先日、カクヨム甲子園授賞式から創作友達となった天井萌花さん主催の『天井萌花甲子園(萌花甲)』の結果発表がありました。私も審査員としてガッツリ参加させてもらったため、終わってしまったことに少し寂しさがあります。
以下、特に気に入った作品の感想です。
ゼロイチ(坂口青さん)
作品リンク: https://kakuyomu.jp/works/16818093082072908912
カクヨム甲子園受賞作品もクオリティの高さに度肝を抜いたのですが、今作はさらに上を行く秀逸なものでした。
3000字にも満たない掌編ですが、10万字の長編を読んだときのような満足感があります。
特に小説を書く人にはぜひ読んでもらいたい一作です。カクヨムという場所で、電子媒体で読むからこそ味わえるものもあります。
参加作品云々を超えて、生涯忘れられない物語のひとつです。
黎明に落ちる(宵町いつかさん)
作品リンク: https://kakuyomu.jp/works/16818093077669876832
文章のひとつひとつや、描写の仕方がとても好みです。
一人の心の動きや見えている世界が鮮明に浮かび上がってくるような物語であり、主人公と似たような体験をしたわけでもないのに、この感情や状況を知ってると感じるような文章でした。
何と言えばいいのかわからないのですが、自分の中に文章が入っていく、当てはまっていくような感覚を抱きました。
時間があるとき、じっくりと読んでほしいです。おすすめです。
しかしできることなら中編〜長編で読みたかった。
真綿の星(雨森透さん)
作品リンク(応募作): https://kakuyomu.jp/works/16818093077524429608
改稿版: https://kakuyomu.jp/works/16818093085202143801
映画を見ているような感覚でした。
より詳しい感想は夜海ルネ(春野カスミ)さんがすべて書いてくださっているので私から言うことはあまりないのですが、とにかく完成度が高かったです。
濃密な小説を読みたい方、ぜひご一読ください。
瑞国伝(水野文華さん)
作品リンク: https://kakuyomu.jp/works/16818093078198236614
中華系の物語はほとんど読んでいないのですが、割とすんなり物語の世界に入っていけました。
シンプルにエンタメ性がとても高く、審査云々抜きで楽しく拝読させていただきました。
2万字とは思えない波瀾万丈な手に汗握る展開かつ、胸を打つシーンもあり、読後感もかなりよく、中華系に抵抗がない方には広くお勧めできます。
カクヨム甲子園応募作とのことですが、うまくいくことをお祈りしております。
檸檬(功琉偉つばささん)
作品リンク: https://kakuyomu.jp/works/16818093077147070737
ビギナー賞に推薦した作品です。
開始数秒で読者の心を掴む書き出し、オチの秀逸さが光り輝いていました。
1300字程度とかなり短い作品ですので、ぜひご一読ください。
他にもいいなと思う作品はあったのですが、非公開になってしまったのでここで締めようと思います。
他の方の選評はもっと詳しく書かれておりますので、ぜひそちらもご高覧いただければ幸いです。気になる作品が見つかればいいな。
【こちらの天井萌花さん近況ノート( https://kakuyomu.jp/users/amaimoca/news )より他審査員の選評がご覧いただけます】
新しい企画も動いており、そちらも選考委員として参加予定ですので、ぜひ応援いただけますと幸いです。
私自身の近況ですが、文藝賞に応募して一次落ちしましたがすこぶる元気です。
ポプラ社小説新人賞、文學界新人賞にも計3作品応募しました。
新人賞応募が主な活動となっており、あまりカクヨムに投稿できていませんが、創作活動は続けています。
また何か投稿することがあればよろしくお願いいたします。