暴れるのをやめ、必死な形相で頼んできた。

「お、お願いします!俺の村を助けてください!」

「………参考までに話は聞いてやる」


 俺はガキを下ろし話を聞くことにした。半年前なら無視してただろうに俺も丸くなったものだ。
 ガキの話によれば村は悪徳領主に騙されたとかなんとかで理不尽な暮らしを強いられているとか。つまり魔王軍とは何の関係もない。こんな時に人間同士が争っているという下らない話でしかなかった。
 なので俺の答えは当然ながらYESではない。

「悪いけど俺も忙しいんだよ。他をあたってくれ」

「っ……勇者のくせに!勇者は困ってる人を助けてくれるんだろ!」

「報酬があればな」

「くっそ………勇者も結局金かよ……!」

「………そういうもんだ」

 きっと他の連中にも金やら権力やらで無視されたんだろう。だからこそ勇者を頼りにやってきた。だが勇者だって慈善事業じゃない。しかも人間が相手なら尚更受ける理由は…………

「このままじゃ姉ちゃんが…………」


 急に話が変わってきたな。


「……おいガキ。姉ちゃんは美人か?」

「は?なんでそんなこと……」

「美人かって聞いてんだ」

「そりゃ……俺から見ても村一番だ。そのせいであのクズ野郎に目をつけられて…………クソッ!」

 確かによくよく見ればガキは顔が整っている。となれば姉も相当良いだろう。話の流れからしてその姉は今は悪徳領主に好き放題されている可能性がある。


 …………なるほどな。


「ガキ。明日朝一で出発するぞ。とりあえずついてこい。身だしなみを整えてやる」

「…………ほ、本当か!?」

「男に二言はない。ほらとっとと王都に行くぞ」

「ありがとうございます!」

 俺はガキを連れ、旅の準備を整える為に王都へと戻ることにした。

 その夜…………


「なぁマリア。朝一でここを出るから」

「………そうですか。名残惜しいですね」

「だから抱きに来たんだろうが」

「ふふ……ありがとうございます」

 俺は城を訪れてマリアと夜を過ごしていた。何人も抱いてきたがやはりマリアが一番良い。女王という背徳感も相まって最高だ。
 それにしてももう少し動揺するかと思ったがマリアは落ち着いており、俺の話を聞いた後にベッドから降りると服を着始めた。

「なんだもう終わりか?」

「いえ。リュー様に見せたいものがあります」

 そうしてマリアに案内された先は城の地下にある宝物庫だった。金銀財宝が並べられているきらびやかな空間の最奥に連れられ、見せられたのは白銀に輝く大剣だった。

「これは我が国に伝わる神器です。数百年前に神から与えられたという逸話があり、代々受け継がれてきました」

「……どうしてこれを?」

「これはリュー様にこそふさわしい剣だと私は思っています。もしもの時のためにとあの人が持ち出すことは禁止されていたのですが、こんなところに眠っているくらいならリュー様に使ってほしいのです。あなたにはその資格があります」

 およそ170cmはありそうな大剣。いくらなんでも持ち上げることすら難しいのではと思い手に取ると、その大きさには似合わないほどに軽く、普通の剣のように軽々と持ち上げられた。その様子を見ていたマリアも嬉しそうに微笑み、俺に体をくっつけてきた。

「流石は勇者様です。貴方こそ世界を救えるお方にふさわしい」

「ありがとよマリア」

 俺がマリアへキスをすると、大剣は光り輝き短剣へと姿を変えた。収納に悩んでいたがこれなら大丈夫そうだ。

「さてと………じゃあ続きといくか」

「はい。忘れられない夜にしてください」

 部屋に戻った俺達は別れを惜しむかのように抱き合い、城には一晩中マリアの獣のような喘ぎ声が鳴り響くことになったのだった。


 そして約束の朝。

「俺は寝るから着いたら起こしてくれよ」

「本当にこれが勇者なのか……?」

 ガキと共に馬車に乗り、この世界にやってきてから半年をかけてようやく勇者としての冒険の旅が始まるのだった。

1件のコメント

  • これ好きだな
    続いて欲しい
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