Oさんは高校生の頃、奇妙な体験をしたそうだ。
その時はただ単に眠っていると祖父が出てきて、「水が足りん、仏壇に供えろ」と言って来た。もちろん夢の事なので気にする事も無いのだが、受験勉強で根を詰めていたので気分転換に仏壇を見ると、本当に水が切れていた。水を入れて供え手を合わせると再び勉強に戻った。
それからも時々、勉強中に夢を見る事があった。時にはお菓子が無くなっているとか、花が枯れそうになっているなど注文は多かったが、気分が落ち込んでいるときにそんな事をするときが紛れた。
受験が近くなった頃、追い込みをしていたのだが、プツンと意識が途切れて夢を見た。その夢の中では写真でしか見た事が無いような先祖から祖父まで勢揃いしていて、『お前には世話になった、あまり根を詰めんようにな』と言って消えていった。
彼女は無事受験が上手く行き、都内の某大学に入った。
周囲のみんなはよく頑張ったねと言ってきたが、どうにも彼女の感覚だとご先祖たちのおかげではないかという思いが離れないそうだ。
今でも規制したときには毎回仏壇をしっかり手入れしているそうだ。