Rさんが夏休みに両親の実家に帰ったときの事、父方の実家でそれは起きた。
夏休みという事でゲーム機を持ってまだ子供だった彼は親に連れられるまま帰省したのだが、古民家然とした実家で携帯ゲーム機で遊んでいると、そう言えば裏技があったなと思いだした。
有名な某ゲームに、ボタンを指定の回数押してキャンセル後、戦闘に入るとバグでキャラが無敵化するというものだ。試しにそれをやって見るとコマンドが変化し、使用してみると一撃で敵を倒した。
もう一通り遊び終えたゲームだったのでそのくらいのバグ技を使うくらいしか遊びようが無かった。
しかし技を使用すると良いにしろ悪いにしろあり得ない技が出るので面白くなってバグ技を何回も試した。
何回もバグを試したときの事、敵がぐちゃぐちゃのモザイク状の画になり、自分の技を確認すると『しゅくだい』というものになっていた。確かにこのゲームに宿題という文字列はあるがこんなものが出るだろうか?
ふと考えると、その日はお盆で、彼の勉強をよく見てくれていた祖母の命日でもあった。なんとなくだが、ここにいるときくらいは宿題をしようと思い、真面目に勉強をしたのだった。