私が書くのを苦手とする一人称一元視点ものの小説ですね。
でも入り方が「設定の説明」を最初にするのではなくて「目に見えているもの」から始まる夢のシーンにすることで主人公に入り込みやすくなっている。
そして母親殺しというエピソード(というかパワーワード)によって読み手にフックを引っ掛けて、そこから設定の説明にスムーズに移行しているのだなぁ…などと理屈っぽく読んでみる。
長々と母親殺しのエピソードを書きたくなる所を、アメリカの特殊部隊の話にかなり早くスイッチしてそこに文量を割くのは、作品の主題が親子という関係<殺人という事象だからなのかな。
人が死ぬ小説ばかり読んでしまう。