●優勝者:水縹F42 物語士
●ルール
・ワードをすべて使ってエンディングに結びつく無理がない物語を書く。
・1センテンスに1ワードしか使用できない。
・前ツィートにレスで3ツィート以内で記載。
●エンディング
敵は死に、そしてついに彼らは結ばれました。
●ワード
【幸運な】
【親】
【別れる】
【競争】
【夜】
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■水縹F42 物語士
昼と【夜】、太陽と月、決して交わらぬ2柱の神を【親】にもつ少年と少女は恋仲にありました。しかしそれを善く思わぬ神々は2人を引き裂き【別れ】させます。
2人は陽の光、月明かりの元、常に見張られていました。
少年は嘆き、少女は涙を流しました。しかし【幸運】を司る神が2人にアドバイスします。
『誠に結ばれる定めに有るならば、互いを追いかけ【競争】せよ。然る後お互いは出会うだろう』
2人はそれを信じ、互いを求め歩き、駆け、飛びその時が訪れました。
ただのひととき、太陽と月は重なり、2人を隠す影が生まれたのです。
ただひととき。陽の光、月明かりという敵は死に、そしてついに彼らは結ばれました。
■秋田川緑 物語士
ある日、魔法使いは、その日に子供が生まれて【親】になった二組の夫婦を訪ねます。
一方は娘を授かり、もう一方は息子を手に入れましたが、この魔女はとんでもない贈り物をくれる魔女として有名だったため、二組の夫婦はこんなに【幸運】が重なるのは、とても幸せな事だと思いました。
しかし、魔法使いは「お互いの家の子が16になった時に殺し合わせ、生き残った方の家に莫大な財宝をやろう」と言います。
そして15年後、二つの家の子供たちは大人たちの都合など関係なしに、こっそりと恋人同士になっていましたが、一年後に【別れ】(?)が訪れると思うと、胸が張り裂けそうでした。
ある【夜】、隣の村に魔法使いがやって来たことを知った二人は、刃物を持って隣の村に向かいます。
「僕たちは財宝なんていらない。愛があれば良いのだ」「よし、魔法使いをやっつけよう」彼らの襲撃によって魔法使いは死に、そのまま放浪の旅に出た二人は誰も知る者がいない遠い地で、結ばれました。(?)
●板野かも 物語士
「遂に追い詰めたぞ、【親】の仇!」
「馬鹿な。【夜】の魔封陣を解き明かしたというのか?」
「いや、俺は【幸運】だったのさ。偶然選んだ道がここに通じていた。死の【競争】もこれで終わりだ!」
【別れて】いた義妹を救い出す必殺の一撃!
敵は死に、そしてついに彼らは結ばれました。板野先生の次回作にご期待下さい!
●にぽっくめいきんぐ 物語士
<別れる>しかないと、兄弟は思っていました。
「お前らは男同士だろ!」
「あなた達は血が繋がってるのよ?」
そう叱って《《くれた》》<親>を殺したのは、自由主義ガーディアンと呼ばれる、過激派の頭領。でっぷりと太った、目つきいやらしく、にへらにへらと笑う奴です。
仇討ちを誓いました。
奴は大物で、普段はガードも固い。神社で行われる、この<夜>の祭を逃すことはできません。
細身を活かして、まんまと人混みに紛れ込んだ2人は、決行直前、迷いはじめました。
流血に流血で応えるのが果たして正しいのか?
……時間との<競争>だというのに。
しかし、彼らにとって<幸運な>ことに、奴は屋台の餅を喉に詰まらせたのでした。
祭りの喧騒。
慌てふためく、奴の側近の、黒服たち。
遠くから、救急車のサイレン。
命を散らすような、祝福するかのような花火。
直接手を下すことなく。
敵は死に、そしてついに彼らは結ばれました。