Rさんは小学生の頃、川釣りが趣味だった。友人たちと川に出かけて糸を垂らすのが日常で、それほど釣れることは多くなかったが、魚がいないわけではないのでそれなりに楽しかったらしい。
ただ、一度だけ怖い目に遭ったそうだ。それは軽く雨が降った後のことだ。
友人たちも都合が合わず、仕方なく一人で釣りをしていたのだが、雨上がりということで、魚も警戒しているのか引っかからなかった。
イライラしてきたので、重りをつけた針を思い切り竿を振って遠くに飛ばした。それが着水したとき『痛ッ!』と言う声が聞こえ、糸がグイグイ引っ張られた。何かがかかったのかもしれないが、人の声としか思えないものが聞こえたので怖くなって糸を切って逃げたのだという。
なお、その雨は大した雨では無いし、川に流された人も出ていないのだという。