Kさんが小学生の頃、登校していた時に奇妙な事があったという。
集団登校で朝早くに集合場所に集まって、全員が揃って登校していた。
その日もいつも通り全員揃ったのを確認して登校した。しかし、教室に入り、一限目が始まるまで一つの空席があった。
そこはNくんの席で、Kさんとは同じ班で登校していた。だから今日学校にいないというのはおかしいはずなのだが、考えても登校中にNくんと話し合った記憶は無い。そうこうしているうちに先生が入ってきた。
「Nはインフルエンザなのでしばらく休むそうです」
そう言われポカンとした。いや、確かに登校の班にNはいたはず。そもそも連絡も無いのに一人置いて出発などしないはずなのだが……
考えれば考えるほどNの顔が霞んでいった。
その後、Nは無事登校できるようになったのだが、あの時のことを聞くと『いや、寝てたわ』と言われてしまったそうだ。