Eさんが深夜体験したことだ。彼は酒を飲んで夜に遊び歩いていたその帰り、夜空を見上げると綺麗な星空が広がっていた。
綺麗だなと思いながら家に向かって歩いていく。歓楽街はまだまだ客引きなどもおり、賑やかなものだと思いつつほろ酔いで家まで帰った。
それから買ってきた水をペットボトル一本飲み、窓際で座椅子に座って本を読んでいた。
その本は星から星へと渡り歩く冒険ものだったのだが、夜空に星がたくさん見えていたので読んでいて楽しかった。
分厚い本では無かったので日をまたいで少しした頃に本を読み終わり寝ようとしたところで気が付いた。
町はアレだけ光りに溢れていたのに、どうして夜空にあんなにはっきりと星が見えたのか? 一面の星空になるような暗さではなかったはずだ。曇ってこそいないが、待ちの光が空まで届いて星の光を覆い隠している。窓の外を見ても黒と言うより黒い闇にうっすら白色が混じっているような空に星は一つも見えなかった。
先ほど見ていたものが本当に星だったのかは自信が持てなくなったそうだ。