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故郷の木々は私の心

先日から『善き魔導師の傷跡』の連載をスタートしました。
現在第4話。右腕を失った主人公のティッサに、指物師にして魔導師のキィスが木製の義手を作り授けるシーンまできました。
あらすじで予告した通りの内容を消化し終わったところですね。

「指物師」という職業を出すと上橋菜穂子先生の『獣の奏者』のパクリみたいにならないかな……とビビりながらも、あれ以上にキィスが指物師であることに意味を持たせられたら、と思いながら書いています。
なんと畏れ多い目標であろう。

私は北海道の生まれです。今は東京に暮らしています。
北海道を出て本州で感じた一番の違和感は道端に生える樹木の違いでした。

まず桜の種類が違う。
正直、満開のソメイヨシノを見る度に花びらの白さや密集した花の多さを恐ろしく感じます。
散りかけの、花のまばらな葉桜を見て、ようやくエゾヤマザクラに近い安らぎを感じることができます。

本州人になって9年目の今も故郷の木々が愛おしくてなりません。
恋しく思うあまり、いつしかインターネットや図書で北方の木々について調べることが増えました。

『善き魔導師の傷跡』の元々の設定は2014年頃から考えていたものですが、当初の構想に樹は全く関係のないものでした。
物語に樹を登場させようというよりは、故郷のような気候の世界を描きたいとぼんやり思う中で、自然と樹木の描写にも力を入れたいと考え始めました。

そんな感じで、異世界の皮をかぶりながら私の故郷愛が爆発しているのがこの『善き魔導師の傷跡』というお話であります。

既にフォローや応援をくださる方々がいらしてとても嬉しいです。
中途半端にならないよう駆け抜ける所存です。
これからもどうぞ、ティッサとキィスの旅をよろしくお願いします。

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